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サステナビリティ

生成 AI による食料システムの改革: すべての人々のためのおいしく健康に良い食品

2023年12月20日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 12 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

寒い冬に食べるためにニューヨークの食料雑貨店で買ったメキシコ産マンゴーの温室効果ガス排出量が気になりませんか?あるいは、パリのチーズ店で販売されているノルマンディ産のカマンベール チーズの温室効果ガス排出量については?

そのような場合は、ぜひこの投稿をお読みください。

農業が世界の温室効果ガス排出量に占める割合は 30% です。また、世界の淡水資源において農業が消費している割合は 70% に及び、農業は生物多様性損失の最大の要因となっています1。Google Cloud は COP28 のテーマについて真剣に検討を重ねており、これには、テクノロジーとイノベーション、インクルージョン、影響を真っ先に受けるコミュニティと融資、食料システムの変革への寄与などがあります。なかでも現在、食品小売業にとって重要な機会として捉えているのが、生成 AI を使用して消費者の購買と食事の環境にプラスの影響を与え、ネットゼロ、ネイチャー ポジティブの食料システムを促進することです。

生成 AI は次の 3 つの方法で役立てることができます。

1.サプライ チェーンの透明性を強化する: 生成 AI により消費者は複雑な地理空間データを理解して、環境への影響に関するより多くの情報に基づいて購入を決断できるようになります(パリでフランス産のチーズを買うことは、多くの場合、良い選択です)。

たとえば、Google Cloud はパートナーの NGIS と連携して、Tracemark ソリューションを構築しました。これにより企業は、森林伐採の排除、認定資格の増強、社会的リスクの低減を通して、自社のサプライ チェーンとソーシング活動による環境への影響を軽減できるようになります。Unilever は原材料のトレーサビリティに Tracemark を活用して、すでに効果を挙げています。

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出典: Tracemark

2.食品廃棄物の削減などサステナブルな実践を実店舗に導入する: 毎年、製造される食品の 30~40% がごみ処理場に廃棄されています。食品廃棄物に関連する二酸化炭素排出量は世界の排出量の 8~10% を占めており、食料不安と過剰生産という現状があります2Coop は、Google Cloud の AI プラットフォームを活用することで、顧客の食品需要予測モデルの精度を 43% 向上させることができました。同様に、Carrefour は Google Cloud を利用して、在庫管理プログラムの効率性を改善できています。ほかにも、Cargill によって Google Cloud 上に構築されているオンライン マーケットプレイスである Reskued は、倉庫や配送センターで廃棄対象となるリスクのある食品を特定し、それを地域の事業者に回して利用してもらっています。

食品ロスと食品廃棄による経済的損失は、世界で年間 9,400 億ドルに上ります3(わかりやすいように言うと、Walmart の 2002 年の収益は 5,730 億ドルでした)。食品廃棄を解決することは、環境に役立つだけでなく、経済性の向上にもつながります。食品に関しては、サステナブルなビジネス手法こそが、効率的なビジネス手法と言えます。

3.お客様にとってよりインクルーシブな小売体験を構築する: 自分のニーズに合わせて食料品の購入体験がカスタマイズされる環境を想像してみてください。旬の商品の供給に合わせてショッピング リストに役に立つおすすめ(たとえば、冬にはマンゴーではなく梨やりんご)が追加されたり、家庭の食品廃棄を最小限に抑えるのに便利なレシピが届いたりして、それらを利用したら販売店のポイント プログラムからポイントがもらえるような環境です。

誰もが健康に良い農産物を適正な価格で購入でき、やり取りはすべて生成 AI が活用された音声生成の会話で行われる環境を想像してみてください。現在、Google Cloud はヨーロッパの大手小売業者とともにこういったソリューション構築の取り組みを進めています。

食料システムの変革

Google Cloud は、小売業者と消費者による食料システム変革のサポートに取り組んでいます。生成 AI は、サプライ チェーンの透明性の強化、食品廃棄物の軽減、消費者にとってよりインクルーシブな小売体験の構築を行うための新しいソリューションを速やかに実現します。重要なのは、食品小売業を営むうえでかつては複雑で費用がかかる技術的な一連の問題であったことを、生成 AI がアクセスしやすく、カスタマイズされ、効率性の高い方法に転換していることです。

COP28 の期間中、今後もブログを投稿していきますのでこちらをチェックしていただければ幸いです。

参照

  1. The agricultural transition: Building a sustainable future(農業の移行: サステナブルな未来の構築)、McKinsey
  2. 国際連合食糧農業機関
  3. PostHarvest

ー ストラテジック インダストリー、小売 / 食品担当ディレクター(EMEA)Prue Mackenzie

ー Google Cloud、産業部門バイス プレジデント Carrie Tharp

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