マネージド インスタンス グループのスタンバイ プール機能のご紹介: アイドル状態の VM の停止と一時停止が可能に
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 2 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google Cloud は、お客様のインフラストラクチャの費用対効果を向上させる機能を提供するための継続的な取り組みを行っています。その中の一つに、Compute Engine 仮想マシン(VM)を停止または一時停止して、アイドル状態のときにコンピューティング料金を発生させないようにする機能がありますが、マネージド インスタンス グループ(MIG)でアプリケーションを管理している場合、この機能を使用することができませんでした。
マネージド インスタンス グループのスタンバイ プール機能の概要
このたび、マネージド インスタンス グループ(MIG)のスタンバイ プール機能により、手動で、または MIG の自動化の一部として、VM の一時停止と再開が行えるようになりました。これは、MIG がアプリケーションを一時停止する際の費用を削減したり、事前初期化済み VM で負荷の増加に迅速に対応したりするための新たな方法となります。
スタンバイ プール機能を試すべき理由
実行中の VM に比べて、停止中または一時停止中の VM はわずかな費用で済むことに加え、VM の名前、IP、メタデータ、ディスクの内容、メモリさえも失うことなく、必要なときに以前と同じ状態で VM を再開できます。MIG のスタンバイ プールは以下のような用途に使用できます。
- アプリケーションの一時停止: アイドル状態の VM を実行してコンピューティングに課金される代わりに、アプリケーションを一時停止して費用を節約します。スタンバイ プールの VM は、Puppet、Chef、Ansible などの構成管理ツールで管理されるソフトウェアや構成を含め、その状態を保持します。
- アプリケーションの停止: HPC バッチジョブの終了時など、特定の計算を実行した後にアプリケーションを停止して、ディスクの内容を保持します。
- 迅速な水平スケーリング: VM を事前に初期化して一時停止し、負荷の急増に応じて再開することで、迅速かつ優れた費用対効果で MIG の水平スケーリングを行います。これは、オーバープロビジョニング(過剰な数の VM の実行)よりも費用対効果が高く、特定のアプリケーションによっては、新規に VM を作成して初期化するより数倍高速になることもあります。
使ってみる
MIG での VM の停止 / 一時停止、開始 / 再開は、Google Cloud コンソールから個別に行うことができます。インスタンス グループの概要ページで VM を選択し、[停止] または [一時停止] ボタンをクリックします。


gcloud や API 呼び出しを使って、VM を停止、一時停止、再開することもできます。詳細については、手動による VM の停止と一時停止をご覧ください。
さらに、コンソール、gcloud、API を使ってスタンバイ プールの動作を構成できます。MIG を作成または編集する際に、[詳細設定] に移動して [スタンバイ プール] セクションを開きます。


スタンバイ プールには、一時停止中と停止中の VM の数に対する変更可能なターゲット サイズがあります。MIG は、要求されたスタンバイ VM の数を満たすために、自動的に VM の作成、停止、一時停止を行います。
スタンバイ プールは、次の 2 つのモードで構成できます。
- 手動 - 担当者が VM の停止、一時停止、開始をいつでも完全に制御できます。
- スケールアウト プール - 担当者がスタンバイ プールのサイズを設定します。担当者またはオートスケーラーのいずれかがスタンバイ プールのサイズを増やすと、MIG は自動的にスタンバイ プールから VM を開始します。そして、VM を事前に初期化してプールに配置することで、スタンバイ プールを自動的に補充し、次の負荷の増加に備えます。詳しくは、スタンバイ プールを使用した 迅速な MIG スケールアウトについてご確認ください。
さらに、初期遅延を設定して、VM が初期化されてから停止または一時停止するまで MIG が待機する時間を構成することができます。これにより、初期化スクリプトが完了するまでの時間を確保できます。
今すぐスタンバイ プールを試してみる
すべてのリージョンで、スタンバイ プールのプレビュー版をご利用いただけます。MIG で VM を停止 / 一時停止する方法や、スタンバイ プールを構成する方法について詳しくは、ドキュメント ページをご覧ください。
ー プロダクト マネージャー Mike Kartamyshev