API に安定性をもたらす Google Enterprise API
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 7 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
クラウドで斬新なアプリケーションを開発して運用するには、革新的な技術、インフラストラクチャ、サービスが必要です。また、組織がクラウド プラットフォームへの長期的な投資を安心して行えるよう、信頼と安定性を備えた基盤も必要となります。Google Cloud では、プラットフォームの信頼性を高めるためのプログラムを実施しています。これまでも、最上位のプレミアム サポートをご利用のお客様向けのコンサルティング型サービスであるミッション クリティカル サービスや、プロダクトのロードマップの予測可能性を高める簡略化されたリリース段階を導入するなどの取り組みを進めてきました。
このたび、その取り組みをさらに一歩進めて、Google Cloud、Google Workspace、Google Maps Platform の大部分の API に適用されるラベルとして、指定 Google Enterprise API を導入いたします(コンシューマー API は対象外です)。Google Enterprise API は、高い安定性を得られるよう、新しい基本方針に則って構築されています。この方針は、変更を加えるタイミングや方法に関する一連の厳格な要件から成り立っています。
Google Cloud は、数多くのお客様がビジネスクリティカルなシステムに Google Cloud のエンタープライズ API を使用していらっしゃることを認識しています。システムが意図したとおりに機能し続け、開発作業が予期せず開始されることがないようにするために、組織がそうした API の安定性を必要としているということも理解しています。基本方針の概要は次のとおりです。
Google が責任を持つ: 基礎となる原則は、お客様が使用している限り機能を削除しない(または下位互換性のない変更を加えない)ということです。サポートの終了や互換性を破る変更が避けられない場合は、Google が責任を持ってできる限り簡単に移行していただけるようにします。このルールの例外となるのは、その機能によってセキュリティ、法律、知的財産権に関する重大な問題が生じている場合です。
お客様をサポートする: 予定している変更の遅くとも 1 年以上前にお客様に通知を行い、変更を適用するまでは問題なくその機能を使用できるようにします。また、同等の機能とパフォーマンスを備えた新しいバージョンに移行するためのツールやドキュメントなどの資料をお客様に提供します。さらに、そうしたツールなどをできるだけ使用せずに済むようにお客様と連携します。
強力なガバナンスを確保する: こうした基本原則を遵守できるよう、API に変更を加える場合には、プロダクト リードとエンジニアリング リードが参加する委員会による審議と、厳格なプロダクト ライフサイクル評価を行います。
プロダクトを縮小する際の意思決定は、非常に慎重に行われます。上記のような基本方針を社内で作成したのは、イノベーションと安定性のバランスを図るためです。エンタープライズ向けプロダクトの信頼性とともにカスタマー エクスペリエンスを大幅に向上させるため、この数か月間、この基本方針を試験運用してきました。
基本方針の適用対象となるのは、Google Workspace と Google Maps Platform を含む、Google Cloud の「Google Enterprise API」に分類されたすべての API です(API Library と Google Cloud Marketplace に掲載されているもの)。このラベルにより、対象となる API を、Google Cloud 以外のチームが提供する API などのその他の Google API と区別できます。その他の Google API を利用されている場合、安定性と機能特性を詳しく知るには、お使いの API のドキュメントを参照してください。
API の安定性に関する Google Cloud の取り組みについて詳しくはこちらをご覧ください。
-Google Cloud および技術インフラストラクチャ担当バイス プレジデント Kripa Krishnan
-Google Cloud カスタマー エクスペリエンス担当バイス プレジデント John Jester