Google が 2024 年 Gartner Magic Quadrant でクラウド データベース管理システム部門のリーダーに認定、ビジョンが最高評価を獲得

※この投稿は米国時間 2024 年 12 月 24 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2024 年の Gartner® Magic Quadrant™ において、Google は 5 年連続でクラウド データベース管理システム部門のリーダーとして認定されました。特にビジョンについては、評価対象の全ベンダーの中で最高の評価を受けました。私たちはこれを、あらゆる業界の何万ものデータクラウドのお客様がデータと AI の統合アプローチによってアプリケーションの構築をスピードアップし、より深い分析情報を引き出せるよう支援してきた、Google のイノベーションの証であると考えています。

AI の台頭でより優れたデータ マネジメントの需要が高まっている

Gartner の調査によると、61% の組織が AI テクノロジーを活用して D&A（データと分析）運用モデルを進化させています1。AI が今日の最大のイノベーションの原動力となる中、顧客はデータをよりシンプルに統合・一元化する方法を必要としています。これは特に、グラフやドキュメント、半構造化データと非構造化データ、さまざまなファイル形式や標準などの多様なデータモデルを含む多層的なデータ基盤を持つ企業に当てはまります。

同時に、組織は AI を活用したツールやエージェント、およびこれらの機能を顧客や従業員向けに構築する能力も必要としています。簡単に言えば、組織は単なるインテグレータではなく、イノベーターになることを望んでいるのです。そして最後に、生成 AI は巨大な可能性を生み出す一方で、エンタープライズ データによる真実に基づいていなければリスクも生じるため、データ資産と AI モデルの全体にわたるガバナンスがさらに重要になっています。

AI を活用した Google のデータクラウドでイノベーションを推進

Google は、今日のお客様が直面している最も差し迫ったデータの課題に対処するよう設計された、インテリジェントかつオープンな統合されたデータクラウドを提供しています。Google のデータクラウドは、AI を中核とする地球規模のインフラストラクチャ上に構築されており、チームはこれを利用してより深い分析情報を引き出し、アプリケーションを迅速に構築できます。その比類のない信頼性、パフォーマンス、セキュリティ、グローバルな規模は、運用の効率化やデータに関する難題の解決に役立ちます。

Google は、深い専門知識と数十年に及ぶイノベーションを駆使して、データサービスをシームレスに統合する事前統合されたデータクラウドを構築しています。これにより、データサービスの連携を強化しながら、各データサービスが独自のインテリジェンスをプラットフォームに提供できます。Google は最もオープンなプラットフォームであるように努めており、お客様の多様なニーズに応えるために唯一無二の選択肢と柔軟性を提供することに尽力しています。このような理由から、Gartner の評価は Google のビジョンの完全性と実行力に基づいているものと私たちは考えています。

Google は、3 本の重要な柱を実現しています。それは、エンドツーエンドの統合データ プラットフォーム、AI を活用したエージェント エクスペリエンスによるイノベーションの加速、そして生成 AI 時代のためのオープンなデータ エコシステムです。これらについて詳しく見ていきましょう。

エンドツーエンドの統合データ プラットフォーム

統合データ プラットフォームは、データ マネジメント、データ ガバナンス、データ分析を統合することでデータ マネジメントを簡素化し、ビジネス成果を向上させます。Google は、データから AI まで、AI インフラストラクチャ、基盤モデル、複数のストレージ オプション、複数のエンジンに及ぶ深い統合を構築しています。この統合されたマルチモーダル データ基盤により、複数のエンジンが分析、ストリーミング、ML、AI のためにシームレスに連携できます。

最近の進歩には次のようなものがあります。

• BigQuery 統合プラットフォーム: BigQuery のマルチモーダル データ処理機能が強化され、構造化データと非構造化データ、およびフルマネージドの Iceberg テーブル、Delta、Hudi などのさまざまな形式がサポートされました。SQL に加えて Apache Spark も BigQuery でネイティブにサポートされるようになり、エンジン選択の柔軟性が向上しました。BigQuery メタストアでは、Apache Spark や Flink などの OSS エンジンのサポートが追加されました。また、BigQuery ユニバーサル カタログにより、BigQuery プラットフォーム全体のガバナンスが簡素化され、自動化されたデータ検出、データ キュレーション、データ マネジメントを大規模に行えるようになりました。

• マルチモデル データのサポート: 新しい Spanner Graph、全文検索、ベクトル検索機能が導入されたことで、Spanner がインテリジェントな機能を備えたマルチモデル データベースへと進化しました。これにより、お客様は新たなレベルの AI 対応アプリケーションを実現できます。これらはすべて、グローバルな整合性を持ち、事実上無制限にスケールできる、最大 99.999% の可用性のデータベース上に構築されています。

• 統合された運用および分析システム: リアルタイムのインテリジェンスを推進するために、運用ワークロードと分析ワークロードが統合されました。BigQuery と Spanner Data Boost を使用することで、運用システムのパフォーマンスを損なうことなく、ライブ運用データを直接クエリできるようになりました。また、BigQuery と Bigtable のインテグレーションによるリバース ETL により、それらの分析情報を運用システムにプッシュバックし、ループを閉じて即時のアクションを推進できます。

• ストリーミングとリアルタイム インテリジェンス: BigQuery は、堅牢なストリーミングとリアルタイムのサポートにより、リアルタイムの分析情報を強化します。BigQuery にストリーミングされたデータを分析するために継続的クエリが導入されました。これにより、分析情報を引き出し、真にイベント ドリブンなアプリケーションを実現できます。また、BigQuery Managed Service for Apache Kafka を使用すると、リアルタイムのデータ ストリームを簡単に取り込んで処理できます。

AI を活用したエージェント エクスペリエンスによるイノベーションの加速

生成 AI の台頭で、企業は新たな可能性を切り開くためにデータを活用するようになり、データと ML のオペレーションの急増に拍車がかかっています。たとえば BigQuery では、お客様が実行している予測クエリとトレーニング クエリの数は毎月数千万件にのぼり、ML のオペレーションが 6 か月で 80% 増加しました。また、2024 年にはモデル推論用の LLM の使用が 7 倍近く増加しています。運用データについては、AlloyDB は PostgreSQL ベクトル検索を強化し、ScaNN インデックス（これは BigQuery でも使用できます）を使用することで 10 億を超えるベクトルに拡張できます。それに対して Spanner は、100 億を超えるベクトルに拡張可能なベクトル検索をサポートしています。

最新のイノベーションには次のようなものがあります。

• ビジネスデータでの AI の活用: Google のデータクラウドに AI がさらに深く統合されました。Vertex AI との緊密なインテグレーションにより、160 を超える Google 基盤モデルやオープンソースの基盤モデルにアクセスできます。そのため、企業は BigQuery、AlloyDB、Spanner、Cloud SQL 内で自社のエンタープライズ データを直接使用して、LLM 推論、グラウンディング、モデルの微調整を行うことができます。また、Document AI、Vision AI、音声文字変換 API により、BigQuery 内のオブジェクト テーブルを介してマルチモーダル データをガバナンスすることで、非構造化データの分析をスケーラブルに実施できます。

• Google のデータクラウド全体にわたるベクトル検索: Google はベクトル検索ワークロードを大幅に加速させており、お客様は独自の信頼できるエンタープライズ データを使用してあらゆる顧客ユースケースや業界ユースケース向けのインテリジェントな AI アプリケーションを迅速に構築できます。BigQuery、AlloyDB、Cloud SQL、Spanner などのすべてのデータベースにベクトルのサポートが組み込まれているため、データを移動したり追加のシステムを管理したりすることなく、ベクトル エンベディングを迅速かつ簡単に保存し、検索できます。また、ますます高度化するエンタープライズ アプリを構築するために、LangChain や LlamaIndex のようなサードパーティのオーケストレーション フレームワークとも深く統合しています。さらに、Google の革新的な ScaNN アルゴリズムによるイノベーションも継続しており、12 年間の Google の研究成果をデータクラウドのお客様に提供しています。

• Google のデータクラウド全体にわたる Gemini: BigQuery は、Gemini データ エージェントによる自動化を推進しており、データ エンジニアリング、データ ガバナンス、データ分析の垣根を越えて信頼性の高い管理されたワークフローを実現します。最近、BigQuery のデータについて自然言語で質問できる会話分析エージェントがリリースされました。この機能は会話分析 API としても提供されており、お客様独自のエクスペリエンスの構築に役立ちます。また、Gemini in Databases と Gemini in BigQuery を使用すると、フリート管理機能、ワークロードの最適化、データの分析情報と探索を提供する AI 搭載アシスタントにアクセスできます。さらに、管理者はデータベースの管理、セキュリティ保護、ガバナンス、最適化に関するプロアクティブな推奨事項を得られ、Database Migration Service でコードとスキーマの変換も行えるため、レガシー データベースのモダナイゼーション プロジェクトを加速できます。

生成 AI 時代のためのオープンなデータ エコシステム

Google は最もオープンなクラウド プロバイダであるように努めており、データチームは、ワークロードがどこにあるかにかかわらず、データドリブンな最先端のアプリケーションを構築できます。Google Cloud では、Iceberg、Delta、Hudi、MySQL、Valkey、PostgreSQL などのオープンソースとオープン スタンダードがサポートされているため、チームは一般的なオープンソース エンジンやオープンソース モデルに対応しているフルマネージド サービスを使用してレイクハウス アーキテクチャを構築できます。

Google はテクノロジー プロバイダと緊密に提携し、Oracle Database@Google Cloud、Aiven for AlloyDB Omni、Anthropic API と BigQuery の統合などのソリューションを含む堅牢なパートナー エコシステムを通じてお客様に選択肢を提供しています。また、BigQuery Omni や AlloyDB Omni などのソリューションにより、マルチクラウドへの移行を進めるお客様を継続的にサポートしています。

最先端のテクノロジーをお客様にいち早く届ける

Google がこのレポートで過去 5 年連続リーダーに位置付けられている中、お客様も目覚ましい成長を遂げています。以下はその例です。

• APEX Fintech Solutions は、AlloyDB を活用して処理時間を 50% 短縮しました。これにより、10 万件の口座のマージン計算がわずか 1 分で完了するようになり、効率とスケーラビリティが大幅に向上しました。

• Bayer は、データ オペレーションの効率化、ソリューションの一元化、社内コラボレーションの促進を図るため、AlloyDB for PostgreSQL に移行しました。これにより、以前の PostgreSQL ソリューションと比較して、応答時間が平均で 50% 以上短縮され、スループットが 5 倍増加しました。

次のステップ

私たちは、この生成 AI の時代において、お客様と協力してクラウドへの移行を進めていくことを楽しみにしています。Google の位置付けについて詳しくは、2024 年 Gartner Magic Quadrant のクラウド データベース管理システム部門の無料レポートをダウンロードしてください。

1. ^{Gartner、Gartner のプレスリリース、「Gartner Survey Finds 61% of Organizations Are Evolving Their D&A Operating Model Because of AI Technologies」、2024 年 4 月 29 日、}

^{Gartner、Magic Quadrant for Cloud Database Management Systems、Henry Cook、Ramke Ramakrishnan、Xingyu Gu、Aaron Rosenbaum、Masud Miraz、2024 年 12 月 18 日。}

^{Gartner は、リサーチに関する発行物に掲載されている特定のベンダー、製品、サービスを推奨することはありません。また、最高の格付けまたはその他の評価を得たベンダーのみを選択するように助言することもありません。Gartner のリサーチに関する発行物は、Gartner のリサーチ＆アドバイザリ組織の見解を表したものであり、事実を表現したものではありません。Gartner は、明示または黙示を問わず、商品性や特定の目的への適合性を含め、本リサーチに関連したいかなる保証も行いません。}

^{GARTNER は、米国およびその他の国における Gartner, Inc. またはその関連会社の登録商標およびサービスマークであり、MAGIC QUADRANT は、Gartner, Inc. またはその関連会社の登録商標であり、許可を得て使用しています。著作権はすべて同社に帰属します。}

^{上の図は、リサーチ ドキュメントの一部として Gartner, Inc. より公開されているもので、ドキュメント全体の文脈に即して評価する必要があります。この Gartner のドキュメントをご希望の方は、Google までご請求ください。}

-エンジニアリング、データベース担当ゼネラルマネージャー兼バイス プレジデント Andi Gutmans
-Google Cloud、データ分析担当バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャー、Gerrit Kazmaier