プロンプト戦略を使用する

プロンプト エンジニアリング戦略は、期待される出力を取得し、モデルのパフォーマンスを最大化するために不可欠です。このページでは、生成 AI モデル(特に Gemini)を操作するための主要なプロンプト戦略の概要について説明します。

プロンプト戦略の詳細については、 Google Cloud のドキュメントのプロンプト戦略の概要をご覧ください。

プロンプト設計の基礎

プロンプトは、生成 AI モデルへの主な入力であり、特定の出力を生成するように指示します。プロンプトは、単一のクエリから、コンテキスト、例、特定の出力形式の要件を組み込んだ複雑な複数部分の指示まで、さまざまなものがあります。

効果的なプロンプトの主な考慮事項は次のとおりです。

  • 明確で具体的な指示を提供する: プロンプトを設計する際は、モデルに実行させたい内容を明確かつ具体的に記述することが重要です。あいまいなプロンプトや曖昧なプロンプトは、予期しない、場合によっては無関係な出力を招く可能性があります。たとえば、「詩を書いて」と尋ねるのではなく、「Robert Frost のスタイルで、自然の美しさについての短い詩を書いて」のように、より具体的なプロンプトを使用します。また、コンテキストを提供することで、モデルは期待されるタスクを理解し、関連性の高いレスポンスを生成できます。
  • 複雑なタスクを分割する: 複雑なタスクの場合は、プロンプトをより管理しやすい小さなサブタスクに分割すると効果的です。この戦略により、モデルは一度に 1 つの側面に集中できるため、より正確で一貫性のある結果が得られます。たとえば、モデルに物語を書かせたい場合は、登場人物、設定、プロット、会話を個別に生成するプロンプトに分割できます。
  • 結果を基に実験と反復を行う: プロンプト設計は、多くの場合、反復プロセスです。さまざまなアプローチ、言い回し、パラメータを試して、ニーズに最適な結果を見つけることができます。このプロセスでは、さまざまなプロンプトの長さを試したり、指示を言い換えたり、出力のランダム性を制御するモデルの温度設定を調整したりします。温度の値が高いほど、より創造的で予測不可能な出力が生成されます。一方、温度の値が低いほど、より決定論的で焦点が絞られたレスポンスが生成されます。

コア プロンプトの手法

プロンプトを最適化し、生成 AI モデルから期待される動作を引き出すために、いくつかの手法を使用できます。

次の表に、生成 AI モデルの基本的なプロンプト メソッドを示します。

プロンプト手法 説明 サンプル プロンプト
ゼロショット プロンプト 特定の例を提示せずにモデルに直接クエリし、事前トレーニングされた知識と一般化能力に依存します。多様で包括的なトレーニング データで効果を発揮します。 Translate "Hello, how are you?" into French.
少数ショット プロンプト プロンプトにいくつかの例を示して、モデルの出力をガイドします。期待される形式やパターンを示すことで、精度を高めることができます。 Translate the following sentences into Spanish: "My name is Alice." = "Me llamo Alice." / "I like to read." = "Me gusta leer." / "Where is the library?" =
ロール プロンプト モデルに特定の役割(「親切なアシスタント」や「プロの編集者」など)を割り当てて、トーン、スタイル、コンテンツを調整し、そのペルソナに合わせて出力を調整します。 You are a seasoned journalist. Write a brief news report on the latest advancements in renewable energy.
指示プロンプト 簡潔で明確な表現を使用して、期待されるタスクやアクションを明確かつ明示的に記述し、出力要件、制約、フォーマットのニーズを指定します。 Summarize the following text into a three-sentence paragraph, focusing on the key arguments and conclusions: ...

高度なプロンプト戦略

基本的な手法に加えて、より高度な戦略を使用して出力をさらに絞り込みます。

  • 思考の連鎖プロンプト: プロンプトの一部として一連の中間的な推論ステップを提供し、モデルに段階的に考えるよう促します。この戦略は、論理的推論や問題解決を必要とするタスクに有効です。たとえば、数学の文章題をモデルに尋ねる場合は、問題を解く手順をモデルに伝える一連のプロンプトを含めます。
  • グラウンディング: モデルに外部の情報や知識を提供し、理解力と回答生成能力を高めます。このプロセスにより、モデルは関連するドキュメント、データベース、API にアクセスできます。モデルをグラウンディングすることで、精度、事実性、より多くの情報に基づいた回答を生成する能力を向上させることができます。たとえば、モデルに特定のトピックに関する質問に回答させたい場合は、関連する記事や研究論文をグラウンディングとして提供します。
  • 検索拡張生成(RAG): モデルを使用して、ナレッジベースまたは外部ソースから関連情報を取得します。次に、この取得した情報をプロンプトに組み込んで、レスポンスの生成をガイドします。RAG は、質問応答やドキュメントの要約など、大量の情報や知識へのアクセスが必要なタスクに便利です。

考慮すべきポイント

構造化されたプロンプトを設計する際は、次の点を考慮してください。

  • 明確かつ簡潔な表現を心がけてください。詳細なプロンプトは有益ですが、長すぎたり複雑すぎたりするプロンプトはモデルを混乱させます。
  • 効果的なプロンプトを作成するために、使用するモデルの具体的な特性を理解する。
  • 事実に基づく情報の生成についてモデルに頼ることは回避してください。
  • 数学や論理の問題では慎重に使用してください。

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