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API 管理

API ファーストのアプローチが持続可能な資源管理を促進している Veolia の事例

2021年9月22日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 9 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

水、廃棄物、電力管理について考えるとき、パイプ、ワイヤ、ケーブル、廃棄物のリサイクルを思い浮かべるかもしれません。しかし、Veolia Group が実証しているように、より高度なクラウド技術もますます重要になっています。

特に API と API 管理は Veolia の技術戦略の基礎として重要性を増しており、Google Cloud の API 管理プラットフォームである Apigeeは、「Veolia のデータの中枢神経系」(Pascal Dalla-Torre 氏、Veolia グループ CTO)としての機能を果たしています。

API と API 管理は、全社にわたるユースケースの基盤をなしており、その範囲は、パイプと廃棄物のリサイクルのモダナイゼーション管理から、新たな収益源の発見や、ビジネス部門間の提携および外部との提携をより効果的に行う方法の実現にまで及びます。そして、成果が生まれています。Dalla-Torre 氏によると、API のおかげで 2021 年上半期にチームが提携するパートナーの数が前期から 2 倍増加し、40 以上となりました。

52 か国のビジネスと地方自治体にサービスを提供している Veolia にとって、API は目新しいものではありません。同社は、IT のモダナイゼーションなどのタスクで長年 API を使用しています。こうしたタスクでは、API の本来の用途からは外れるものの、各種レガシー システムを相互運用させるのに API を利用してきました。しかし、このような統合プロジェクトはオーダーメイドで 1 度限りのことが多く、Veolia は単にシステムを接続する以上のことを行いたいと考えていました。

内部クライアント間で共有される標準化された API をビルドおよび管理することで、Dalla-Torre 氏のチームは、こうしたビジネス ユニットが地方自治体などの顧客により良いサービスを提供できるようにしています。この場合、一元化された API の働きがないと、内部デベロッパー間で作業の重複や妨害が容易に生じかねません。異なるビジネス ユニットが、既存の API を再利用するのではなく冗長的に新しい API を作成したり、異なるデータ構造とアプローチを使用して、システムの上に API をビルドしたりすることも考えられます。この場合、API 同士が競合してさまざまなプロジェクトの「信頼できる情報源」となろうとします。管理された API プラットフォームによりこうした問題が解決され、データと機能への一貫したアクセスが内部デベロッパーに提供されます。デベロッパーは、これらを細かく組み合わせて、新たなアプリや顧客向けサービスを開発します。

Pascal Dalla-Torre 氏によると、同社が Apigee に投資して以来、「開発速度が非常に速まった」とのことです。また、従来は数年かかったプロジェクトが、今や数か月、数週間、数日間に短縮されたということも付け加えています。

API へのこうしたよりアジャイルなアプローチと、クラウドのデータ分析技術により、Veolia は設備メンテナンスの向上などを行えるようになりました。Dalla-Torre 氏は次のように語っています。「複数の焼却炉を一斉に停止すると、費用がかさみます。しかし、API 経由でデータソースを解析サービスに接続することで、メンテナンスのニーズをより正確に予測できます。システム全体をオフにして手動で物理インフラストラクチャを点検するのではなく、サービスが必要な可能性が最も高いエリアに焦点を当てることができます。その間、残りのシステムは稼働させておけます。」

もう 1 つの例は、この API ファーストのアプローチのもと構築された最初の重要なプロジェクトの 1 つでもある、水管理デベロッパー ポータルです。大規模な地方自治体などの顧客は、水消費、水漏れ、水質などの変数の重要なデータに接続された Veolia API にこのポータルからアクセスできます。このようなデジタル アセットを利用できるため、顧客は独自のプロジェクトのために新たなデジタル エクスペリエンスを構築できます。たとえば、水の使用量を把握できるようにするアプリや、水質や水漏れの可能性をモニタリングするサービスなどです。水管理ポータルから得たベスト プラクティスを活かし、Veolia は企業全体で API ファーストのアプローチを採用しました。そして、2021 年の最初のわずか 5 か月で、これらの API へのトラフィックは 4 倍になりました。

このモデルでは、API は本質的にデベロッパー向けの製品であり、他のデジタル製品と同様に、Dalla-Torre 氏のチームがセキュリティの確保、使用状況からの学習、反復処理、ベスト プラクティスの確立を行えるように管理する必要があります。「API をスケーリング、保護、測定して、最高のエクスペリエンスを顧客とパートナーに提供するために必要なツールが手に入りました」と、同氏は語っています。

「Apigee により、優れたカスタマー エクスペリエンスを迅速かつ簡単に提供できるようになります。バックエンド IT の複雑さを取り除き、一貫性と安全性のもと、顧客に情報とデータを素早く提供できるようにします」と Pascal Dalla-Torre 氏は語っています。

さらに、Veolia が内部で使用しているのと同じ API プラットフォームを、顧客、パートナー、その他のサードパーティが利用でき、企業の内外でデジタル アセットにおける革新の複数の道筋が作られています。サードパーティが Veolia のデータと機能を独自の API と組み合わせられるようにすることで、企業は、独自のプロジェクトまたはパートナーのプロジェクトのいずれにおいても、収益を生み出すサービスにデジタル アセットが活用される方法を増やすための機会を広げています。

Dalla-Torre 氏は、「API により、Veolia は新たな革新の機会をもたらす、新たなエコシステムとパートナーにアクセスできるようになります」と語っています。

内外部のデベロッパーが、新しいアプリケーションの構築に必要なデータとサービスに安全にアクセスできるようにする、API のエコシステムを作成することで、Veolia は、単に技術を使用することと、技術ファーストの組織となることの違いを実証しています。

Veolia などの他の多くの企業によって、API と Apigee API 管理がどのように使用されているのかの詳細については、The State of the API Economy 2021 レポートをお読みください。

-シニア プロダクト マネージャー David Feuer

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