導入から成果まで: DORA AI 機能モデルの活用

Nathen Harvey
DORA Lead
Allison Park
Senior Product Marketing Manager
※この投稿は米国時間 2025 年 12 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
2025 年「AI 支援型ソフトウェア開発の現状」レポートでは、重要な事実が明らかになりました。AI は増幅器のように機能し、パフォーマンスの高い組織の強みと、苦戦している組織の機能不全を拡大しています。
AI の導入はほぼ当たり前となり、90% のデベロッパーが日々のワークフローで AI を使用していますが、必ずしも成功が保証されているわけではありません。約 5,000 人の技術専門職を対象としたクラスタ分析により、チームのパフォーマンスには大きなばらつきがあることが明らかになりました。AI を導入しても、誰もが同じ成果を得られるわけではないのです。
このことから、AI の使い方が成功を左右する重要な要素であることがわかります。チームがよい成果を達成するために必要な機能と条件を把握したいと考え、DORA AI 機能モデルのレポートを作成しました。
2025 年 DORA レポートに付随するこのガイドは、新たな世界で生き残っていく一助になります。テクノロジー リーダーが AI を活用できる環境を構築できるよう、実用的な戦略、実装戦術、測定フレームワークを提供します。
成果を増幅させる 7 つの要因
AI を効果的に使用するには、技術的環境と文化的環境を整える必要があります。2025 年の DORA アンケートに参加した回答者を分析し、組織のパフォーマンスに対する AI のプラスの効果を増幅させる 7 つの基盤的要因を特定しました。
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明確で周知された AI ポリシー: 曖昧さはリスクを生み出します。ポリシーを明確にすることで、開発者が効果的に挑戦するための心理的安全性が確保されます。
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健全なデータ エコシステム: AI の品質は入力するデータの質によって決まります。高品質でアクセスしやすく、統合された内部データに投資することで、AI のメリットが大幅に増幅されます。
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AI がアクセス可能な社内データ: 単純なプロンプトを超え、「コンテキスト エンジニアリング」によって AI ツールを社内のドキュメントやコードベースに安全に接続することが求められます。
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強固なバージョン管理プラクティス: AI によってコード生成の量と速度が増加するにつれて、バージョン管理が重要なセーフティ ネットとなります。頻繁な commit と堅牢なロールバック機能は、AI を活用した世界で安定性を維持するために不可欠です。
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小規模バッチでの作業: AI は大量のコードブロックを簡単に生成できますが、そのレビューやテストは容易ではありません。小規模バッチの規律を徹底することで、このリスクを軽減し、開発速度の向上が不安定さではなくプロダクトの性能改善につながるようにします。
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ユーザー中心の視点: 間違った方向に進んでいれば、スピードは意味を持ちません。ユーザー中心の視点が欠けているチームが AI ツールを導入すると、かえって悪影響を受ける可能性があります。常にユーザーのニーズを指針とすることが、AI を活用した開発を導くうえで不可欠です。
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質の高い社内プラットフォーム: プラットフォームを通じ、自動化された安全な環境を提供することで、AI のメリットを組織全体に拡大できます。これにより、個々の生産性向上が下流工程のボトルネックによって失われることを防ぎます。


DORA AI 機能モデルは、具体的な成果に対する AI の導入効果を増幅させる要因を明らかにします。
導入の第一歩: チームの評価
AI の導入プロセスは組織によって異なります。このレポートでは、優先順位付けに役立つよう、クラスタ分析から導き出された 7 種類のチーム類型を紹介しています。パフォーマンスとウェルビーイングの両方に優れた「調和のとれた高パフォーマンス」チームから、「基盤的課題」に直面するチーム、不安定なシステムにより士気が低下する「レガシーのボトルネック」に陥っているチームまで、プロファイルは多岐にわたります。
自分のチームに最も合致するプロファイルを把握することで、最も効果的な介入策を特定できます。たとえば、「成果は大きいが回転率は悪い」チームの場合は安定性向上のために自動化を優先する、「プロセスに制約がある」チームの場合は AI ポリシーを改善して摩擦を減らす、といった対策が考えられます。
バリュー ストリーム マッピングで詳細に分析
チームのプロファイルを把握したら、どこに力を注げばよいでしょうか。レポートには、バリュー ストリーム マッピング(VSM)演習を実施するための段階的なファシリテーション ガイドが含まれています。
VSM は AI の効果を増幅させる役割を果たし、アイデアから顧客までのフローを可視化することで、作業の停滞や摩擦が生じている部分を特定します。これにより、AI による効率向上が、下流工程で作業を滞留させるだけの局所的な最適化にとどまらず、システム全体の制約解消に向けて活用されるようになります。
継続的な改善の基盤を築く
AI の導入は組織の変革です。最大の成果は、ツール自体からではなく、それを支える基盤システムへの投資によって得られます。
-DORA リーダー Nathen Harvey
-シニア プロダクト マーケティング マネージャー、Allison Park



