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AI & 機械学習

Google Dialogflow ES を使用する仮想エージェントを Twilio の会話サービスに統合する方法

2023年6月2日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 5 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Twilio Flex は、ビジネスに合わせてパーソナライズされたサポートを簡単に構築できるオムニチャネルの CCaaS(サービスとしてのコンタクト センター)です。この投稿では、Flex の非同期チャネルに Google Dialogflow を統合する方法を紹介します。

Flex では、SMS、MMS、WhatsApp、Chat、GBM、FBM を通した会話型メッセージングのユースケース(カスタマー サポート、会話型コマースなど)が、Twilio Conversations を使用してネイティブでサポートされます。

Flex に Dialogflow を統合すると、Flex の Conversations API と SDK を使用してお客様を仮想エージェントに接続し、最先端の Agent Assist と Dialogflow CX を利用して問い合わせを処理できるようになります。Flex 非同期チャネルを強化するために自然言語理解プラットフォームの利用を検討している場合、このインテグレーションは有力な選択肢となるはずです。実装が簡単で、柔軟性、スケーラビリティ、安全性が高く、費用対効果も優れています。

Dialogflow のこのインテグレーションにより、さまざまな Twilio デジタル チャネルにわたって、AI を活用した豊かな自然言語の会話を簡単に作成できるようになります。

Google Dialogflow と Twilio Conversations のインテグレーションによる差別化

Dialogflow を使用する Google 仮想エージェントを Twilio の Conversations API に統合することで、お客様の個々のエクスペリエンスを調整したり、プログラマビリティを活用して会話のパーソナライズを強化したりできるようになります。仮想エージェントのインテグレーションは、組織の顧客満足度の向上だけでなく、人件費の削減と業務の効率化にもつながります。   

仮想エージェントは、よくある質問への回答といった繰り返し行うシンプルなタスクを大量に処理できるため、人間のエージェントはもっと複雑なやり取りに集中できるようになります。また、仮想エージェントは 24 時間年中無休で稼働可能で、回答までの時間が短く、データを元にカスタマイズされたエクスペリエンスを提供できるうえ、複数のチャネル経由でお客様とやり取りできます。

さらに、仮想エージェントがお客様の問題を解決できなかった場合は、人間のエージェントに引き継いで会話を続けることも簡単です。

Dialogflow と Twilio Conversations のインテグレーションで使用可能な Google のオープンソース ミドルウェアのご紹介

Google の使命は、あらゆる場所であらゆる人のために役立つものを作り出すことです。Google Cloud チームはこの使命を胸に抱いて、ミドルウェア ソリューションを開発してオープンソース化しました。このミドルウェア ソリューションは、簡単にアクセス可能で、Twilio のテキストベース チャネル経由の会話型メッセージングを Google 仮想エージェントと統合する際に、基本構成要素として使用できるものです。

仕組み

この Google 提供のオープンソース ミドルウェアは、Dialogflow API を呼び出して会話からのメッセージを処理し、仮想エージェントからのレスポンスを会話に返します。つまり、このソリューションによって、2 層の通信(Twilio との通信と Dialogflow との通信)が処理されます。次の図は、提案するアーキテクチャの概要を示しています。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Blog_Twilio.max-2200x2200.jpeg

Twilio のオンボーディング プロセスを完了した後、このミドルウェアを Cloud Run などのフルマネージド プラットフォームでビルドしてデプロイできます。

ミドルウェアが担うタスクは次のとおりです。

  1. 担当仮想エージェントと接続されている会話からの受信メッセージのコールバックを受け取る。

  2. 担当仮想エージェントと接続されている間、その仮想エージェントのライフサイクルを管理する。

  3. Twilio Conversations と Dialogflow の会話サービスとの間の、会話のライフサイクルを管理する。

  4. Twilio Conversations と Dialogflow の会話サービスとを Memorystore でマッピングする。

  5. 担当仮想エージェントからの会話の自然言語理解イベントを処理して、レスポンス、ステータス、アクションのコールバックを会話サービスに送信する。

GitHub で実装例をご確認いただけます。

  • ミドルウェアの実装例

さらなる探求

このブログ投稿では、お客様とのやり取りを仮想エージェントに移すために、Twilio Conversations と Dialogflow CX を統合する方法を説明しました。しかし、これはほんの一例です。他にも用途のアイデアがありますのでご紹介します。

  • 仮想エージェントが検出したインテントを抽出して、お客様の問い合わせ内容の要約を作成する。

  • 感情分析を有効にして、仮想エージェントがお客様の感情のスコアを追加できるようにする。

  • お客様が人間のエージェントと話すことを希望した場合に会話を Twilio Flex Agent に渡し、Google Agent Assist の機能を活用することを検討する。

  • Twilio Studio SendToFlex ウィジェットの使用を検討する。

  • 音声チャネルを統合する方法を確認する。

まとめ

この投稿では、Google がオープンソース化したミドルウェア ソリューションを使用して、Twilio からのテキストベース チャネルの会話に、Google Dialogflow を備えた Google 仮想エージェントを統合できることを説明しました。このミドルウェアは、Cloud Run などのフルマネージド プラットフォームで簡単にビルドしてデプロイできます。そうすることで、組織の顧客満足度の向上だけでなく、コンタクト センターの人件費の削減と業務の効率化も実現できます。詳しくは、Agent Assist の基本に関するページと Dialogflow 仮想エージェントのページをご覧ください。また、使用を開始するには、Twilio Dialogflow CX オンボーディング ガイドをご覧ください。

Twilio の Aymen Naim 氏と Google の Ankita Sharda に、コンテンツのフィードバック提供のお礼を申し上げます。お二人のサポートなしでは成し得ませんでした。


- 戦略的クラウド エンジニア Carolina Hernandez
- 戦略的クラウド エンジニア Stenal Jolly


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