2024 Looker Hackathon(Vertex AI Edition)受賞者のご紹介
Jeremy Chang
Developer Relations Engineer
※この投稿は米国時間 2024 年 9 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google のデベロッパー コミュニティとデータ コミュニティを招いて開催された 2024 Looker Hackathon(Vertex AI Edition)は、互いに連携して学び、インスパイアし合う特別な場となりました。このイベントでは、Google Cloud の AI 開発プラットフォームである Vertex AI を Looker および Looker Studio と組み合わせて活用する方法に焦点が当てられました。
34 か国から 160 名以上が参加し、48 時間にわたってプログラミングを行った結果、20 に及ぶ AI を活用したアプリケーション、ツール、データ エクスペリエンスが誕生しました。デベロッパー コミュニティが、Looker Studio コミュニティ ビジュアリゼーション、LookML、Looker API などのデベロッパー向け機能を、Cloud Run functions、BigQuery、Vertex AI の Gemini モデルなどの Google Cloud サービスと組み合わせることで、高性能かつ有用であるだけでなく、時にはユーザーを楽しませるようなツールとデータ エクスペリエンスを構築できることが、この成果から明らかになりました。
ここでは、ハッカソンの受賞者と受賞プログラムをご紹介します。他のファイナリストも取り上げますので、学びの機会としていただければ幸いです。ご紹介するすべてのプログラムについて、コード リポジトリまたはサンプルへのリンクを記載しています。ぜひご自身でプログラムを再現してみてください。
各 Best Hack 賞の受賞者と受賞プログラム
tl;dd(Too Long; Didn't Dashboard)-「Best Hack」賞
受賞者: Dylan A 氏、Josh T 氏
毎日メールで受け取るスケジュール設定された Looker ダッシュボードに目を通す時間がない場合、このソリューションを利用すれば、ダッシュボードの PDF を送付するスケジュール設定されたメールの代わりに、Gemini が生成したダッシュボードの概要を受け取ることができます。
このカスタム構築された Looker 拡張機能では、概要を作成するダッシュボードと概要の受信者を構成できます。また、各ダッシュボードのその他のカスタム手順とコンテキストを Gemini に送信して概要の形式を調整し、概要の精度を高めることもできます。さらに、Gemini が実行間の変化を推測し、関連情報をハイライト表示できるよう、以前のダッシュボードの実行と概要を含めるように拡張機能を構成できます。
Looker 拡張フレームワークと Vertex AI の Gemini モデルで Looker の機能を拡張する非常に優れたプログラムです。GitHub リポジトリで詳細を確認し、この便利なプログラムをご自身で試してみてください。
Looker Dashboard Review Tool -「Nearly Best Hack」賞
受賞者: Mohammed N 氏、Paritosh M 氏、Prashasti N 氏
ダッシュボードを作成してイテレーションを行う回数が増え続けているデータ組織で、すべてのダッシュボードの品質基準をスケーラブルに確認して適用するにはどうすればよいでしょうか。そのような場合、Looker Dashboard Review Tool プログラムを利用すれば、Looker ダッシュボードの確認を効率化できます。
カスタム Looker 拡張機能として開発されたこのプログラムは、Cloud Run 関数を使用して、ダッシュボードの LookML を含む構造化プロンプトで Gemini を呼び出します。その後、ダッシュボードのタイルタイトル、フィルタ、欠けている可能性がある指標、その他の機能に関するフィードバックを表示します。詳細については、GitHub リポジトリをご覧ください。
Gemini Insight viz -「Nearly Best Hack」賞
受賞者: Jeremy J 氏、Soufiane K 氏
このプログラムでは、Looker の Explore とダッシュボードで Gemini の要約機能と予測機能を試すことができます。Gemini Insights viz は、Looker をカスタムに可視化するプログラムの好例です。Looker の Explore のディメンション、メジャー、メタデータをプロンプトで Gemini に指示し、データの概要または予測的な分析情報を表示します。この可視化により、データの視覚的表現が、人が読める自然言語表現で置き換えられます。
Looker をカスタムに可視化するこのプログラムにより、Looker のダッシュボードの可視化タイルが、Gemini が生成した概要と予測で置き換えられます。GitHub リポジトリで詳細を確認し、ぜひご自身でお試しください。
ファイナリスト
視覚的なカスタムドリルのための LookML コード生成
開発者: Daniela L 氏、Peter N 氏、Nicolas R、Joe H 氏
Looker の Explore でメジャーまたはディメンションの詳細を掘り下げたいけれど対象が見つからないという場合は、Looker の Explore の詳細を可視化するこのプログラムがおすすめです。このプログラムは、Looker API を使用して Look からパラメータを抽出し、ドリルの可視化を含む LookML のメジャーを自動的に生成する Python Colab ノートブックで構成されています。
新しく生成された LookML のメジャーを直接 Look に追加して、ビジュアル ドリルを有効にすることができます。詳細については、GitHub リポジトリをご覧ください。
Where's that dashboard?
開発者: Elena G 氏、Delphine P 氏、Sarah T 氏、Mary F 氏
組織で複数のダッシュボードの中から特定の Looker のダッシュボードを見つける必要がある場合は、このプログラムがおすすめです。自然言語の英語によるクエリを受け入れ、Vertex AI の Gemini モデルを使って、ユーザーが関心を持ちそうなダッシュボードを返します。
このプログラムは、バックグラウンドで「Where's that dashboard?」ダッシュボード フィルタを通じてユーザー入力を受け入れます。続けて、Looker API から取得したダッシュボード タイトルのカタログから最もよく似たダッシュボード タイトルを返すよう、BQML を使って Vertex AI の Gemini モデルにプロンプトで指示します。詳細については、GitHub リポジトリをご覧ください。
AI ハッカソンを開発に活かす
今年は、特別版ハッカソンを開催しました。Google のデベロッパー コミュニティは今回も、その才能、創造性、協調性を遺憾なく発揮しました。今回ご紹介した、AI を活用したハッカソン プロジェクトからヒントを得て、Vertex AI を Looker および Looker Studio のワークフローに統合する方法を考案していただければ幸いです。まずは、この投稿に記載したリンク先のドキュメントやコードを参考にしてください。年末に開催される、毎年恒例のハッカソンでお会いできることを楽しみにしています。