IT 業界の予測: ニューロインクルーシブ ソフトウェア設計が「優れた設計」の代名詞になる
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: この投稿は Google Cloud のエキスパートが IT 業界の今後を予測しているシリーズの一部です。今後数年間の IT 業界の動向について Google が予測している内容の一覧をご覧ください。
予測: 2025 年までには、ニューロインクルーシブ設計を採用することで、本番環境開始から 2 年間でユーザー導入数が 5 倍に増えるようになる
自社のプロダクト設計が魅力的で生産的であるかどうかはどのように判断すればよいのでしょうか。アメリカ国立衛生研究所(NIH)の統計情報が手がかりになります。NIH は、世界人口の最大 20% は神経や脳が個性的なニューロディスティンクト、残りの 80% がニューロティピカル、つまり定型的であると推定しています。この 2 つのグループが合わさり、広範なニューロダイバーシティ、つまり、人々が学校、職場、他人とのやりとりなどにおいて、自分の周りの世界を経験し、解釈し、これに対処するさまざまな形のスペクトラムを表します。
ニューロティピカルのグループのみを対象としてアプリケーションを設計している場合、5 人の潜在的ユーザーのうちの 1 人を疎外、または全面的に排除するリスクを冒していることになります。たとえば、インタラクティブ機能やビジュアル機能の特定の音、バイブレーション、ポップアップは、ニューロティピカルのユーザーには気にならないものでも、ニューロディスティンクトのユーザーにとっては気を散らすものとなる場合があり、そのアプリケーションが使い辛くなる可能性があります。一方、ニューロインクルーシブ設計を実践することで、さまざまな認知および知覚スタイルの人にとって使いやすいアプリケーションが実現します。
Google は、あらゆる人のために役立つものを作り出すには、あらゆる人とともに作らねばならないと考えます。そこで、よりインクルーシブになるための新たな方法をしっかり見据えられるように、構想、ユーザー調査、テスト、マーケティングを含めた開発のあらゆる段階であらゆるタイプの人に考察に加わってもらうことを意識的に決定しました。これにより、ニューロインクルーシブ設計が優れた設計であり、あらゆる人に役立つものであることが明らかになってきました。たとえば、Google Meet の字幕により、誰もがより視覚的に情報を処理できるうえ、別の言語が使われる会議にも参加できます。
最初のステップとして、ニューロインクルーシブ設計のデベロッパー向けの原則を以下に示します。
シンプルさと明確さを考慮しながら設計する。
ポップアップ ウィンドウのような気を散らせるものや、余分なビジュアル効果を排除する。
まぶしいほど鮮やかな色は避け、1 つの色だけを使いすぎないようにする。
予測可能で直感的なユーザーフローを維持する。
デザインが与える印象についてよく考える。音楽や音は印象付けに必要か、それとも気を散らす可能性のある余分な要素か。
すばやい反応を必要とする高圧的なインタラクションを避ける。
詳しくは、以下の Google Cloud Next ‘22 での私の講演をご視聴ください。
- Google、デベロッパー X および DevRel 担当バイス プレジデント Jeanine Banks