Cloud Quotas ディメンションを構成する

Cloud Quotas のディメンションは、Google Cloud でリソース使用量を測定するさまざまな方法を表します。ディメンションは通常、リージョン、ゾーン、Google Cloud ユーザー、プロダクト属性です。

Cloud Quotas API では、ディメンションは Key-Value ペアとして表されます。key はディメンション名です(例: region)。value は、ディメンションに割り当てられた値です(例: us-central1 などのリージョン)。

たとえば、Compute Engine はさまざまなディメンションを使用して VM の使用量を測定します。region ディメンションは、特定のリージョンにある VM の数を測定します。Compute Engine には、gpu_family など、多くのプロダクト属性ディメンションもあります。gpu_family ディメンションは、Google Cloud プロジェクト内の特定のファミリーの GPU の数を測定します。

ディメンションを表示する

割り当てとシステム上限のディメンションは、Google Cloud コンソール、Google Cloud CLI、REST API のクエリ、クライアント ライブラリで確認できます。値を指定しなかったディメンションを表示するには、gcloud CLI を使用します。また、プロジェクトで関連リソースがまだ使用されていない場合は、gcloud CLI を使用して、リージョンまたはゾーン ディメンションのない割り当てとシステム上限のディメンションを表示します。このセクションでは、コンソールと gcloud CLI を使用してディメンションを表示する方法について説明します。

コンソール

  1. [割り当てとシステム上限] ページに移動します。

    [割り当てとシステム上限] に移動

    このページの表の [ディメンション] 列にディメンションが表示されます。

  2. [ディメンション] 列が表示されない場合は、次の操作を行います。それ以外の場合は、この手順をスキップします。

    1. [ 列表示オプション] をクリックします。
    2. [ディメンション] を選択します。
    3. [OK] をクリックします。[ディメンション] 列が表に表示されます。
  3. 結果をフィルタするには、[ フィルタ] の横のフィールドにプロパティ名または値を入力します。

    • プロダクトで絞り込むには、プロダクト名の入力を開始し、表示されたリストから選択します。
    • ディメンションでフィルタするには、dimension_name:dimension_value の形式でディメンションを入力します。たとえば、us-central1 リージョンに定義されている割り当てとシステムの上限を表示するには、region:us-central と入力します。

空のディメンションについて

[ディメンション] 列が空白になることがあります。理由としては以下のことが考えられます。

  • 割り当てまたはシステム上限の値はデフォルト値であり、すべてのディメンションに適用されます。一部の割り当てとシステム上限では、コンソールにデフォルトの割り当て値またはシステム上限値を示す行が表示されます。デフォルトはすべてのディメンション値に適用されるため、[ディメンション] 列は空白になっています。[名前] 列でこれらのエントリを特定します。[名前] 列に、割り当て名またはシステム上限名の末尾に「default」という単語がかっこで囲まれて表示されます。

    たとえば、割り当て SetIamPolicyRequestsPerMinutePerProjectregion ディメンションで定義されます。コンソールには、参照エントリとリージョンごとのエントリが表示されます。[名前] 列に、参照エントリが「SetIAMPolicy requests per minute per region(default)」と表示されます。このエントリの [ディメンション] 列は空です。

  • ディメンションは適用されません。たとえば、Compute Engine の割り当て NETWORKS-per-project はリージョン、ゾーン、プロダクト属性に関連付けられていないため、表示するディメンションがありません。

gcloud

gcloud CLI を使用すると、単一の割り当てまたはシステム上限のディメンション、または特定のプロダクトに関連付けられているすべての割り当てとシステム上限のディメンションを表示できます。通常、1 つの割り当てまたはシステム上限のディメンションを表示するほうが、プロダクトに関連付けられているすべての割り当てとシステム上限のディメンションを表示するよりも高速です。単一の割り当てに対するクエリへのレスポンスは、通常 200 行ほどです。プロダクトのクエリに対するレスポンスは 2,000 行を超える場合があります。

gcloud を使用して単一の割り当てまたはシステム上限のディメンションを表示する

gcloud CLI を使用して単一の割り当てまたはシステム上限のディメンションを表示するには、ターミナルで次のコマンドを実行します。

gcloud alpha quotas info describe QUOTA_ID --project=PROJECT_ID --service=SERVICE_ID

次のように置き換えます。

  • QUOTA_ID: 割り当てまたはシステム上限の ID。割り当て ID がわからない場合は、次のいずれかのオプションを選択します。

    1. 割り当て ID を確認するの説明に従って、コンソールで確認します。
    2. 目的の割り当てまたはシステム上限に関連付けられているプロダクトのすべてのディメンションを表示します。このコマンドでは割り当て ID は必要ありません。gcloud CLI を使用してプロダクトのディメンションを表示するをご覧ください。
  • PROJECT_ID: Google Cloud プロジェクトの ID。プロジェクト ID を確認するには、次のいずれかのオプションを選択します。

    1. コンソールを使用してプロジェクト ID を確認するには、プロジェクトの識別をご覧ください。
    2. gcloud CLI 構成で現在のプロジェクトをデフォルト プロジェクトとして設定した場合は、ターミナルで次の gcloud コマンドを実行してプロジェクト ID を確認します。
      gcloud config get-value project
  • SERVICE_ID: 割り当てまたはシステム上限に関連付けられているプロダクトのサービス ID。たとえば、割り当てが Compute Engine A2 CPU の場合は、サービス ID は compute.googleapis.com です。

gcloud CLI を使用してプロダクトのディメンションを表示する

gcloud CLI を使用して単一の割り当てまたはシステム上限のディメンションを表示するには、ターミナルで次のコマンドを実行します。

gcloud alpha quotas info list --project=PROJECT_ID --service=SERVICE_ID

次のように置き換えます。

  • PROJECT_ID: Google Cloud プロジェクトの ID。プロジェクト ID を確認するには、次のいずれかのオプションを選択します。

    1. コンソールを使用してプロジェクト ID を確認するには、プロジェクトの識別をご覧ください。
    2. gcloud CLI 構成で現在のプロジェクトをデフォルト プロジェクトとして設定した場合は、ターミナルで次の gcloud コマンドを実行してプロジェクト ID を確認します。
      gcloud config get-value project
  • SERVICE_ID: 割り当てまたはシステム上限に関連付けられているプロダクトのサービス ID。たとえば、割り当てが Compute Engine A2 CPU の場合は、サービス ID は compute.googleapis.com です。

ディメンションの優先順位

Cloud Quotas API の一部のユースケースでは、ディメンション設定が複雑になる場合があります。割り当ては、リージョンとゾーンだけでなく、より細かいレベルで構成できます。サービス固有のディメンションを使用するときに、この粒度を使用できます。たとえば、gpu_familynetwork_id は、Compute Engine サービス固有のディメンションです。ディメンションは個々のサービスによって定義されます。各サービスでサービス固有のディメンションのセットが異なる場合もあります。

ロケーション ディメンションまたはサービス固有のディメンションを使用する場合は、次の優先順位が適用されます。

  1. ロケーションとサービス固有のディメンションがすべて指定されている割り当て設定は、他の構成よりも優先されます。

  2. ロケーション ディメンションを指定する構成は、サービス固有のディメンションのみを含む構成よりも優先されます。

ディメンションの組み合わせ

割り当て設定の構成では、次の方法でディメンションを組み合わせることができます。

  1. 構成にロケーション ディメンションとサービス固有のディメンションの両方を含める。これは設定の中で最も高い優先順位になります。

  2. 構成にロケーション ディメンションのみを含める。この構成は、方法 1 で明示的に構成されたものを除き、サービス固有のすべてのディメンションに適用されます。

  3. 構成にサービス固有のディメンションのみを含める。この構成は、方法 1 または 2 で明示的に構成したものを除き、すべてのロケーションに適用されます。

  4. 構成にサービス固有のディメンションが含まれている場合は、サービス固有のディメンションをすべて含める必要があります。

  5. ディメンションなしで構成することもできます。このような構成は、明示的に構成されたものを除き、すべてのロケーションとサービス固有のディメンションに適用されます。