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Big on data - 調査レポートに見る、データ駆動型企業が同業他社よりも収益性が高い理由とは

2023年4月17日
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Google Cloud Japan Team

360 人以上の経営幹部を対象にした Harvard Business Review(HBR)の調査で、データ活用を積極的に進めている企業が、AI と分析をどのように活用し、効果的な意思決定を行うことで危機的状況を回避しているのかが明らかになりました。

※この投稿は米国時間 2023 年 3 月 25 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

経済的な試練のときこそイノベーションに投資する絶好の機会です。10 年以上前に Harvard Business Review が数千社を対象に実施した大規模調査では、過去 3 回の不況の後に業界リーダーとなった企業は、不況下において、戦略的に将来に投資していた企業であったことが明らかになっています。

これは現在の状況にもあてはまります。Google Cloud が Harvard Business Reviewに委託した最新の調査によると、コロナ禍にデータドリブンのアプローチを取り入れた組織ほど、ここ数年の混乱期をうまく切り抜けています。特に、組織内で統合した正確かつ高品質なデータが、危機的状況におけるリアルタイムの意思決定に役立っています。

この調査では、テクノロジーの向上に注力する傾向が広く見られました。具体的には、調査に協力した 366 人の経営幹部のうち 81% が、パンデミックとそれに続く供給ショックおよび労働力の不足に対応するために、データおよび分析関連の投資を総体的に増やしたとしています。また、58% が AI への投資を増やしたと回答しています。

ここで重要なのは、これらの投資は効果的に活用する必要がある、という点です。投資を増やした組織のすべてが満足のいく結果を得られたわけではありません。分析と AI によってデータのビジネス価値を引き出せたかどうかを自己評価してもらったところ、10 段階評価で 7 点以上とした回答者は 45% にとどまりました。


HBR は、データから価値を引き出すことに成功している企業を、データ活用リーダー(先進企業)というグループに分類しています。

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データおよび AI を先駆的に活用している企業は、収益性、マーケット シェア、顧客満足度などの重要業績評価指標のすべてにおいて、高いスコアを記録しています。そうした企業とそれ以外の企業の主要なビジネス指標を比較すると、業務の効率化(81% vs. 58%)、収益(77% vs. 61%)、顧客ロイヤルティおよび顧客維持(77% vs. 45%)、従業員の満足度(68% vs. 39%)、IT 費用の予測可能性(59% vs. 44%)で先駆的な企業が上回る結果になっています。

先駆的な企業の成功要因は、技術投資を戦略的価値と見なしている点にある、といえそうです。

先駆的にデータ、分析、AI を活用している企業は、これらの技術を組織内の各部門の目標達成に役立てています。また、このような企業のうち 84% が、データを管理し、データから価値を見出す明確な企業戦略を有していると答えたのに対し、他の企業で同じように回答したのは半数にとどまっています。

AI 分野におけるデータ戦略の定義と実行については、先進企業と追随企業の差が特に顕著です。先進企業の 57% が AI に関する企業戦略を有し、意思決定への活用を視野に入れていると回答としたのに対し、他の企業では 17% にとどまっています。

AI 技術は成熟へと向かう転換期に突入しており、今後はあらゆる産業で具体的なビジネス上の価値をもたらすようになっていくでしょう。先進企業はすでに AI を意思決定に活用し、他社を大きく引き離しています。

さらに、データや分析の利用を組織内で誰もが自由に行えること、すなわち民主化することの重要性を尋ねたところ、組織の成功のために必要であるとの回答が 91% にのぼりました。同様に、AI の民主化の重要性についても、76% が同意しています。

先進企業の約 91% が、データや分析の利用を組織内で民主化することが、組織の成功の鍵を握ると考えています。

HBR の調査結果を要約すると、データと AI への投資によりビジネス上の価値が生まれ、この面でリードした企業は収益で他社に差をつける、といえます。データと AI を積極的に活用することで、組織の目標達成に近づくのはもちろん、新製品の開発スピードや顧客満足度などのデータを活用することによる収益性のさらなる向上も期待できます。

現在のビジネス情勢において成功するためには、データや AI への投資を優先し、これらの技術を組織内で自由に利用できるように取り組んでいく必要があります。

- Data Cloud、ポートフォリオ マーケティング責任者、Justyna Bak
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