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データベース

Cloud Bigtable が自動スケーリング、およびコスト最適化と管理性向上のための新機能をリリース

2022年2月4日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 1 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Cloud Bigtable は、大規模な運用ワークロードにも分析ワークロードにも対応できる、フルマネージドでスケーラブルな NoSQL データベース サービスで、The Home DepotEquifaxTwitter など、さまざまな業界の大手企業で利用されています。Bigtable は、10 エクサバイト以上のデータを管理し、ピーク時には 1 秒あたり 50 億を超えるリクエストを処理します。本日は、Bigtable 向け自動スケーリングの一般提供開始をお知らせします。この機能は、お使いのアプリケーションで変化する需要に応じて、自動的に容量を追加または削減するものです。自動スケーリングを使用すると、必要な容量に対してのみの支払いになるとともに、インフラストラクチャの管理から解放され、ご自身の業務により多くの時間を割くことができるようになります。

Google は、自動スケーリングに加え、コストと管理オーバーヘッドを削減する Bigtable 向けの以下のような新機能も最近リリースしました。

  • 2 倍のストレージ上限により、低コストでより多くのデータを保存できるようになりました。これは特にストレージ最適化ワークロードに有用です。

  • クラスタ グループにより、アプリケーションのトラフィックのルーティング方法を柔軟に決定でき、お客様に最良のエクスペリエンスを提供できます。

  • より詳細な使用率の指標により、オブザーバビリティが向上し、トラブルシューティングとワークロード管理が高速化します。

これらの機能について、詳しく見ていきましょう。

自動スケーリングによるコスト最適化と管理性向上

生活のさまざまな場面でデジタル化が加速している今日、デジタル エクスペリエンスの消費は拡大しています。お客様の需要の変化に迅速に対応して、アプリケーションのスケールアップやスケールダウンを行う機能は、ビジネスにとってこれまで以上に重要になっています。Bigtable 向けの自動スケーリングは、変化する使用量の需要に応じて、クラスタ内のノード数を自動的にスケールアップまたはスケールダウンします。この機能は、過剰なプロビジョニングや不要なコストの発生、ビジネス チャンスの損失につながる可能性のあるプロビジョニング不足のリスクを著しく低減します。Bigtable は、Bigtable サーバーに直接アクセスする自動スケーリングをネイティブにサポートするようになり、レスポンシブな自動スケーリング ソリューションを実現します。

お客様は Cloud Console、gcloud、Bigtable Admin API、クライアント ライブラリを使用して、Bigtable クラスタの自動スケーリング構成を設定できます。この機能は HDD と SSD の両方のクラスタで機能し、すべての Bigtable リージョンで使用できます。

以下に示すとおり、Cloud Console で Bigtable 自動スケーリング構成の最大と最小のノード数を設定できます。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/enable_with_clicks_full.gif

自動スケーリングを設定すると、自動スケーリングの動作内容と、請求およびパフォーマンス予測に対する調整のタイミングと理由を把握できるようになります。Google は、自動スケーリングによる意思決定の仕組みを説明する詳細な指標と構築済みのグラフをデベロッパーに提供するために、包括的なモニタリングと監査ログに多大な投資を行っています。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/2_Bigtable_Autoscaling.max-1900x1900.jpg

2 倍のストレージ上限

データが驚異的なスピードで生成されている今日、優れたカスタマー エクスペリエンスを提供するためにこうしたデータにアクセスする必要があるアプリケーションは膨大な数に上ります。これらのアプリケーションをサポートしている多くのデータ パイプラインでは、コンピューティング リソースの費用を維持しながら、大量のデータに対する高スループットと低レイテンシのアクセスが必要とされます。ストレージ ドリブンのワークロードのニーズを満たせるよう、Bigtable ではノードあたりのストレージ容量が 2 倍になっているため、少ない費用でより多くのデータを保存でき、データのニーズに確実に対応できます。Bigtable ノードは、SSD の場合はノードあたり 5 TB(2.5 TB から増量)、HDD の場合はノードあたり 16 TB(8 TB から増量)をサポートするようになりました。これは、大量のデータを処理するバッチ ワークロードにおいて、特に費用対効果の高いものです。

クラスタ グループにより、大規模な管理が可能

今日のビジネスでは、さまざまな地域や大陸のユーザーにサービスを提供し、場所を問わず、すべてのユーザーに最良のエクスペリエンスを確実に提供する必要があります。Google が最近リリースした Bigtable インスタンスを最大 8 リージョンにデプロイする機能を利用すると、可能な限りエンドユーザーに近い場所にデータを配置できます。より多くのリージョンを活用できるため、お客様がどこに所在していても、アプリケーションで一貫したカスタマー エクスペリエンスを実現できます。以前は、インスタンスは 4 リージョンに制限されていました。

グローバルに事業を展開していると、複製されたデータにアクセスする必要のあるアプリケーションが複数存在するのが一般的です。さらなるワークロードがデータにアクセスする必要がある場合は、各アプリケーションのサービス提供パス トラフィックで、潜在的な「ノイジー ネイバー」によるレイテンシの増加やスループットの低下が発生しないようにする必要があります。そこで Google は最近、ワークロードの管理改善につながるアプリ プロファイルのクラスタ グループ ルーティングをリリースしました。クラスタ グループ ルーティングでは、よりきめ細かいワークロード分離管理が可能になり、アプリケーションのトラフィックをルーティングする場所を構成できます。この機能により、お客様へのサービス提供に使用されているクラスタに直接影響を与えずに、バッチ ワークロードのような、一定のトラフィックを処理する Bigtable クラスタを割り当てられるようになります。

オブザーバビリティの向上

詳細な分析情報と、ビジネスのサポートにおける Bigtable リソースの利用状況に対する理解は、リソース割り当てのトラブルシューティングと最適化を行ううえで非常に重要です。最近リリースされた、「アプリ プロファイルごとの CPU 使用率」の指標には、メソッドとテーブルのディメンションが含まれています。これらのディメンションが追加されたことで、Bigtable クラスタの CPU の使用状況と Bigtable インスタンス リソースの使用状況におけるオブザーバビリティが向上します。こうしたオブザーバビリティの指標により、どのアプリケーションが、どの API メソッドを使用して、どのテーブルにアクセスしているかがわかるため、迅速かつ簡単に問題をトラブルシューティングし、解決できるようになります。

詳細


- Bigtable プロダクト マネージャー Anton Gething
- クラウドネイティブ データベース プロダクト マーケティング リード Ashish Chopra
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