テクノロジー企業とスタートアップ企業向けの DevOps: Google Cloud の DORA 調査を利用して成功を促す方法について 32,000 人を超える専門家から学ぶ
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 1 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
多くのテクノロジー ドリブンの組織やスタートアップ企業は、DevOps をビジネス イネーブラーとして使用しており、アイデアを迅速に製品化し、デベロッパーの生産性を高め、客層を増加させています。DevOps のワークフローを導入すると成功を促すことができますが、現在導入している DevOps ツールの始め方や最適化する方法について多くの企業が模索し続けています。
Google Cloud の DevOps Research and Assessment(DORA)チームは、成功に不可欠なツールとリソースを提供することで、組織がより迅速にデプロイしてオンデマンドでスケールし、コスト バランスを取れるように支援しています。DORA チームは、年 1 回の Accelerate State of DevOps Report(SODR)を通じて、過去 7 年間で 32,000 人を超える世界中の専門家を調査してきました。SODR はこの種の調査の中で最大規模であり、また最も長く実施されているため、業界に関するデータドリブンな分析情報を提供できます。そこでは、ソフトウェア デリバリーや運用と組織のパフォーマンスを高める機能や実践方法が業界を問わずに調査されています。
組織が今年 DevOps にどう焦点を当てるか、またその理由について、DORA チームからの詳細情報を以下に紹介します。
チームのベンチマークを実施し、改善の機会を特定する
Google の DevOps Quick Check は DORA の調査に基づいており、企業は多肢選択式の 5 項目の質問に答えるだけで DevOps の実装を評価できるようになります。DevOps Quick Check には 4 つの主要な DevOps 指標が使用され、現在のパフォーマンスの評価、同業他社のパフォーマンスとの比較、パフォーマンスに最も影響がありそうな機能の特定に役立ちます。どの業界のチームもコードを開発から本番環境に素早く移行することの価値を認識しており、組織のアジリティを改善する方法を模索しています。安定性を妥協するという選択肢はありません。その調査プログラムのデータでは速度と安定性が密接に関連していることが示されています。実際、パフォーマンスに優れているエリートチームでは、ソフトウェア デリバリーのパフォーマンスが 2 倍近く向上する傾向があり、デプロイまでのリードタイムが 6,570 倍加速しています。
デベロッパーの生産性の向上
DevOps によりソフトウェア デリバリーのパフォーマンスが促進することに加え、多くの企業にとって最優先課題である燃え尽き症候群のリスクが減り、デベロッパーの生産性も高まります。SODR によると、回答者の 89% がパンデミック時に在宅勤務をしていましたが、連帯感やチームの一員であることが感じられる、 ジェネレーティブなチーム文化のあるチームは、燃え尽き症候群を経験する可能性が半分でした。ジェネレーティブな文化と使いやすいデベロッパー ツールは、デベロッパーのワークフローとクラウド インフラストラクチャの作業工程を合理化することに役立ちます。
デベロッパーの生産性を高めるには、デベロッパーが自分の得意分野であるコードの記述に集中できるようにするデベロッパー ツールが不可欠です。 自動化の促進が最優先であっても、企業にはデベロッパーがアプリケーションのコンテナ化に費やす時間をできるだけ減らすツールの活用が必要です。
デベロッパーが Docker を活用して、最新のアプリケーションを生み出すことは珍しくありません。特にポータビリティの観点から、Docker の活用には多くのメリットがあります。ただし、Docker を使用すると、デベロッパーの運用上の負担が大きくなります。一方、Buildpacks を活用すると、アプリのスケールを管理する企業のオペレータをサポートしながら、運用上の負担を減らすことができます。このようなことが可能なのは、Buildpacks を使用すると、デベロッパーの介入なしにセキュリティとコンプライアンスの要件を満たすことが容易になるだけでなく、コードをソースから本番環境に直接移行できるようになるからです。
さらに、デベロッパーがデプロイのプロセスを柔軟にスピードアップする場合は、Cloud Run を活用する選択肢もあります。Cloud Run は Google のフルマネージドでサーバーレスなプラットフォームを提供し、Buildpacks を使用するにあたってフルサポートします。以下は、デベロッパーとオペレータが Cloud Run から得られるメリットです。
生産性の向上: デベロッパーがより早くオンボーディングし、デプロイを加速させることが容易くなります
雇用: すべてのデベロッパーが生産性を高められるプラットフォームを選べます。Cloud Run のようなサーバーレス プラットフォームは、知っているプログラミング言語が少ないデベロッパーが生産性を高めるのに役立ちます。IT エキスパートである必要もありません
製品化までの時間の短縮: ソフトウェアのリリースと顧客への価値創造を加速し、最終的に収益と顧客のリピート回数を増やします
コストの削減: Cloud Run により、ほぼ即時にゼロから自動的にスケールアップとスケールダウンを行うことで、すべてのインフラストラクチャの管理が抽象化されます。そのため、使用した分の支払いしか発生しません
Cloud Run、または別のサービスを選んだとしても、どのクラウド インフラストラクチャを選ぶかではなく、クラウド サービスをどのように実装するかが大変重要です。迅速かつ効果的にスケールできるようにする場合に特に重要です。ISODR によればエリート パフォーマーは、必要とされる NIST のクラウドの特性をすべて満たす傾向が 3.5 倍であることがわかりました。スケーリングの観点からすると、迅速な弾力性の特性は、必要に応じて迅速にスケールアウト、スケールインを行うための鍵となります。つまり、機能の柔軟なプロビジョニングとリリースがとても重要です。それにより、成長の規模にかかわらず、顧客は常にサービスにアクセスできます。
DevOps のビジネスケース
スピードと安定性の改善がチームに役立つということに納得されたかと思いますが、どのように上司を説得しますか。
DevOps 変革の ROI を使用すると、IT およびビジネスの意思決定者に業界が支持するデータドリブンな基盤が提供され、DevOps の投資を評価できます。DevOps の変革によって削減できる費用は、年間 1,000 万ドルから 2 億 5,900 万ドルまでさまざまで、投資利益率は約 30 日であることがわかりました。DevOps Quick Check と追加情報で提供した指標を使用すると、チームの予想利益を見積もることができます。
Google Cloud DevOps Awards
このようなリソースのコレクションと、チームの状況の客観的な評価により、組織は改善すべき領域に関する迅速な分析情報を得ることができます。その機能を改善することで作業を変えれば、顧客により多くのイノベーションを提供し、ソフトウェア デリバリーの速度と安定性を向上させることができます。
これまで Google は、DevOps に関するベスト プラクティスの一部を皆様に共有してまいりました。皆様の組織における変革で DevOps がどのように活用されているかも、ぜひお聞かせください。3 月の授賞式では、最も進歩を遂げたチームを称えて、その DevOps の活用方法を発表する予定です。皆様のチーム、顧客、組織での DevOps のプラスの効果について教えてください。今すぐ、Google Cloud DevOps Awards にご応募ください。お見逃しなく。応募の締切日は 2022 年 1 月 31 日です。
DevOps プラクティスを日常業務に取り入れることに関してご質問がある場合は、Google Cloud のエキスパートにお問い合わせください。
- デベロッパー アドボケイト Nathen Harvey
- サーバーレス スケール スペシャリスト北米担当責任者 Fer De Oliveira