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データ分析

業界に特化した Google のデータクラウドで価値創出までの時間を短縮

2023年4月6日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 3 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

データ分析の担当者の多くは現在、新しいシナリオとユースケースを促進して、ビジネスの成果や競争上の優位性を実現する方法に関心を持っています。多くの企業が、データへの投資の合理化とデータ分析プラットフォーム戦略のモダナイゼーションを検討している中で、Google のデータクラウドのような新しいクラウド ファーストなデータ プラットフォームへの移行は、リスクが高く困難な作業だと思われている場合あります。また言うまでもなく、従来のデータ ウェアハウス プラットフォームにおける既存のデータモデルの再設計と再モデル化、あるいはエンドユーザー向け分析ダッシュボードとレポートのリファクタリングへの移行といった各プロセスの費用を懸念している企業も多くあります。この移行にかかる時間と費用は決して些細なものではありません。従来のプラットフォーム再構築作業では、同種の移行に数百万ドル単位の費用が費やされていました。多くの企業は、こうした時間と費用をかけずに、クラウドのスピードでイノベーションを実現する方法を探しています。企業内外のあらゆるデータにアクセスできるようになることを目指しているのに、業界固有の要件に合わせて設計されていないテクノロジーやアプローチに阻まれて、すべてのデータを活用してインサイトを得ることができず、しかもクラウド規模でそのデータを活用できないとすれば、それは大きな問題です。では、どうすればこのような課題を解決できるでしょうか?

業界に特化した Google のデータクラウドは、事前構築済みの業界コンテンツ、エコシステムのインテグレーション、ソリューション フレームワークを組み合わせ、価値創出までの時間を短縮します。Google は、最新のサービス「Google Cloud Cortex Framework」の一部として、このような問題に対処する一連のソリューションとフレームワークを開発しました。これは、Google データクラウドの一部となっています。Camanchaca の事例では、分析モデルのビルド時間が 6 分の 1 になり、Cortex コンテンツの統合によりサプライ チェーンとサステナビリティに関する的確な分析情報を得られるようになりました。また、60 のデータモデルを 6 か月以内に導入することにより 12,000 時間を節約しました。

Google Cloud Cortex Framework で価値創出までの時間を短縮

Cortex Framework は、業界のクラウド移行とデータ分析への取り組みを簡素化するアクセラレータを提供します。このブログでは、Cortex に関する必須の知識と、Cortex のコンテンツを導入し活用する方法をご紹介します。これにより、SAP や Salesforce などの主要アプリケーションの企業データと、Google、第三者、一般公開、コミュニティのデータセットのデータを迅速に取り込むことができるようになります。Cortex は今すぐ利用可能で、Google とパートナーが提供する推奨コネクタ、リファレンス アーキテクチャ、BigQuery ですぐに使えるデータモデルおよびテンプレート、Vertex AI の例、アプリケーション レイヤを提供することで、価値創出までの時間を短縮します。アプリケーション レイヤには、BigQuery でデータを共有するためのマイクロサービス テンプレートが含まれており、デベロッパーはデータ分析プロジェクトやユースケースの範囲に応じて簡単にデプロイ、拡張、自作できます。Cortex のコンテンツにより、実装にかかる時間と複雑さが軽減され、より迅速に目的を達成できます。では、Cortex の詳細と、Google のデータクラウドで Cortex を有効活用する方法を見ていきましょう。   

まず、Cortex はデータ分析のためのフレームワークであり、デプロイ可能なアクセラレータのセットでもあります。下の図は、Cortex Framework の主要な機能の概要を示したものです。Google とパートナーが提供する推奨コネクタ、リファレンス アーキテクチャ、デプロイ テンプレート、革新的ソリューション アクセラレータという重要なメリットに焦点を当てています。以下では、Cortex の重要なメリットのそれぞれについて解説します。

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Cortex Framework を選ぶ理由  

最先端のコネクタ: まず、Cortex では、Google とパートナー様が提供する最先端のコネクタを使用できます。これらのコネクタはテストと検証を完了しており、Google のクラウド スケールのエンタープライズ データ ウェアハウスである BigQuery で、Cortex データモデルとの相互運用性を提供します。BigQuery を使った Cortex へのインテグレーションに有効なツールを当てずっぽうで選択しなくても良いため、市場で利用できるさまざまなツールを時間、労力、費用をかけずに評価できます。

デプロイ アクセラレータ: Cortex は、SAP と Salesforce を使った企業ユースケース向けに事前定義されたデプロイ可能なテンプレートとコンテンツのセットを提供しています。これには、BigQuery データモデル、Looker ダッシュボード、Vertex AI の例、周辺アプリケーションとの同期および非同期データ共有のためのマイクロサービス テンプレートが含まれています。これらのアクセラレータは、Cortex Foundation を通じて本日より無料で利用可能で、数時間で簡単にデプロイできます。下の図には、Cortex Foundation の概要と、現在利用可能なテンプレートおよびコンテンツのうち特に重要なものが示されています。
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リファレンス アーキテクチャ: Cortex では、SAP や Salesforce などの主要な企業向けアプリケーションのほか、Google や第三者のデータセットおよびデータ プロバイダと統合するためのリファレンス アーキテクチャを提供しています。リファレンス アーキテクチャには、BigQuery とのインテグレーションとデプロイのブループリントが含まれています。これは、Google のデータクラウドやパートナーのソリューションと統合するための、実際のデプロイから作成したベスト プラクティスを踏まえたものです。例として、CDC(変更データ キャプチャ)処理のベスト プラクティスとリファレンス アーキテクチャや、BigQuery のアーキテクチャとデプロイのベスト プラクティスなどがあります。

下の図は、Cortex が公開しているベスト プラクティスと Salesforce による CDC 処理のオプションに基づくリファレンス アーキテクチャの例です。このようなリファレンス アーキテクチャを本日から活用し、ベスト プラクティスの恩恵を受けられます。実際のお客様のデプロイで効果があったアーキテクチャやベスト プラクティスに基づき、実装にかかる時間、労力、費用を削減できるのです。

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革新的なソリューション: Cortex Foundation は、さまざまなユースケースに対応しており、多様なデータソースから分析情報を得られます。たとえば、Cortex Demand Sensing は、Google Cloud Cortex Framework を活用したソリューション アクセラレータで、サプライ チェーン管理と需要予測のプロセスにイノベーションを取り入れたいと考えている日用品(CPG)を扱うお客様に高い価値を提供します。

精度の高い予測は、費用を削減し、収益性を最大化するために不可欠です。多くの CPG 企業が抱える問題のひとつに、内部および外部のさまざまなデータソースから入手可能なすべての情報を活用して、短期的な需要の変化を予測する短期予測があります。需要の予測精度向上が現実のものになる中、CPG 企業は、需要と供給を管理および一致させる必要に迫られています。短期的な需要の変化とその根本原因を特定し、供給と需要を形成することで SLA を向上させて、収益性を高める必要があるのです。

以下に示す Demand Sensing のアプローチは、SAP ERP と他のデータセット(気象動向や需要計画など)を BigQuery、Vertex AI、Looker などの Google のデータクラウド ソリューションとともに統合するものです。これにより、需要計画担当者に幅広いインサイトと価値を提供して需要予測の精度を高め、費用の先送りと新しい収益機会の増加に貢献します。

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エコシステムのメリット

エコシステムの構築とは、価値創出までの時間を短縮する多様なパートナー様とつながるということです。Google Cloud のパートナーにより、さらに多くの選択肢をもたらすさまざまなイノベーションが生み出されています。

900 社以上のパートナー様が BigQuery と Vertex AI を信頼し、Google Cloud の「Built with」イニシアチブに参加することでビジネスに活用しています。このようなパートナー様は、Google Cloud のデータ プラットフォーム上にビジネスを構築することで、テクノロジーとビジネスの両方を高いパフォーマンスでスケールしています。

さらに、Google Cloud Ready - BigQuery イニシアチブを通じて、50 社を超えるデータ プラットフォームのパートナー様が完全に検証されたインテグレーションを提供しています。

展望

Google Cloud のソリューション ロードマップでは、セールス、マーケティング、サプライ チェーン向けのソリューションに Cortex Foundation のテンプレートとコンテンツのサポートを拡張することと、ユースケースやモデルを拡張することを目標にしています。また、クロスメディアのプラットフォームとアプリケーション(Google 広告 や Google マーケティング プラットフォームなど)向けの事前定義された BigQuery データモデルとコンテンツの大幅な拡張、デプロイ エクスペリエンスの改善、データセットや業界をまたぐ分析アクセラレータへの拡張も予定しています。Google Cloud の取り組みやロードマップについてさらに詳しく知りたい場合は、ご連絡いただければ喜んでご案内いたします。cortex-framework@google.com までお問い合わせください。Google Cloud の業務や、特定のユースケースやプロジェクトの支援方法について、詳しくご説明いたします。ご連絡をお待ちしております。

ご興味をお持ちいただけましたか?

Cortex Framework を使えば、Data Foundation ソリューション コンテンツや、Google Cloud MarketplaceLooker で利用可能なパッケージ化された業界ソリューション コンテンツのメリットを、いち早く享受できます。Cortex コンテンツは無料で利用可能なため、Google のデータクラウドの利用を今すぐ簡単に始められます。

Google Cloud Cortex Framework の詳細と、ビジネスの成果をより少ないリスク、複雑性、コストで促進する方法をご確認ください。Cortex は、企業データソースを使用して目的達成の時期を早め、Google のデータクラウドでクラウド ファーストなデータ基盤を確立するのに役立ちます。

Data Cloud Summit にご参加ください。Richemont & Cartier をはじめ、Cortex Framework を使って価値創出までの時間を短縮しているお客様の事例をご紹介します。


- Cortex Framework ソリューション担当ディレクター、Alison Hettrick
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