Dapper Labs と Google Cloud によるデジタル オーナーシップと分散化の支援

※この投稿は米国時間 2021 年 12 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ビジネス、デベロッパー、エンドユーザーは、ブロックチェーンのアプリケーションをますます活用するようになっています。分散型テクノロジーがもたらすメリットや機会は非常に明白になってきており、真のデジタル オーナーシップと、透明性と信頼性があり、検証可能であるトランザクションを利用したデジタル商品の新興市場がそれにあたります。

今現在も継続中である大量導入の中心となっているのは Flow のようなネットワーク、つまり分散化やサステナビリティを犠牲にすることなく優れたユーザー エクスペリエンスを提供する、ユーザー フレンドリーで高スループットなブロックチェーンです。Dapper Labs が最初に開発した Flow は、ユーザー数が 100 万人に到達した初のブロックチェーン アプリケーションである NBA Top Shot を有しています。さらには、NFL、LaLiga、UFC といった、より大きなコンシューマ規模のエクスペリエンスも、メインストリーム ユーザー向けとしてすでに活気づくこのエコシステムに加わっています。

これほどまでのスケーラビリティを可能にする基盤には、Flow のマルチノード アーキテクチャが使用されており、特定のノードタイプにわたって負荷のパイプラインを作成することで効率を向上させています。高い将来性を示すこのタイプのプロトコル設計で、Dapper Labs に Google Cloud をハイパースケール クラウドのパートナーとして選んでいただいたことを嬉しく思っています。Flow にやって来るメインストリーム ユーザーの新たな波に向けてパフォーマンス、信頼性、分散化を確保するために必要であったからです。

このパートナーシップを通して、Dapper Labs は Google Cloud 上で Execution ノードをデプロイし、ネットワーク全体のスピードを上げ、大規模なトラフィックの急増時にも信頼に足るパフォーマンスを確保できるように目指していきます。このステップにより、Flow のユーザーは数百万人の新規参入者がネットワークに加わったとしても、低い取引手数料と短いファイナライズまでの時間を継続して享受することができます。

加えて、Dapper Labs は、エンドユーザーが Flow 上に専用の Consensus ノードと Verification ノードを設定するためのサービスとして、Google Cloud Marketplace を選択しています。このステップがネットワークへの積極的な参加のモチベーションとなり、それが分散化全体のレベルを高めることにつながります。Google Cloud のインフラストラクチャは完全なカーボン ニュートラルで運用されていますので、このノードのホスト方法は、より簡単というだけではなくより持続可能なアプローチだと言えます。

こうしたすべての取り組みにより、Google Cloud は分散化またはサステナビリティの面で妥協を強いることなく、Flow のユーザーに対しより高次元のパフォーマンス、信頼性、セキュリティを提供します。

シームレスなスケーリングを実現する Flow とそのマルチノード アーキテクチャ

Flow は、新たなマルチノード アーキテクチャによりハイレベルなスケーラビリティと分散化を達成しています。すべてのノードにコンピューティングとコンセンサスの全作業を実行させるのではなく、ネットワークの負荷に対して複数のノードタイプにわたってパイプラインを作成することで、Collection ノードが作業をバッチに分け、Consensus ノードが作業を引き受け、Execution ノードが作業を実行し、Verification ノードが作業を確認できるようにします。

このアーキテクチャでは、各ノードタイプが特定のタスクに特化して機能するため非常に高効率となります。Execution ノードは大量のリソースを必要としますが、それを比較的少量に抑えたうえで各ブロックのコンピューティングを可能な限り素早く実行しながら、より多くの Consensus ノードと Verification ノードがブロックのシーリングや検証に誰でも参加できる状態を作ります。

まとめると、少数のネットワーク内の強力なチームが作業を行い、遥かに大量のノードが、分析および検証のためにそのすべての作業を継続的に監視するということです。このパイプラインでは、ハイレベルな分散化を維持しながら、ネットワークのあらゆる部分の効率向上を実現しています。

Google Cloud x Flow: パフォーマンスと分散化をつなぐ

Google Cloud は、Flow にもデベロッパーにも、パフォーマンスとアクセス性の両方を提供します。まず、Google Cloud が高パフォーマンスの Execution ノードを運用し、大規模に Flow のコンピューティングを実行します。次に、エンドユーザーがネットワークに参加できるようにサービスを提供します。

Execution ノードは、可能な限り迅速かつ大規模にユーザーのトランザクションを実行することに特化したノードであるため、ハイレベルなパフォーマンスが求められます。こうした高い性能が、デベロッパーによるレイテンシの低いアクセスや消費者のブロックチェーン アプリケーションの高速提供を可能にします。

加えて、ユーザーは Google Cloud Marketplace 上で提供されているソリューションを通して Flow のノードを直接、運用できるため、メイン ネットワークへのリスクを生じさせることなくテストや実験、および大きな規模でしか発生しない可能性がある問題の特定のために、Flow のさまざまなテストネットの構成を実行することが可能です。

持続可能な成長の実現

多くのビジネスは持続可能な方法での成長を念頭に置いていますが、最小限の炭素排出量での稼働とスケーリングが必要不可欠であるブロックチェーンの分野では特に関連性の強い事項です。Google Cloud は 現在、カーボン ニュートラルで、2030 年までにカーボンフリーを目指しています。ですから、デベロッパーやパートナーは、業界最高水準の地球環境に優しいクラウドで Flow のネットワークを操作することが可能です。

Google Cloud のインフラストラクチャとサービスが、Flow による何十億ものユーザーに対する安全かつ信頼できるスケーリングの実現を可能にします。これが実現すると、Google Cloud によって、データ、アプリケーション、ゲームだけではなく NFT のようなデジタル アセットも安定性、安全性、信頼性の高いグローバルなネットワークでサポートできるようになります。