Google Cloud が Optimization AI をリリース: お客様のルート計画を容易にする Cloud Fleet Routing API
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 4 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
顧客のニーズの高まり、気候変動への懸念、消費者市場からの配達への高い期待などは、小売業者、ロジスティクス、消費財メーカーが直面している新しいマクロトレンドのほんの一部にすぎません。このような環境下で競争力を維持するためには、企業は実行内容を改善して、お客様へのサービスと配達に伴う物流や環境に関する膨大な要因の両方に対応する必要があります。これらの要因のなかでも特に重要かつ緊急なのは、企業が新しいテクノロジーをインテリジェントに活用することです。これにより、ビジネスの成果が上がるだけではなく、脱炭素のデジタル エコノミーで求められるサステナビリティの向上にも貢献できます。
そこで本日、Google Cloud は、Optimization AI とその最初の機能である Cloud Fleet Routing(CFR)API の一般提供開始を発表します。Optimization AI を活用することで、企業は将来の計画を立て、適切な行動を決定し、ビジネスへの成果を明確にできます。なかでも CFR は、車両フリート オペレーターが正確なフリート全体の運航計画を大規模に作成する際に役立ちます。
複雑なプランを素早く確実に作成する
Google がお客様からいただいたご意見には、「できるだけ早くフリートを送り出したい」、「より遅い受付時間を考慮したい」、「計画の変更を簡単に取り込みたい」といったものがありました。さらに、お客様が迅速かつ確実にフリートに配布できる効率的なアクション プランの提供も必須です。Google Cloud のインフラストラクチャの規模をインテリジェントに利用することで、CFR はルート計画に関する小さな問題を数秒以内に解決することができ、バッチ処理を提供します。バッチ処理では、スケールアップすることにより非常に大規模なロジスティクス業務でさえもモデル化することができます。
Cloud Fleet Routing API によるルート構築の例を示すイラスト
たとえば、ブラジルの小売業者である Magalu は、配達サービスの改善を続け、国内最速の配達サービスを提供するという同社の主要戦略的柱の一つを活用するために CFR API を採用し、月間 210 万個以上の出荷を伴う緻密な物流ネットワークをナビゲートしながら、当日配達のためのラスト ワンマイル ルートを最適化しました。
「Google の Cloud Fleet Routing API により、効率的なルートを構築して増大する需要に対応できるだけでなく、信頼性を高めることもできます。Google Cloud ソリューションでは、同一ルートでの複数の集配を数秒で計算できます。その結果、迅速で、柔軟かつ正確なルート計画が可能となり、生産性とスケーラビリティが向上します。これは費用の効率化にもつながり、高い競争力を維持できます」と Magalu の IT 部門責任者 Talita Paschoini 氏は言います。
CO2 排出量を削減し、ビジネスの成果を上げる
費用効率の良い割り当てやスケジュール決定を行いながら、競争的な到着予定時刻を的確に予測、実現することは簡単ではなく、手動でのプラニングはほぼ不可能です。CFR API を使用する際、お客様は独自の距離行列を取り込むか、もしくは Google マップとのネイティブなインテグレーションを使用して AI を活用した到着予定時刻を利用するオプションがあります。正確な訪問時間や実現不可能なことをできるだけ早く共有することで、お客様のブランドに対する信頼感を高めることができます。CFR を活用することで、燃料節約による CO2 排出量の削減、最適なワークロードの提供によるワークライフ バランスの促進、顧客のニーズへの対応の機会を、これまでになく簡単に見つけられるようになりました。
「Instabox にとって環境のサステナビリティは非常に大切な意味を持つものです。ルートの最適化は、環境へのフットプリントを抑えながら、お客様により多くの価値を提供するために不可欠な方法です。Google の Cloud Fleet Routing API により、ルートの効率性が向上し、計画にかかる時間が短縮されました。当社の配達能力の向上により、お客様が荷物をより早く受け取れるようになると同時に、運用コストも削減されています」と Instabox 社 CTO 兼共同創立者の Staffan Gabrielsson 氏は述べます。
不確実な状況でも簡単にナビゲート
ラスト ワンマイルのオペレーションは、配達時間の変更、車両の故障、直前の人員変更など、数えればきりがないほど混乱をはらんでいます。お客様のアジリティ維持をサポートするため、CFR API を使用することで追加の費用をかけることなく、既存の計画を 1 日最大 20 回まで再最適化できます。この機能は、交通渋滞や臨時リクエストなど、動的な変化により頻繁な再最適化が必要となるラスト ワンマイルで特に有効です。その結果、お客様は何も心配することなく、CFR API を使用してこうした混乱に効果的に対処する計画を立てることができ、オペレーターは消費者に対しいち早く最適な対応を行うことができます。
使ってみる
Optimization AI の Cloud Fleet Routing API の詳細については、プロダクト ページをご覧ください。ラスト ワンマイルのプラニングと実行を統合したユースケースについては、ラスト ワンマイルのフリート ソリューションをご確認ください。また、スポットライト セッション「サプライチェーンとロジスティクスにスポットライトを当てる」にもぜひご参加ください。Google Cloud が最適なプランニングと意思決定に必要なエンドツーエンドの可視性を提供し、需要の形成、在庫の配置、完璧なフルフィルメントをサポートする方法について詳しくご紹介します。
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- Cloud AI および業種別ソリューション担当プロダクト マネージャー Christopher Cho