Altice Labs が Google の Application Integration を使用して API 管理を強化した方法
Bruno Cabral
Digital and Innovation Strategy, Altice Labs
※この投稿は米国時間 2024 年 6 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 今回は、Altice Group の通信&ビジネス市場向け研究開発を主導している Altice Labs からお話を伺います。同社のチームは、Altice Group の事業会社が動画、ブロードバンド、モバイル、エンタープライズ サービスを通じて世界中の 5 億人以上の人々とつながれるようにする、最先端の通信ソリューションを構築しています。
Altice Group の事業会社の既存 IT インフラストラクチャは堅牢ですが、エンタープライズ サービス バス(ESB)で管理する複雑なワークフローと増え続けるレガシー コンポーネントで構成されており、複雑でもあります。この複雑さが、新しいサービスや機能の迅速なリリースの妨げとなっています。これらの課題を克服するために、私たちは以下に取り組みました。
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断片化したシステムとの通信を効率化する API の構築
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Apigee API Management を使用した、これらの API のきめ細かな制御と保護
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Application Integration を使用した、複雑な統合フロー、データ マッピング、エラー処理のオーケストレーション
とりわけ、Application Integration の導入は、複雑さの管理にとても役立っています。Application Integration は Google Cloud の Integration Platform as a Service(iPaaS)であり、自社開発の SaaS かサードパーティ製の SaaS かを問わず、あらゆるアプリケーションをマウス操作だけで簡単に接続してビジネス プロセスを自動化します。その直感的なインターフェースにより、複雑なフローを構築し、データをマッピングし、事前に構築されたタスクやトリガーを使用して業務を効率化できます。
私たちは Application Integration のアーリー アドプターとなり、オーケストレーション、非同期処理、エラー処理、状態管理が重要な状況で応用してきました。
たとえば、Altice Group の事業会社で共通するプロセスの一つが、複数のバックエンド システムを扱う請求アカウントの作成です。コンシューマ(社内アプリケーションやコンポーネント)は、Application Integration を使用して単一の API とやり取りします。Application Integration はオーケストレーションとエラー管理を行い、たとえ異なるシステム間であっても、API コンシューマに根本的な複雑さを見せることなく、データの整合性を確保します。これにより、スケーラブルではない手作業でのクリーンアップの必要性を回避できます。
インテグレーション戦略の詳細
現在も私たちは、Apigee を使用して API トラフィックとセキュリティ ポリシーを管理しています。ただし、複雑なインテグレーションには Application Integration を使用しています。この新しいアーキテクチャは、CRM、ID 管理、ショッピング カート、モジュールといったシステムの API を管理し、カスタマー ジャーニー、請求、従量課金をサポートします。また、ビジネス サポート システム(BSS)、運用サポート システム(OSS)、サービス品質、コールセンターなどの運用とサポートのためのコンポーネントも含まれています。
Application Integration は、非同期処理を必要とする場合にとても有効です。たとえば、API コンシューマがかなりの時間を要する処理を開始しても、処理が完了するまで待つ必要はありません。Application Integration がバックグラウンドで(非同期に)処理を行い、処理が完了したらコールバックを送信します。
また、プロデューサが同期レスポンスを送信し、コンシューマが非同期レスポンスを待っている場合でも、Application Integration は同期レスポンスと非同期レスポンスの両方を処理しながらプロセスの状態を維持します。
Altice Group に与えた効果
Altice Labs の新しい IT アーキテクチャは、Altice Group の事業会社が運営するさまざまなサービスのアジャイルな構築、料金設定、管理を可能にします。このプラットフォームは、サービスの検出とサブスクライブから、利用、サポート、そして最終的にはサービスの停止や移行に至るまで、カスタマー ジャーニー全体をサポートします。このエンドツーエンドの管理は、サービス品質と顧客満足度を維持するために不可欠です。
このプロジェクトの初期フェーズはポルトガルで実施されましたが、他の国でもいくつかのフェーズを実施する予定です。このプロジェクトが完了すれば、世界中の事業会社のビジネスチームが、より効率的かつ少ない労力で新しいサービスを定義し、お客様に導入できるようになります。