Google、企業向け 5G ネットワーク スライシング機能を提供
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 11 月 2 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google は、最近リリースされた Android 12 オペレーティング システムと Google Distributed Cloud を基に、通信サービス プロバイダ(CSP)や企業に向けて、アプリケーションのセキュリティ、信頼性、パフォーマンスを向上させるために 5G ネットワーク スライスを介してエンタープライズ アプリケーションとサービスを提供する準備をしてきました。
5G ネットワーク スライシングでは、基盤となる物理リソースを共有しつつ、さまざまなプロパティで仮想モバイル ネットワークを動的に作成できます。5G スライシングは、セキュアで動的なネットワーク プラットフォームを企業に提供することで、CSP が 5G への投資に対する利益を得るための鍵となるイノベーション分野の一つです。一方、企業は、デバイス、ネットワーク、エッジクラウド、アプリケーションのエコシステムがシームレスかつ自動的な連携を実現したときに、ネットワーク スライシングの真価を実感することになります。
5G ネットワーク スライシングに特化した Google の技術力により、企業は、より高い帯域幅、低レイテンシ、高い信頼性、およびセキュリティと分離の向上を目的として最適化された専用のネットワーク チャネルを通じて、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。例えば、金融機関では、重要かつ機密性の高いデータを従業員のモバイル デバイスに配信できますし、あらゆるタイプの企業では、ネットワーク スライスを利用して在宅勤務をする従業員に安全な接続を導入できます。
5G エンタープライズ ネットワーク スライシングに対する Android のサポートでは、CSP の 5G ネットワーク上で管理対象デバイスのアプリケーション トラフィックをルーティングします。仕事用のプロファイルが設定されたデバイスでは、仕事用アプリからのデータは、エンタープライズ ネットワーク スライスを介してルーティングされます。Android の 5G ネットワーク スライシングの導入に関する詳細な情報をお求めの CSP の皆様は、Android SAC サイトをご覧ください。
5G スライシングは、モバイルの世界で起こっている魅力的な開発の一つです。さらに、5G スライシングのエコシステムにとって重要なエッジ コンピューティングでは、アプリケーション機能をエッジで処理し、一元化されたクラウドで管理することで、パフォーマンス、耐障害性、運用の継続性がより向上します。CSP は、企業が 5G スライシングから価値を見出すために、次の 3 つのコアとなる属性を考慮する必要があります。1)エンタープライズ ツールとデバイスの統合、2)すぐに使えるネットワークとクラウドの自動化、3)説得力のあるユースケース。そこで重要なのが、適切なパートナー選びです。Google はこのような属性をシームレスに導入するため、エコシステム全体で取り組んでいます。
企業向けの 5G ネットワークスライシング機能のサポートは Ericsson と Nokia との連携により、5G 無線アクセス ネットワーク(RAN)と 5G コア ネットワークのソリューションを、Android 12 オペレーティング システムを搭載した最近発売されたばかりのスマートフォン Pixel 6 のテストユニットに正常に統合することで検証されました。さらに、Far EasTone(FET)、Android、Ericsson は、5G URSP を用いた 5G ネットワーク スライシングのエンドツーエンドのデモンストレーションを共同で行いました。このデモでは、仕事用アプリのトラフィックをエンタープライズ・スライスを介して誘導する Google Pixel 6 の URSP 機能を示しました。
CSP は、5G スライシングの価値を引き出すために、単に接続性を求めるだけではなく、急速に拡大している 5G のエコシステム全体にどのように関わって行くかを検討する必要があります。Google は、CSP とのパートナーシップにより、Pixel デバイス、Android OS、Google Distributed Cloud、アプリケーションで、5G のプロバイダと利用する企業双方に最適な価値を生み出しています。
- Google Cloud 上級エンジニア Ankur Jain
- Android エンジニアリング ディレクター Sat K