Google Cloud VMware Engine の最新情報: 新しいノードタイプ、ネットワーキング、自動化など
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 9 月 30 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
この数週間、Google Cloud はラスベガスでの VMware Explore およびサンフランシスコでの Google Cloud Next で多くのお客様と交流する特別な機会を持つことができました。このような場で共通して話題に上るテーマが、クラウドへの移行において費用対効果に優れ、安全で、中断を伴わない方法が今後も変わらず必要であるということです。これは特に、IT フットプリントの中心となっていることの多い VMware ベースのワークロードに対して言えることです。
Google Cloud VMware Engine は、既存の VMware 資産を Google Cloud へ移行、転換するための迅速な方法を提供します。VMware Engine は、単一ゾーンでの稼働率 99.99% の SLA、専用の 100 Gbps east-west ネットワーク、ネイティブの VPC インテグレーションといった特別な機能を備えたエンタープライズ グレードのプラットフォームです。本日の投稿では、クラウドファーストの VMware プラットフォームで VMware ワークロードを移行して実行できるようにする新しい機能の概要をご紹介します。
新しい柔軟な ve2 ノード プラットフォーム
- 新たに提供される VMware Engine の ve2 ノード プラットフォームには、柔軟性の高い CPU とストレージの多数の組み合わせと大容量メモリが備わっており、お客様はこれを使用することで、ビジネスに合った構成で TCO を最適化できるようになります。ve2 ノードは、次世代の CPU(第 3 世代 Intel® Xeon® スケーラブル プロセッサ、以前のコードネームは Ice Lake)とすべて NVMe ドライブの DDR4 RAM を基盤としており、32 ノードの大規模なクラスタや、ノードが 100 を超えるプライベート クラウドにも対応します。また、単一ゾーンで稼働率 99.99% の SLA も引き続き提供されます。高い可用性を実現するために、拡張プライベート クラウドもサポートされます。
- (2023 年第 4 四半期の us-east4 でのプレビュー)この新しいファミリー内の 1 つ目のノードタイプは ve2-standard-128 で、約 2.7 倍の RAM(2,048 GB)、約 1.8 倍の CPU(64 コア、128 ハイパースレッド コア)、約 1.3 倍のストレージ(25.6 TB の NVMe 元データ ストレージを魅力的な価格帯で提供)などが提供されます。
新しいロケーションで、より多くのお客様をサポート
Google Cloud はグローバル プレゼンスを拡大し続けており、この 1 年間でリージョン数は 19 になりました。最近追加されたリージョンには、テルアビブ、トリノ、サンティアゴ、デリーがあります。
ストレージの負荷が高い環境で TCO を最適化
- (2023 年 第 3 四半期の一部のリージョンでのプレビュー): ストレージのみのノードを使用すると、コンピューティングに料金を支払う必要なくストレージ容量を追加できるため、HCI アーキテクチャの制限を回避できます。これにより、TCO を削減し、ワークロードのニーズにさらに合うようにインフラストラクチャを最適化できるようになります。ストレージのみのノードでは、ストレージ容量に制限があるクラスタにコアやメモリを追加することなく、クラスタのストレージ容量を拡張できるほか、そのクラスタに同じ稼働率 99.99% の SLA が保証される低価格オプションが提供されます。
- 最近の進展には、データストアとしての Google Cloud Filestore によるサポート、またゲスト内ストレージとして使用してストレージ集約型環境にキャストできるようにする Google NetApp Cloud Volumes によるサポートが含まれます。Filestore High Scale と Filestore Enterprise は、Google Cloud VMware Engine で使用する NFS データストアとして VMware で認定されています。Filestore High Scale および Filestore Enterprise と同様に、マーケットプレイス サービスの NetApp Cloud Volumes は、多くの容量が必要な VM の NFS データストアとして利用できます。
ネットワーキング、自動化、コンソール エクスペリエンスを通じてシンプルさ、スケール、整合性を向上
- PC の CRUD オペレーションで新たに Terraform がサポートされ、プライベート クラウドのプロビジョニング アクティビティで Infrastructure as Code の自動化を使用できるようになります。
- (2023 年 第 3 四半期のプレビュー)ネットワーキングにおける進歩により、VMware ネットワーキング アーキテクチャと VMware Engine のエクスペリエンスがさらに簡素化されます。プライベート クラウドの作成時に VPC ピアリングの構成が不要なこと、また許可されるピアリング最大数を増加できることにより、接続されている VMware プライベート クラウドを構築するタスクが簡素化される一方で、多様なネットワーキング トポロジを使用できます。また、管理とワークロードの両方の解決で双方向の DNS 解決が Cloud DNS でネイティブでサポートされるようになったうえ、複数のコンシューマ DNS バインディングのサポートも追加されたことで、使いやすく洗練された方法で企業のニーズを満たせるようになります。
- (2023 年第 3 四半期のプレビュー)Google Cloud API と CLI を通してさらに多くの機能が利用可能となり、Google Cloud VMware Engine 環境をプログラムによって管理できるようになります。こういった機能の例としては、新しいネットワーキング モデル、ネットワーク ピアリング、外部アクセスルール、外部 IP サービス、コンシューマ DNS などを管理するための API / CLI 関数が挙げられます。
- (2023 年第 3 四半期のプレビュー)GCVE に対する Google Cloud コンソールの総合的なエクスペリエンスにより、別のタブを開かずにコンソール内から VMware Engine 環境を直接管理できます。また、ログ エクスプローラでログを表示することもできます。
透明性と制御の向上によりセキュリティを強化
ここ数か月にわたり、新しいセキュリティ機能が VMware Engine に加わっています。
- きめ細かい(アクションごとの)アクセス制御機能がプラットフォームに導入され、API / CLI を使用して実行されるアクションを管理できるようになりました。基本ロールに加えて、特定のアクションを実行するために VMware Engine にのみ適用されるきめ細かい権限を持つ事前定義ロールとカスタムロールを選択することができます。これにより、アクセス制御をより詳細かつ柔軟に管理できるようになります。コンソールを使用して実行されるアクションに対しても、利用可能になり次第、同様のアクセス制御を適用できるようになります。
- VPC Service Controls を使用することで、VMware Engine リソースにセキュリティ境界を定義して、データ引き出しのリスクを軽減できるようになりました。サービス境界により、定義した境界内のリソースとその関連データに対するエクスポートとインポートが制限されます。VMware Engine で VPC Service Controls のガイド付きオプトインとポリシー エクスポートがサポートされるようになりました。これにより、VMware Engine サービスを新規または既存の VPC Service Controls 境界に関連付けることができます。
- お客様のワークロードに基づいて、お客様が管理するアクセス権を拡張できるようになり、ESXi のログの転送と有効化の監査可能な手順がサポートされるようになったことで、システムの透明性が向上します。
- (プレビュー)顧客管理の Cloud KMS 鍵が追加され、vSAN 暗号化における鍵管理のオプションが増えました。これは、お客様が管理する鍵を使用する外部サードパーティ KMS と Google が管理する鍵を使用する Google Cloud KMS のすでに利用可能な機能が基盤となっています。
Google Cloud VMware Engine Protected
Google Cloud は先日、GCVE Protected の提供を発表しました。これは、Google Cloud VMware Engine と Google Cloud のバックアップと DR サービスの両方のバンドル料金を提供する Google Cloud の新しいサービスです。GCVE Protected を利用することで VMware Engine ノード上のすべての仮想マシンを Google のバックアップと DR ソフトウェアで保護できます。発生するのは、VMware Engine ノードあたりの追加料金のみです。VMware Engine VM の機能のバックアップとリカバリを一元化された迅速で費用効率の高い方法で行えるようになります。
今回の最新情報は以上です。今後のお知らせもどうぞお見逃しなく。また、最新情報を入手できるように、GCVE のリリースノートをブックマークしておいてください。これらの最新情報について詳しくは、VMware Explore US のオンデマンド セッションと Google Cloud Next ’23 で行われた GCVE に関する Google Cloud のセッションでご確認いただけます。また、利用を開始するためのさらなるガイダンスを必要とされる場合は、高速移行プログラム(RaMP)をご覧ください。すでに準備ができている場合は、お客様の現在の IT 環境に関する無料の調査と評価にお申し込みください。Google Cloud がお客様のビジネスに最適な移行計画を立てるお手伝いをいたします。
-Google Cloud、プロダクト管理担当 Sai Gopalan
-プロダクト管理担当ディレクター Manoj Sharma