新しいクリーン エネルギー購入モデルで脱炭素化を促進
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 9 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google は、2030 年までに24 時間 365 日 CFE(カーボンフリー エネルギー)で事業を運営するという目標の達成に乗り出した際、他の企業が同じ方向を目指すのに役立つ知見や教訓を共有することをお約束しました。2021 年に 24 時間 365 日 CFE の実現に向けた詳細な手法を発表し、今年の初めには、すべての人が 24 時間 365 日 CFE を実現して電力網レベルの脱炭素化を加速するための政策立案者向けのロードマップをリリースしました。本日、CEF Manager(カーボンフリー エネルギー マネージャー)と呼ばれる新しいエネルギー トランザクション モデルについて Google の経験に基づき詳細を説明するホワイト ペーパーをリリースします。このホワイト ペーパーに記載されている分析情報が、組織の 24 時間クリーンな電力源への移行に役立つことを願っています。
Google は企業による電力購入契約(PPA)の先駆者であり、それ以降、このアプローチは企業がクリーン エネルギーを調達するための最も優れた方法となっています。ただし、PPA は複雑な手段で、さまざまな形態のリスクを伴うため、購入者が管理するのは困難な場合があります。また、PPA は基本的に、電力供給業者からクリーン エネルギーを直接購入できない場合に、これにアクセスするための回避策です。
Google は 24 時間 365 日カーボンフリー エネルギーに移行する方法を検討する中で、エネルギー サービス プロバイダに連絡を取ってソリューションについて話し合いました。24 時間 365 日カーボンフリー エネルギーを提供するプロダクトが存在しないことがわかったため、エネルギー プロバイダと協力してそのようなプロダクトを開発しました。
CFE Manager は、エネルギー購入者により CFE プロジェクトのポートフォリオを組み立てるというタスクを課されたエネルギー サービス プロバイダです。Google のようなエネルギー ユーザーが独自の PPA に署名する場合と比べて、CFE Manager モデルでは購入者のトランザクション費用が削減されます。また、PPA のリスクが、その管理に最適なエンティティ(エネルギー サービス プロバイダ)に移り、1 時間あたりの電力消費の脱炭素化が大幅に向上し、しかも競争力のある価格で実現されます。さらに、このモデルはスケーラブルなため、クリーン エネルギー プロジェクトのポートフォリオが購入者の増大する電力需要に対応できるように契約を設計できます。
このホワイト ペーパーでは、Google が最近 CFE Manager 契約に署名した、バージニア州、ドイツ、カリフォルニア州の 3 つのケーススタディを紹介し、このような契約を求める購入者が考慮すべき契約条件と問題について説明します。それぞれのケースで、Google はエネルギー サービス プロバイダと協力してカーボンフリーの電力供給を実現する既製のソリューションを作成し、他のクリーン エネルギー購入者が採用できるようにしました。これらの契約は、顧客が電力需要の完全な脱炭素化に向けて移行できるようにサポートしながら、電力網の脱炭素化を加速していく新しいエネルギー サービス モデルです。


CFE Manager モデルによるエネルギー購入では、購入者は 1 つの供給契約に署名するだけで複数の施設に対応できます。また、PPA に関連するリスクを回避できるだけでなく、カーボンフリー エネルギーのマッチングが確実に保証されます。
Google は、2030 年までに 24 時間 365 日 CFE で運用するという目標に向かって歩みを進めており、他の企業のクリーン エネルギーへの取り組みを引き続きサポートしていきます。その一環として、本日この新しいホワイト ペーパーをリリースしました。また、世界中の電力網の脱炭素化を加速する政策を提唱し、さらに最近、パートナーと協力してグローバルな 24 時間 365 日カーボンフリー エネルギー コンパクトを立ち上げました。これは、24 時間 365 日 CFE を推進するために、エネルギー購入者、エネルギー供給者、行政機関、システム運用者、ソリューション プロバイダ、投資家、その他の組織が行う一連のコミットメントとアクションです。
エンド ユーザーによる PPA の直接契約は、カーボンフリーの電力網への移行において引き続き重要な役割を果たします。とはいえ、エンド ユーザーによっては、PPA が実用的でない場合や望ましくない場合もあります。そのようなユーザーにとって、CFE Manager モデルは CFE の調達を支援し、拡大する役立つツールになるでしょう。Google は、エネルギー供給者、公共事業者、その他のクリーン エネルギー購入者と協力してこの新しいエネルギー供給モデルを大規模に展開し、すべての人を対象に 24 時間 365 日 CFE を推進していく心構えです。