会話分析を使用して、ユーザーがデータを最大活用できるようにする
Greg Michnikov
Product Manager, Google Cloud
※この投稿は米国時間 2025 年 4 月 30 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google Cloud Next 25 で、Google は会話分析を含む Gemini in Looker の提供範囲を拡大し、Looker プラットフォームのすべてのユーザーに対して提供開始いたしました。これにより、事業部門の従業員は、今までにない形で、信頼性の高いデータドリブンな分析情報に自然言語を使って迅速にアクセスできるようになります。従来のビジネス インテリジェンス(BI)プロダクトは複雑で覚えることが多く、高度な SQL の知識を必要とするため、本来なら BI ツールの恩恵を受けられる多くのユーザーが BI ツールを活用していません。しかし、AI と BI が融合することで、自然言語を使用してデータに関する質問やチャットができるようになり、長い間妨げとなっていた障壁が取り除かれます。
Looker の会話分析は、BI をよりシンプルで親しみやすいものにし、データアクセスを民主化するように設計されています。ユーザーは、データ関連のクエリを普段使う言葉で実行でき、質問のすべてには答えられないことが多い静的なダッシュボードから得られる情報以上の回答を得ることができます。ユーザーは、SQL や特定のデータツールの知識がなくても、Looker Explore や BigQuery テーブルから導き出された正確で関連性の高い回答を受け取ることができます。
データ アナリストは、サポート チケットや作業の中断が減り、優先度の高い業務に集中できるようになります。また、ビジネス ユーザーは、データクエリを各自で実行して回答を得ることが可能です。回答を最も必要とするユーザーにコントロールを委ね、信頼性の高いセルフサービスを推進できます。ユーザーはフィールド名や日付形式に悩まされることなく、たとえば「前四半期の売り上げ上位の商品は何?」と質問したり、「過去 6 か月間のウェブサイト トラフィックの傾向を教えて」と指示したりするだけで済みます。さらに、会話分析を Looker Explore とともに使用すると、テーブルが常に同じように結合され、指標が毎回同じ方法で計算されるようになります。


会話分析を通じてデータに関する質問をすると、AI を活用した分析情報を取得できます。
Looker の会話分析はシンプルかつ便利で、使いやすく設計されており、次の特徴があります。
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結果の信頼性と整合性: 会話分析では、データ エキスパートが LookML で定義したフィールドのみが使用されます。フィールドが選択されると、Looker によって一貫して毎回同じ方法で SQL に変換されます。
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「算出方法」機能による透明性: 結果を生成した基盤となるクエリについて、理解しやすい箇条書きで自然言語による明確な説明を提供する機能です。
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フォローアップの質問による詳細の深掘り: ユーザーは、フォローアップとして、普段の会話で使っているような表現で質問し、データをさらに詳しく調べることができます。たとえば、結果を特定の地域に絞り込んだり、日付フィルタの期間を変更したり、棒グラフから面グラフに切り替えたりできます。会話分析では、シームレスなイテレーションと、より詳細なデータ探索が可能です。
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Gemini による分析情報: 最初のクエリ結果が表示されたら、ユーザーは [分析情報] ボタンをクリックして Gemini にデータ結果を分析させ、見逃していた可能性のあるパターンや傾向に関する詳細な分析情報を生成できます。
データ アナリストとデベロッパーを支援
Google は、会話分析のリリースにあたり、事業部門チームに加え、データ アナリストやデベロッパーにもメリットをもたらすことを目指しています。会話分析エージェントを使用すると、データ アナリストは重要なコンテキストや指示を Gemini に提供できるため、Gemini がビジネス ユーザーの質問に効果的に答えられるようになります。また、アナリストはビジネス用語を特定のフィールドにマッピングし、フィルタリングに最適なフィールドを指定し、カスタム計算を定義できます。
アナリストは、特定のユースケース用にエージェントを作成することで、エクスペリエンスをさらにカスタマイズすることもできます。ビジネス ユーザーは、エージェントを選択する際に、適切なデータソースとやり取りしている安心感を得ることができます。
Next 25 で発表したとおり、Conversational Analytics API は、顧客アプリケーション、チャットアプリ、Agentspace、BigQuery など、Google Cloud のさまざまなエクスペリエンスとサードパーティ プロダクトで会話分析の機能を強化し、自然言語によるデータクエリの利点を、日常的に使うアプリケーションにもたらします。また、今年は会話分析を Looker ダッシュボードにも導入いたします。Looker 内でも、他のアプリケーションに埋め込まれた状態でも、ユーザーが使い慣れたインターフェースでデータとチャットできるようになります。データとチャットしながらさらに複雑な問題を解決する場合は、新しいコード インタープリタ(プレビュー版)をお試しください。これは、SQL ではなく Python を使用してコホート分析や予測などの高度な分析を行うものです。会話分析のコード インタープリタを使用すると、高度なコーディングや統計手法を学ばなくても、データ サイエンスのタスクに取り組むことができます。アクセスするには、こちらからご登録ください。
BI 向け AI の対象範囲を拡大
Looker の会話分析は、より幅広いユーザーが BI を利用できるようにするための第一歩です。Looker は、技術的な障壁を取り除き、直感的な会話型インターフェースを提供することで、より多くのビジネス ユーザーが日常業務でデータを活用できるようにしています。Looker で会話分析を直接使用できると、組織の誰もがデータドリブンな分析情報を利用できるようになります。Looker インスタンスで会話分析を今すぐご利用ください。
-Google Cloud、プロダクト マネージャー、Greg Michnikov