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AI & 機械学習

COVID-19 における Cloud AI を利用した支援

2020年5月12日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 5 月 7 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

私は長年、人工知能の可能性を提唱する人々にこう問いかけてきました。「解決策として AI を使う前に、解決が必要な問題を特定するのが先ではないか?」そして今、世界中がパンデミックの影響を受けるなか、直ちに解決しなければならない複雑な問題が山積みです。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、私たちが直面している課題に皆で一丸となって取り組もうというときに、AI が役に立つツールであることは言うまでもありません。AI を活用すれば、膨大な量の研究データセットに目を通して可能性のある治療法を発見することや、感染拡大をより正確に予測することだけでなく、仮想エージェントを利用して COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関する質問に対応させることなど、あらゆる組織を支援することができます。この投稿では、Google が AI を活用して行っている支援の取り組みをいくつかご紹介します。

Kaggle のコミュニティと連携して答えを探す

3 月にホワイトハウスの科学技術政策局が発表した論文は 29,000 件に上りましたが、その数は増え続け、現在では 59,000 件を超えています。この論文の中からウイルスに関する重要な問題の答えが見つかるかもしれません。そこで当局は、Google Cloud の子会社である Kaggle の 400 万人を超えるデータ サイエンティスト コミュニティに呼び掛けて、AI を使用してこうした答えを見つけるよう依頼しました。呼びかけに応じたサイエンティストは、COVID-19 Open Research Dataset(CORD-19)と名付けたこのデータセットを検索するために、テキストやデータのマイニング ツールをすでにいくつか開発しました。これらを使えば「COVID-19 のリスク要因についてわかっていることは何か」、「ウイルスの遺伝子的特徴、発生地、進化についてわかっていることは何か」などの重要な質問に答えることができます。

同じ週に Kaggle はさらに取り組みを強化し、同社のデータ サイエンティスト コミュニティに対して 2 つの予測を行うよう課題を出しました。1 つは世界中の COVID-19 感染拡大を予測するもので、もう 1 つはカリフォルニア州内の感染拡大を予測するものでした。

世界中のデータ サイエンティストが一丸となって医学界を支援し、COVID-19 に打ち勝とうと取り組んでいます。この取り組みの最新情報について詳しくは、kaggle.com/covid19 をご覧ください。また、コミュニティの目標達成に向けた進捗状況については、kaggle.com/covid-19-contributions をご参照ください。

Rapid Response Virtual Agent プログラム

Google は 4 月初めに、Rapid Response Virtual Agents プログラムを立ち上げて、パンデミックに関する顧客からの問い合わせが殺到している組織の支援に乗り出しました。このプログラムを導入すれば、カスタマイズされた Contact Center AI 仮想エージェントをすばやく構築、実装して、顧客からの質問にチャットや音声で応答する年中無休 24 時間体制の顧客サポートを提供できます。

Albertsons Companies


パンデミックの影響でお客様からの問い合わせが殺到した結果、電話が鳴りやまず、電話がつながるまで長い間お待ちいただいていました。Rapid Response Virtual Agent プログラムを導入し、仮想エージェントをすばやく実装して、質問の受け答えや最初の問い合わせ時のトラフィックの転送に活用しています。時間とコストを削減しながらも、お客様のニーズに的確に応えることができています。- デジタル製品、設計、エクスペリエンス担当バイス プレジデント Cameron Craig 氏


PPP Lending AI Solution

先週、Google は PPP Lending AI Solution を開発し、貸付機関の既存の引き受けコンポーネントや融資システムに Google の AI ベースの文書取り込みツールを統合して効率よく使えるようにしました。

PPP Lending AI Solution を構成する以下の 3 つのコンポーネントは、それぞれ個別に使うことも、相互に組み合わせて使うこともできます。

Loan Processing Portal: 融資担当やローン申請者が PPP ローン申請書の作成、提出、申請状況確認ができる、ウェブベースのアプリケーションです。

Document AI PPP Parser API: 貸付機関は AI を使って、申請者が提出した PPP ローン申請書類から構造化された情報を抽出できます。このコンポーネントは 2020 年 6 月 30 日まで無料でご利用いただけます。

Loan Analytics: 貸付機関は過去の融資データにすばやくオンボーディングして、機密情報を匿名化し情報を安全に保存したうえで、この過去の融資データに対するデータ分析を行うことができます。

よく知られていることですが、複雑な問題の解決を支援できるのが AI の大きな利点の一つです。今私たちは、パンデミックによって非常に難しい問題に直面しています。このような状況においてお客様が困難な問題を解決できるよう、今後も Google の AI 機能の作成とデプロイを継続してまいります。

- By プロダクト管理、Cloud AI、業種別ソリューション担当バイス プレジデント Rajen Sheth

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