コンテンツに移動
データベース

最新のクラウド データベース機能でカスタマー エクスペリエンスを変革

2023年2月6日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/databases_2022.max-2500x2500.jpg
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 1 月 25 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: さまざまな業種のお客様 6 社の Google Cloud データベースの成功事例を紹介します。


プロスポーツ リーグから腎臓病治療、デジタル コマースまで、Google Cloud データベースの導入により、まったく新しいユーザー エクスペリエンスを生み出すことが可能となります。Google Cloud データベースが Box、Credit Karma、Davita、Forbes、MLB、PLAID のデータドリブンなアプリケーションの構築にどのように役立ったかという話は注目に値するもので、インテリジェント アプリケーションのデータ ライフサイクルの統一から運用負荷の軽減や解消まで、多岐におよびます。ここでは、Google Cloud Next でお客様によって共有された主な事例を紹介します。

Box が Bigtable を使用してダウンタイムなしで NoSQL データベースをモダナイズ   

コンテンツ クラウドである Box を使用すると、オンラインで安全にコンテンツを作成、共有、共同編集、保持できます。Box は、オンプレミスのデータセンターからクラウドにコア インフラストラクチャを移行する際に、NoSQL インフラストラクチャを Cloud Bigtable に移行することを選択しました。ユーザーの要望に応えるには、NoSQL のインフラストラクチャのレイテンシを数十ミリ秒単位とする必要があります。「ロケーション、サイズなどのファイルのメタデータは NoSQL のテーブルに格納され、ダウンロードのたびにアクセスされます。このテーブルの容量は約 150 テラバイトで、6,000 億行以上にもおよびます。これを Bigtable にホスティングすることで、インフラストラクチャ管理の運用負荷が解消されます。Bigtable を利用することで、結果整合性を保った自動レプリケーション、HBase 準拠のライブラリ、重要なデータを保護するマネージド バックアップ機能と復元機能を活用できます」と、Box のスタッフ ソフトウェア エンジニアである Axatha Jayadev Jalimarada 氏が Bigtable の利点について熱心に語ってくれました。同氏は、「SRE によるクラスタ拡張のための手動介入が必要なくなり、運用負担が大幅に減りました。オンプレミスのサービスから Bigtable へのレイテンシは約 80 ミリ秒です。特に Bigtable クラスタが同じ地域にある場合、Google Cloud の常駐サービスからのレイテンシは 20 ミリ秒以下です。最後に、当社の大規模な NoSQL ユースケースのほとんどが Bigtable に移行され、嬉しいことに、1 年以上問題なく稼働しているケースもあります」とも述べました。

Jalimarada 氏は、Google Cloud の Bigtable ソリューション アーキテクトである Jordan Hambleton とともに、「Box が最小限の労力とダウンタイムで NoSQL データベースをどのようにモダナイズしたか」について解説しています。

Credit Karma が Cloud Bigtable と BigQuery を利用してモデルのデプロイを高速化

米国、英国、カナダの消費者の財務状況の改善を支援する消費者向けテクノロジー プラットフォーム Credit Karma は、約 1 億 3,000 万人の会員向けにパーソナライズされたエクスペリエンスを提供するためにデータモデルとシステムを利用しています。Credit Karma は、その規模から、増大するデータ量、複雑性、スピードに対応する必要性を認識し、2016 年に自社の技術スタックの Google Cloud への移行を開始しました。

Credit Karma は、Cloud BigtableBigQuery を利用することで、移行前の実験数を 7 倍に増やし、四半期あたり 10 個だったモデルのデプロイ件数を週あたり 700 個に増やしました。さらに同社は、BigQuery、Cloud Bigtable、Google Kubernetes Engine 上の逆方向の抽出、変換、読み込み(ETL)プロセスで構築されたモデル化採点サービスを通じて、レコメンデーションを行えるようになりました。Credit Karma のレコメンデーションを支えているのは、大規模な機械学習モデルであり、チームは毎日約 580 億件のモデル予測を実行しています。

Scott Wong 氏と、Google のデータベース部門エンジニアリング担当ゼネラル マネージャー兼バイス プレジデントである Andi Gutmans の「エンジニアが次に何をすべきか」についての対談をぜひご覧ください。

DaVita が Spanner と BigQuery を活用して健康に関するデータと分析を一元化したことで、臨床医の仕事の質が向上

世界有数の腎臓病治療企業である DaVita は、慢性腎臓病から移植まで、腎臓治療の全領域に携わっています。DaVita は、デジタル トランスフォーメーション戦略の一環として、すべての電子カルテ(EHR)と関連する治療活動を単一のシステムに集中化し、そこにワークフローを組み込むだけでなく、臨床医の時間を節約して、本来の業務に集中できるようにしようと考えていました。DaVita のアプリケーション開発担当バイス プレジデント Jay Richardson 氏は、この作業の規模について「20 万人の患者、4 万 5,000 人の臨床医が携わっている 60 万件の治療について、シームレスでリアルタイムのデータフローを作成することは技術的に困難な注文でした」と述べています。アーキテクチャは、Cloud Spanner にすべての EHR とそれに関連する治療活動を格納し、BigQuery で分析を行うよう設定されました。Spanner の変更ストリームにより、データの変更を BigQuery に複製する際に、複製にかかる時間が 60 秒から 15 秒へと 75% 短縮され、統合プロセスの簡略化とともに、スケーラビリティの高いソリューションも実現しました。DaVita はまた、1 日に約 20 万件もの深みのある適切な分析情報を得て、患者の投薬と検査に関する重要データを完全に集約できました。これにより、医師が患者を治療するための新たなツールを手に入れることができ、数字に振り回されることがなくなりました。

Google Cloud のシニア ソフトウェア エンジニアリング マネージャーである Jerene Yang は、Jay Richardson 氏とともに「運用データを分析により統一して全体像を見る」ことについて解説しています。

Forbes が Firestore でデジタル トランスフォーメーションを加速

大手メディアで情報会社の Forbes は、世界中の約 1 億 4,000 万人の従業員、寄稿者、読者からなるエコシステムに属しています。同社は最近、その急拡大する事業を支援するためのデジタル トランスフォーメーションを無事実現しました。その一連の作業では、6 か月間での Google Cloud への迅速な移行と、BigQuery から NoSQL ドキュメント データベースである Firestore に至るまでの Google Cloud の全プロダクトとの統合が行われました。Firestore について、Forbes の最高デジタル情報責任者である Vadim Supitskiy 氏は「私たちは Firestore がマネージド サービスであることに魅力を感じています。データベースの管理に手間をかけたくないためです。Firestore のドキュメント モデルは柔軟性が高いうえ、開発者にとって非常に使いやすく、GCP によって提供されているプロダクトとの統合も大変うまくいっています」と語っています。Firestore により、Forbes の分析情報および分析プラットフォームが強化されており、ジャーナリストと寄稿者は、コンテンツ作成者による適切なコンテンツの作成に役立つ包括的なリアルタイムの提案と、公開された記事のパフォーマンスを評価するための分析結果を入手することができます。Firestore は、バックエンドで Firebase Auth、Google Kubernetes Engine、Cloud Functions、BigQuery、Google アナリティクスとシームレスに統合され、メンテナンスの負担が軽減されます。構成や管理が不要なクラウドネイティブ データベースである Firestore では、低費用でデータを保存して、低レイテンシのクエリを実行できます。

Google Cloud のシニア プロダクト マネージャーである Minh Nguyen が、Vadim Supitskiy 氏と「ドキュメント データベースによるサーバーレス アプリケーション開発」について、こちらで議論しています。

MLB、Cloud SQL への移行によりホームランを放つ

メジャーリーグ ベースボール(MLB)といえば、スター選手やホームランが思い浮かぶでしょう。しかし、MLB のシニア ソフトウェア エンジニアである Joseph Zirilli 氏が説明するように、テレビ ストリーミング サービスや統計データを取得するためのグラウンド内テクノロジーなど、試合には舞台裏のテクノロジーが非常に重要です。特に MLB では、選手のスカウト活動や選手取引の管理システムを旧式のオンプレミス型データベースで運用していたため、大きな負担がかかっていました。これが、従来のライセンスの制約と相まって、ビジネスに悪影響を及ぼしていました。旧式データベースに関する社内の専門知識が不足していたことに加え、チームが小規模であったため、ルーチンタスクをこなすのは困難でした。

数年前に Google Cloud への移行を開始した MLB は、すでに新しいプロダクトの一部に Cloud SQL を使用していました。また、PostgreSQL を中心としたリレーショナル データベース管理システムを標準化し、単一のデータベースを中心に社内の専門技術を確立することも検討していました。MLB は、自分たちの要望に応え、高可用性と自動化を実現してくれる Cloud SQL を選択しました。

現在では、データベースのパフォーマンスが劇的に改善され、データベース インスタンスの自動サイズ調整が可能になったため、運用費用を抑えながら、ファンのエクスペリエンスを向上させることを目指しています。

Google Cloud の SQL データベース プロダクト管理責任者である Sujatha Mandava と Joseph Zirilli 氏が「今アプリをマネージド データベースに移行すべき理由」について議論しています。

メジャーリーグ ベースボールの商標および著作権は、メジャーリーグ ベースボールの許可を得て使用されています。MLB.com をご覧ください。

PLAID、AlloyDB との提携により KARTE ウェブサイトとネイティブ アプリのエクスペリエンスを強化、顧客エンゲージメント向上へ

東京に本社を置くスタートアップの プレイド は、リアルタイムでの顧客の追跡、柔軟なインタラクションの支援、幅広い分析機能の提供といった顧客エクスペリエンスを重視するエンゲージメント プラットフォーム「KARTE」を運営しています。KARTE は、トランザクションと分析のハイブリッド処理(HTAP)に本格的に対応するため、バックエンドで BigQueryBigtableSpanner を組み合わせて使用しています。これにより、1 秒間に 10 万件を超えるトランザクションを処理し、10 ペタバイトを超えるデータの保存を実現しました。さらに AlloyDB for PostgreSQL の追加により、分析クエリへの柔軟なレスポンスも可能になりました。現在扱える範囲のクエリに加え、AlloyDBの導入 により簡潔なシステムで低レイテンシの分析を実現し、処理能力の拡大へとつながっています。プレイド の CTO である牧野祐己氏は、「現在の(カラム型)エンジンと AlloyDB を使用することで、パフォーマンスが以前と比べて約 100 倍になりました」と指摘しています。

牧野祐己氏は、Google Cloud のプロダクト マネージャーである Sandy Ghai との対談で、「さようなら、高額なレガシー データベース、こんにちは、次世代 PostgreSQL データベース」と述べています。

最新のデータベース戦略の導入

変革の鍵は、クラウド データベースの新機能にあります。お客様のニーズがアジリティとイノベーションのペースの向上であれ、費用管理の改善であれ、データセンターの完全な廃止であれ、Google はお客様によるクラウドへの迅速な移行をお手伝いします。必要なサービスに常時接続された環境への統合、混乱のない移行、開発者を創造的作業に専念させるための自動化など、Google Cloud データベースは、最新のデータベース戦略を実現するための、統合されたオープンかつインテリジェントな構成要素を提供します。

2022 年 Gartner マジック クアドラントのクラウド データベース管理システム部門の無料レポートをぜひダウンロードしてください。

Google Cloud データベースの詳細についてはこちらをご覧ください。

こちらの電子書籍では、Google Cloud データベースが選ばれている理由を紹介しています。


- データベース担当プロダクト マーケティング責任者 Anita Kibunguchy-Grant
投稿先