Ford が Google Cloud データベース サービスを利用して、データベース管理の日常業務にかかる時間を短縮
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 世界有数の自動車メーカーである Ford Motor Company は、データベース戦略を最近更新し、ワークロードをモダナイズして Google Cloud のマネージド データベース サービスを主に利用するようになりました。Google Cloud でデータベースを管理するようになってから、Ford はデータベース関連の運用作業にかかる時間を大幅に削減できました。
Ford は 1903 年以来、自動車のイノベーションを推進する企業として世界的に知られています。当社は、すべての人が自由に移動して夢を追いかけられるように、初代の自動組み立てラインから最新の運転支援技術に至るまで、常に業界の最先端で活躍できるよう取り組んでいます。社内の IT チームもこの包括的なビジョンを共有し、当社の技術スタックをモダナイズおよび改善する方法を常に模索しています。
当社のデータベース レベルでの目標は、ダウンタイムを最小限に抑えながら、常時稼働プロダクトを利用可能にすることです。Cloud SQL のような Google Cloud のフルマネージド データベースに移行することで、管理上のオーバーヘッドが大幅に削減され、データベース関連の運用作業が大きく軽減されました。
焦点を移す必要性
当社のデータベース フリートは、クラウド環境とオンプレミス環境に分散され、さまざまな技術を利用していました。これらのシステムでリソースをプロビジョニングおよび管理することは、大きな課題でした。特にメジャー バージョンへのアップグレードや、各データベース インスタンスへのセキュリティ パッチ適用など、技術の更新には常に時間がかかりました。また、スケーラビリティについても予測不可能な大きな問題がありました。データベースの容量を常に把握しながら必要時に増加できるように、今後必要になるリソース量を予測しなければならなかったからです。その他に、オンプレミス リソースのバックアップを管理する必要もありました。これらの作業すべてを行うには、グローバルなデータベース管理者チームが必要でした。しかし、このような管理者たちは、オンプレミス フリートのメンテナンス作業を行うので精一杯でした。
クラウド データベース ソリューションの活用
当社のデータベース戦略に求められていた要素は、高い費用対効果、復元力の向上、クラウドの導入と連携の促進、社内全体のアプリケーションのモダナイズでした。クラウドベースの選択肢をいくつか検討していくなかで、Google Cloud のデータベース サービスのポートフォリオには、さまざまなソリューションが含まれていることがわかりました。これらのソリューションを導入すれば、当社の現在の要件をすぐに満たせるだけでなく、将来を見据えた体制の構築にも役立つと予想されました。
Google Cloud のデータベース プロダクトはオープンソース オプションにより汎用性を提供し、リレーショナル、ドキュメント ベース、分析、ハイブリッドのワークロードに対応しています。グローバルなアクセシビリティと、マルチリージョンに分散されたデータベースが、シームレスなデータフローを可能にしています。また、弾力性という特性が、当社の常時稼働プロダクトのビジョンに不可欠なスケーラビリティ、復元力、タウンタイムの短縮を実現します。
Google が想定しているデータと AI の統合は、Ford のモダナイゼーション計画を後押しします。
Google Cloud データベースへの迅速な移行
当社は現時点で、Cloud SQL、Spanner、Bigtable、Firestore、AlloyDB、Memorystore、および MongoDB Atlas を含む Google Cloud へのデータベース移行を完了しています。移行プロセスは、同種移行と異種移行のための外部ツールおよびネイティブ ツールを使用して、スムーズかつ効率的に実施できました。Google Cloud 内に標準ツールセットを用意し、「Opinionated Stack(独自のスタック)」と名付けました。このようにカスタマイズされたフレームワークは、その他のアプリケーションの移行やデータベースのスムーズな移行に役立っているほか、Cloud Run や Cloud SQL の利用を可能にしています。これらすべてが、当社が目標とするクラウド ファースト アーキテクチャの実現に役立っています。
Cloud SQL のおかげで、当社はデータ保護を含めデータベース処理の要件を満たすことができました。データベース関連の運用作業にかかる時間が大幅に削減され、バックアップの失敗もまったく発生していません。サーバーレス プロダクトで可能になったアジリティにより、運用効率が高まり、データベースのライフサイクル管理にかかる時間を短縮できました。
Google Cloud データベースの導入で、パフォーマンスが大きく向上し、一部のプロダクトではパフォーマンスが 30% 高まりました。
将来を見据えた優位性を手に入れる
当社の目標は、常に最新技術を取り入れるためのモダナイゼーションを行うだけでなく、Ford にとっての効率、連携、イノベーションの意味を再検討することです。
当社は継続的な学習と適応を促す環境を構築しています。このような環境は、進化し続ける最先端技術に後れを取らずに、自動車業界でのリーダーとしての地位を維持するうえで重要です。
当社は将来を見越して、効率性、復元力、イノベーションを促進するために、マネージド サービス、生成 AI、クラウド データベース技術の可能性を最大限に活用できるよう取り組んでいきます。これによって Ford は引き続き業界標準を設定し、さらに接続が拡大していく世界において、すべての人が自由に移動するのを支援し続けることができます。
使ってみる:
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-Ford Motor Company、データベース サービス、エンタープライズ プラットフォーム エンジニアリングおよびオペレーション担当ディレクター、Nimisha Shah 氏