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API 管理

Apigee API 管理による会話型 AI で顧客体験を強化

2021年3月10日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 2 月 26 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

今回のパンデミックにより、企業のデジタル トランスフォーメーションへの投資が加速しています。とりわけ、AI とクラウドを使用して高まるお客様の期待に応える取り組みが勢いを増しています。

これは何より、仮想エージェントやその他のインタラクティブ bot を組織のカスタマー サービス ツールセットに含める必要があることを意味します。顧客が求める優れたエクスペリエンスを提供するために、人数の調整が困難な人間のエージェントや、顧客の質問に答える前に顧客を苛立たせてしまうこともある、厳密にスクリプト化されたフローを使用する古い連絡先管理システムに企業が依存し続けることはできません。実際、Gartner は 2020 年 2 月の記事「Top CX Trends for CIOs to Watch」(注目すべき CIO の上位 CX トレンド)で、2022 年までに、機械学習(ML)アプリケーション、chatbot、モバイル メッセージといった新興のテクノロジーが顧客とのやりとりで利用される割合は、2018 年の 15% から 70% に上昇すると予測しています。

ただし、仮想エージェントや bot をエンタープライズ システムやプロセスと統合することは難しい場合があります。chatbot や voicebot、仮想エージェントは、API と統合フレームワークを介してアクセスされるエンタープライズ データ、システム、ビジネス機能に依存しています。このプロセスを成功させるために、Google Cloud は Contact Center AIDialogflowApigee API 管理など、いくつものソリューションを提供することで、企業がシステムの複雑さに行き詰まることなく強力な仮想エージェントを立ち上げられるよう支援しています。

Woolworths のアプローチ: Apigee と Dialogflow で最先端のカスタマー エクスペリエンスを提供する

オーストラリアの大手小売業者である Woolworths は、会話型 AI や API 管理の力を発揮しています。具体的には、それらのテクノロジーを活用して、ウェブアプリやモバイルアプリから Google Home までの幅広いチャネルでシームレスなカスタマー エクスペリエンスを提供しています。こうしたエクスペリエンスには、仮想エージェント Olive が含まれます。Olive は WooliesX(同社のデジタル事業部門)によって作成され、Dialogflow と Apigee の両方を使用してサービスを提供しています。

Apigee は、企業がビジネス全体で API を管理できるようにします。これにより、Woolworths のデベロッパーは必要なデータや機能に安全かつシンプルで一貫した方法でアクセスできるため、新しいデジタル エクスペリエンスの開発が迅速化します。Olive は、Dialogflow を自然言語プラットフォームとして使用するとともに、Olive が顧客との有用なやり取りを提供するために必要な情報を提供する API を使用します。

その結果、顧客はさまざまなデジタル プラットフォームやアシスタントを介し、Dan Murphy’s や BIG W など多数の Woolworths ブランドで一貫したエクスペリエンスを得ることができます。Google Cloud Next のプレゼンテーションでは、Woolies X のプラットフォーム テクノロジー マネージャーである Joshua Rogers 氏が、顧客の嗜好に関するこうした一貫性と柔軟性により、顧客を長期的につなぎ止めることができる「顧客との絆が生まれる」と述べています。

Woolworths のデジタル技術最高責任者である Nick Eshkenazi 氏は、次のように述べています。「私たちは、お客様が快適な方法で Woolworths や事業部門とつながることを求めています。その方法とは、ソーシャル メディアやスマート ホーム デバイスであることもあります。そこで、Google Cloud の Dialogflow と Apigee API 管理ソリューションを活用して、Olive という名前の新しい仮想エージェントを構築しました。Olive は市場をリードするパフォーマンスを最初から発揮してくれています。」

Woolworth が Olive を構築した方法を詳しく見てみましょう。この chatbot は、Google Kubernetes Engine(GKE)内でホストされているデジタル アプリケーションとマイクロサービスの上にあり、他のサービスとデータソースを呼び出して顧客のリクエストを完了します。Apigee が提供する API ゲートウェイは、会社のクラウド移行でも重要な役割を果たしており、このプロセスを容易にしています。次に、データは GKE のアプリケーションに戻され、Google ハングアウト、自社のテキストベースの chatbot、Google Home デバイス、ハブの IVR のいずれを経由しても、顧客に配信できるように準備されます。

Apigee API 管理と Dialogflow: 連携方法

API を通じて、Dialogflow で作成された仮想エージェントは、顧客とだけでなく、顧客が必要とする情報やエクスペリエンスを含むバックエンド システムとも通信します。このプロセスには高速のレスポンス時間が必要で、往復のレイテンシは 150 ミリ秒未満である必要があります(ITU-T G.114 は最大 150 ミリ秒の片道レイテンシを推奨しています)。複数の異なるバックエンド システムとレガシー アプリケーションが関係しているため、この許容時間枠内にレスポンスを得るのは非常に困難になる可能性があります。Apigee はキャッシュを事前に準備する機能を使用してこの連携を実現し、ほぼ瞬時にレスポンスを取得します。

さらに、これらの呼び出しリクエストには、複数のクラウドにローカライズされたシステムやオンプレミス システムへのアクセスが必要になる場合があります。Apigee のフルフィルメントは、こうした API と企業のビジネス プロセスの間の相互作用を簡素化、調整、保護します。また、Apigee は抽象化レイヤとして機能するため、API、サービスレベル契約(SLA)、サービスレベル目標(SLO)をモニタリングできます。このようなすべての機能により、Woolworths などの組織が有用でシームレスな体験を顧客にすばやく提供できるようになります。

多くの企業にとって、会話型 AI ソリューションとバックエンド システム間の接続は困難で時間がかかるものです。しかし、Dialogflow と Apigee を使用すれば、これらの課題をすぐに克服できるため、企業はエンドユーザーに快適な体験を提供することに集中するための時間を確保できます。

ぜひ DialogflowApigee を無料でお試しになり、顧客の新しいデジタル エクスペリエンスを実現してください。

-シニア プロダクト マネージャー David Feuer

-Contact Center AI アウトバウンド プロダクト マネージャー Kishor Aher

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