AI で AI を構築: AI を活用したプロンプト作成ツールでプロンプト設計の時間を節約
Colby Hawker
Product Manager
※この投稿は米国時間 2024 年 11 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
生成 AI モデル用に最適なプロンプトを作成することは、それ自体が芸術的とも言える作業です。プロンプトが巧妙に作成されているかどうかで、AI レスポンスに優劣の差が生じる場合もあります。しかし、有効なプロンプトに至るまでには、多くの場合、時間のかかる微調整やイテレーション、学習曲線が必要となります。こうした理由から、このたび、Vertex AI で利用できる AI を活用したプロンプト作成ツールをアップデートしました。このアップデートは、すべてのデベロッパーにとってプロンプト作成をより簡単かつ利用しやすくすることを目的としています。
今回のアップデートでは、プロンプト エンジニアリングのワークフロー(プロンプトの生成、プロンプトの改良)を効率化するために設計された 2 つの強力な機能を導入しました。
プロンプトの生成: 数秒で目的からプロンプトを生成
たとえば、最新製品に関する購入者レビューを要約するためのプロンプトを作成するとします。プロンプトを自分で作成する代わりに、プロンプトの生成機能に目的を伝えるだけで、包括的なプロンプトが作成されます。プロンプトにはレビュー用のプレースホルダも含まれており、後で簡単に独自のデータを入力できます。プロンプトの生成機能では、次のような方法で、プロンプト エンジニアリングにおける推測に頼る作業を排除します。
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シンプルな目的を、カスタマイズされた効果的なプロンプトに変換します。これにより、表現やキーワードについて悩む必要がなくなります。
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コンテキスト用のプレースホルダを生成します(顧客レビュー、ニュース記事、コード スニペットなど)。これにより、特定のデータをすばやく追加して、すぐに結果を得ることができます。
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プロンプトの作成プロセスを迅速化します。プロンプト構文を完璧にすることに時間を割く必要がなくなり、本来の業務に集中できます。
プロンプトの改良: AI による候補を繰り返し改善
プロンプトの生成機能で作成したプロンプトでも、自分で作成したプロンプトでも、最適なパフォーマンスを得るためにプロンプトを改良できます。仕組みは次のとおりです。
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フィードバックの提供: プロンプトを実行した後、執筆者の批評を行うのと同様の方法で、レスポンスに対するフィードバックを行います。
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即時の提案: Vertex AI がフィードバックを考慮して、新しいプロンプト候補をワンステップで生成します。
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改善の繰り返し: 候補を受け入れるか拒否するかを選択します。必要に応じて、改善されたプロンプトを実行してさらにフィードバックを提供する操作を繰り返します。
プロンプトの改良は、プロンプトの質を高めると同時に、プロンプトの設計にかかる時間を大幅に節約できます。通常は、Gemini がより理解しやすいようにプロンプトの指示を補完することで、質が向上します。
以下は、プロンプトの改良機能を使用して修正されたプロンプトの例です。
強力な組み合わせ: プロンプトの生成とプロンプトの改良
これら 2 つの機能は連携して動作します。ユーザーのスキルレベルに関わらず、目的に合わせた効果的なプロンプトを作成するのに役立ちます。プロンプトの生成機能はすぐに使い始めることができます。プロンプトの改良機能では、以下のように、改善の繰り返しを 5 ステップで行えます。
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目的を定義する: プロンプトの生成機能に行いたいことを伝えます。
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プロンプトを生成する: プロンプトの生成機能が、すぐに使えるプロンプトを作成します。多くの場合、コンテキスト用の便利なプレースホルダも含まれます。
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プロンプトを実行して出力を確認する: Vertex AI で選択した LLM を使用してプロンプトを実行します。
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フィードバックに基づいて改良する: プロンプトの改良機能を使用して出力に対するフィードバックを提供し、AI によって改善されたプロンプトの候補を受け取ります。
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改善を繰り返します: 希望する結果が得られるまで、プロンプトの改善を繰り返します。
ご利用方法
インタラクティブな批評ワークフローによる、AI を活用したプロンプト作成をお試しください。Vertex AI の使いやすい UI を使用するプロンプトの改良機能は、Google Cloud アカウントを設定することなく、こちらのリンクからテストできます(Google Cloud アカウントなしでデモを行う場合は、ウェブブラウザで Google アカウントからログアウトしているか、シークレット モードを使用していることを確認してください)。アカウントをお持ちの場合は、プロンプトの保存、管理、ファインチューニングを行うことができます。