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アプリケーション開発

Anthos を使用したハイブリッドとマルチクラウドのデプロイ オプションとは

2021年2月10日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 2 月 3 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Anthos は、Google Cloud のサービスとエンジニアリング プラクティスをお客様の環境に拡張するマネージド アプリケーション プラットフォームです。これにより、アプリをより迅速にモダナイズし、アプリ間の運用の一貫性を確立できます。Anthos を使用すると、Google Cloud、オンプレミス、その他のクラウド プロバイダ上のマネージド Kubernetes によって、エンタープライズ クラスのコンテナ化アプリをより迅速に構築できます。本ブログ投稿では、Anthos の各デプロイ オプションの概要をご説明します。

  1. Google Cloud

  2. VMware vSphere

  3. ベアメタル サーバー

  4. AWS

  5. Microsoft Azure

  6. 接続クラスタ

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デプロイ オプション 1: Google Cloud

アプリのパフォーマンスを改善する方法の一つは、データの近くでコンピューティングを実行することです。そのため、Google Cloud ですでにサービスを実行している場合、Anthos を使用して、コンテナ化されたワークロードを Google Cloud 上で直接ビルド、デプロイ、最適化することをおすすめします。Google Cloud AI、機械学習、データ分析サービスを活用して、重要なビジネス分析情報を手に入れ、意思決定を改善し、イノベーションを加速できます。

こちらの動画では、Anthos のサンプル デプロイについて Tony Pujals が説明しています。さらに、Anthos に用意されているさまざまなツール(Anthos Service Mesh や Anthos Config Management など)を使用して Kubernetes 環境をモダナイズ、管理、標準化する方法に触れています。

デプロイ オプション 2: VMware vSphere

独自の環境で VMware vSphere を使用している場合、Anthos clusters on VMware を実行できるため、既存のインフラストラクチャで Kubernetes クラスタを作成、管理、アップグレードすることが可能です。このオプションは、vSphere が組織の企業標準である場合や、複数のチームやクラスタの間でハードウェアを共有し、統合された OS ライフサイクル管理を使用している場合に適しています。

Anthos clusters on VMware を使用すると、インフラストラクチャの大幅な更新を必要とすることなく、既存のすべてのワークロードをオンプレミスに保持できます。同時に、Migrate for Anthos を使用して VM ベースからコンテナベースに変換することで、レガシー アプリケーションをモダナイズできます。その後は、新たに更新したコンテナ化アプリをオンプレミスで維持するか、クラウドに移動するかを決定できます。いずれの場合も、Anthos はアプリを自分のペースで簡単に管理、モダナイズするのに役立ちます。

デプロイ オプション 3: ベアメタル サーバー

仮想マシンがさまざまなワークロードに有用であることに間違いはありませんが、複雑さ、費用、ハイパーバイザのオーバーヘッドを削減できるように、ベアメタル サーバーで Kubernetes を実行する組織が増えています。ベアメタル版 Anthos を使用すると、物理サーバー上で Anthos を実行できます。ご自身のオペレーティング システム上にデプロイされるため、ハイパーバイザ レイヤは不要です。ベアメタル版 Anthos には、ネットワーキング、ライフサイクル管理、診断、ヘルスチェック、ロギング、モニタリングの各機能が組み込まれています。

ミッション クリティカルなアプリケーションは多くの場合、最高レベルのパフォーマンスを必要とし、コンピューティング、ストレージ、ネットワーキング スタックからのレイテンシは最小限に抑えなければなりません。ベアメタル版 Anthos ではハイパーバイザ レイヤによるレイテンシが排除されるので、GPU ベースの動画処理や機械学習といった大きな計算能力を必要とするアプリケーションを費用対効果に優れた方法で実行できます。

ベアメタル版 Anthos を使用すると、ハードウェア、OS、ネットワーク インフラストラクチャの既存の投資を活用できます。システム要件が最小限に抑えられ、リソースが制限されたハードウェアのエッジでベアメタル版 Anthos を実行できます。つまり、非常に要件が厳しいアプリケーションでも、Anthos のすべてのメリット(一元管理、柔軟性の向上、デベロッパーのアジリティ)を享受できます。

デプロイ オプション 4: AWS

組織に複数のチームがある場合、さまざまなテクノロジーが使用されている可能性が高く、異なるクラウド プラットフォームが使用されていることさえあります。Anthos は、こうした詳細を抽象化し、一貫性のあるアプリケーション プラットフォームを提供するように設計されています。

Anthos on AWS を使用すると、Google Cloud で期待されるすべての Anthos 機能で Google Kubernetes ベースのクラスタを作成できます。つまり、Kubernetes ネイティブ ツールや、ポリシーと構成を適用する Anthos Config Management、マイクロサービスの拡散を管理する Anthos Service Mesh を使用して、アプリケーションを簡単にデプロイできます。

Google Cloud Console を使用すると、一括表示機能により、デプロイされる場所に関係なく、アプリケーションをすべて 1 か所で管理できます。

デプロイ オプション 5: Microsoft Azure

Google は対応可能なワークロードと環境の種類を増やし、ロケーションを拡大すべく常に Anthos を拡張しています。昨年、Anthos が Azure にも対応するようになるとお伝えしました。Microsoft Azure は現在プレビュー版としてサポートされています。今後の情報にご注目ください。

デプロイ オプション 6: Anthos 接続クラスタ

Anthos のデプロイを検討するうえで、既存の Kubernetes クラスタで何をするのか疑問に思われるかもしれません。Anthos 接続クラスタを使用すると、既存の Kubernetes クラスタを保持しながら、Anthos の主な機能を利用できます。実行しているのが Amazon EKS、Microsoft AKS、Red Hat OpenShift のいずれであっても、既存のクラスタを Anthos に接続できます。つまり、Google Cloud Console でデプロイメントを一元管理し、Anthos Config Management でポリシーと構成を適用して、ログのモニタリングと収集を集中的に行えます。

もちろん、Anthos がすべてを管理しているわけではありません。クラスタは引き続き手動で管理し、最新の状態に保つ必要があります。それを考慮したとしても、このデプロイ オプションを使用すれば、ご自身に適したペースで Anthos の導入を開始でき、他のクラウド環境の Anthos に移行しやすくなります。

まとめ

ご説明したとおり、Anthos にはハイブリッドとマルチクラウドのデプロイ オプションが 6 種類用意されています。既存のインフラストラクチャとデータの場所に応じたデプロイ オプション(複数のデプロイ オプションを組み合わせることも可能)を使用することで、アプリケーションのモダナイゼーション プロセスを強化できます。オンプレミスやパブリック クラウドで機能し、レガシー データセンター インフラストラクチャとシームレスに連携する最新のアプリケーション プラットフォームによって、プラットフォーム チームは費用を最適化できるようになり、最新のセキュリティ対策がどこでもサポートされます。

こちらの包括的な動画シリーズでは、Anthos の開始方法について説明しています。

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Anthos の詳細については、電子書籍 Consistent service delivery everywhere with Anthos(Anthos でどこでも一貫したサービスを提供)をご覧ください。

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-Google Cloud プロダクト マーケティング マネージャー Arun Ananthampalayam

-Google デベロッパー アドボケイト Priyanka Vergadia

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