コンテンツに移動
AI & 機械学習

新しい AI エージェントがビジネス成果の創出を加速: Translation Hub、Document AI、Contact Center AI

2022年10月25日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/aiml_.max-2600x2600.jpg
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 10 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

人工知能(AI)の導入は、すでに転換点に達しています。以前は限られた人しか利用できなかったテクノロジーが、今や広く利用できるようになりました。この結果、AI への投資が爆発的に増えています。とはいえ、調査会社の McKinsey によると、AI を企業の収益に大きく寄与させるには、企業は「テクノロジーを組織全体で大規模に利用して、コアのビジネス プロセスに組み込む必要がある」とのことです。これは、Google Cloud のお客様との会話から考えても、まさに同意できることです。  

純粋なデータ サイエンスへの投資が多くの企業にとって今後も不可欠である中で、AI の大規模な導入において、AI エージェントと呼ばれるアプリケーションやサービスのカテゴリが徐々に増えています。AI エージェントのテクノロジーを使用すると、従業員の技術的専門知識が限られていても、優れた AI を一般的なビジネス上の課題に適用でき、Document AI や Contact Center AI といった Google Cloud プロダクトとも統合できます。Google Cloud Next ‘22 の本日のセッションで、既存の AI エージェントの新機能および新しい AI エージェント Translation Hub を発表します。  

「AI への投資は多くの企業にとって、長期的に成功を収めるうえで重要になってきています。しかし、ほとんどの企業はいまだに AI の試験的段階にあり、このテクノロジーを完全には本番環境に導入できていません。これには、デプロイメントのタイムラインが長いことや IT スタッフ確保の必要性などさまざまな理由があります」と、IDC のワールドワイド AI およびオートメーション リサーチ プラクティス グローバル AI リサーチ担当リーダー、グループ バイス プレジデントである Ritu Jyoti 氏は述べています。「組織には、プロセスを自動化し、ビジネス上の課題を解決するために、すぐに適用可能な AI プロダクトが必要です。Google Cloud は、迅速に導入してすぐに成果を出せるフルマネージドのスケーラブルな AI エージェントを提供することで、この問題に対する答えを出しています。」

Translation Hub: エンタープライズ規模の翻訳 AI エージェント

今年の I/O で、Google 翻訳に新たに 24 の言語を追加したことを発表しました。これにより、特にほとんどのテクノロジーで表現されていない言語を使うユーザーを含め、さらに多くの地域のユーザーに、翻訳機能を通してコミュニケーションの障壁を減らしていただけます。各企業が同じ目標を目指していても、中には残念ながら、翻訳の拡張に伴う費用の増加が原因で目標を達成できない場合も多くあります。

そこで、本日 Google Cloud は Translation Hub を発表します。これは、セルフサービスのドキュメント翻訳サービスを提供する AI エージェントです。Translation Hub は、135 の言語をサポートし、実効性があり、費用対効果が高く、インクルーシブなグローバル コミュニケーションを数回のクリックで実現します。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/1-many-mtqp-small.gif

Translation Hub を使用することで、研究者は自分たちの発見を世界中にすぐに共有できるようになり、商品やサービスの提供業者は十分なサービスが存在しない市場にリーチできるようになり、公共部門の管理者はコミュニティのメンバーが理解できる言語でより多くのメンバーとやり取りできるようになります。こういったことはすべて最終的に、よりつながりの強い、インクルーシブな世界の構築につながります。

Translation Hub には、ニューラル機械翻訳や AutoML などの Google Cloud AI テクノロジーが統合されていて、Google ドキュメント、Google スライド、PDF、Microsoft Word といった最も一般的な種類の業務ドキュメントからコンテンツを取り込んで翻訳することが簡単になります。また、レイアウトとフォーマットが維持されるだけでなく、ポストエディットの人間参加型フィードバックやドキュメント レビューのサポートなど、きめ細かな管理制御が提供されます。

「Translation Hub と AutoML 翻訳モデルを使い始めてたった 3 か月で、翻訳されたページ数が 8 倍になり、翻訳費用が 9 割削減されました」と、物質科学会社 Avery Dennison のデジタル イノベーションおよび従業員エクスペリエンス担当リーダーである Murali Nathan 氏は述べています。「数字が示している以上に、Google の企業向け翻訳テクノロジーは従業員のインクルージョンの意識を高めています。Avery Dennison の全従業員がオンデマンドで汎用的な、会社固有の翻訳を利用できます。英語の流暢さは障壁ではなくなり、従業員は母国語で自分の考えを幅広く表現し始めています。」

Document AI: ワークフローを自動化するためのドキュメント処理 AI エージェント

どの組織も、ドキュメントを処理し、その内容を把握して、該当する関係者がそれらのドキュメントを利用できるようにする必要があります。請求書や領収書が含まれる調達サイクルでも、取引成立のための契約プロセスでも、あるいは全般的な効率性を向上させるために、Document AI はさまざまなドキュメント処理を簡素化および自動化します。本日 2 つの新機能が導入されたことにより、従業員は重要性の高いタスクに集中して、顧客により良いサービスを提供できるようになります。

たとえば、決済機関の Libeo は、Document AI を利用して、請求書パーサーを 1,600 件のドキュメントでアップトレーニングし、テストの精度を 75.6% から 83.9% に向上させました。「アップトレーニングのおかげで、現在、Document AI の成果は競合他社の成果を上回っており、長期的にモデル トレーニングの全体的な費用が約 20% 節約できることが見込まれます」と、Libeo の最高技術責任者である Pierre-Antoine Glandier 氏は述べています。

本日、Google Cloud の既存の Document AI エージェントに次のような新機能が導入されることを発表します。

  • Document AI Workbench は、カスタムのドキュメント パーサーの構築に関連する障壁を取り除き、組織のビジネスニーズに固有の関心分野を抽出できるようにします。従来の開発アプローチと比較して、必要なトレーニング データが少量で済み、データのラベル付けとワンクリックでのモデル トレーニングの両方で使用できるシンプルなインターフェースが用意されています。

  • Document AI Warehouse は、Google の検索テクノロジーを Document AI に組み込むことで、多くの企業がドキュメント内のデータのタグ付けと抽出の際に直面している課題を解決します。この機能を使用すると、請求書処理、契約書、承認、カスタム ワークフローに対応したワークフロー制御などの手法で、ドキュメントを簡単に検索、管理できるようになります。

Contact Center AI: カスタマー エクスペリエンスを改善するためのコンタクト センター AI エージェント

コールセンターのサポートを拡張することは、費用がかかるうえ、困難な場合があります。これは特に担当者をサポートするための AI テクノロジーを実装する際に言えることです。Contact Center AI は、コンタクト センターの実質的にすべてのニーズに対応できる AI エージェントで、お客様をインテリジェントにルーティングする、仮想のカスタマー サポート担当者と人間の担当者との間でスムーズに引き継を行う、コールセンターでの会話の文字起こしを分析して傾向を把握するなど、さまざまなタスクに活用できます。

ほんの数日前、コンタクト センター AI プラットフォーム一般提供の開始により、デプロイメントの選択肢が増え、柔軟性が増したことを発表しました。Contact Center AI へのこの追加機能により、Google Cloud は、組織がコンタクト センターを迅速に拡大して、カスタマー エクスペリエンスを改善し、データドリブンな意思決定を通じて価値を創出できるように支援する AI エージェントを提供する取り組みを一層進めています。

KeyBank の部門最高情報責任者である Dean Kontul 氏は、コンタクト センターを Google Cloud の Contact Center AI で強化することについて、次のように述べています。「Google Cloud と Contact Center AI を使用することで、コンタクト センターをクラウドに迅速に移行し、より効果的なカスタマーケア業務を通じて業務の効率化を図りながら、業界トップクラスのカスタマー エクスペリエンス改革でお客様とエージェントの両方をサポートできるようになります。」

AI エージェントで今すぐビジネス成果を出し始めましょう。  

Translation Hub の利用をご希望のお客様は、こちらの Next ‘22 セッションで詳細をご確認いただけます。このセッションでは、Avery Dennison での AI エージェントの使用例も詳しく紹介しています。

Document AI に関する発表について詳しくは、Commerzbank とのセッション「Improve document efficiency with AI(AI でドキュメントの効率性を高める)」および「Transform digital experiences with Google AI powered search and recommendations(Google AI を活用した検索とレコメンデーションでデジタル エクスペリエンスを変革する)」をご覧ください。

また、コンタクト センター AI プラットフォームについて詳しくは、「Delight customers in every interaction with Contact Center AI(Contact Center AI を使用して、すべてのやり取りでお客様に満足を)」をご覧ください。KeyBank でのユースケースをさらに詳しく紹介しています。

- Cloud AI および業種別ソリューション担当バイス プレジデント June Yang

投稿先