Masthead Data は Google Cloud を活用したオブザーバビリティ ソリューションでデータ信頼性を向上

※この投稿は米国時間 2023 年 1 月 13 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Masthead Data を共同設立する前、以前の役職に就いていたときに、「データを信頼できますか？」という質問を受けることがよくありましたが、このような懸念は当然のことでしょう。軽微なデータエラーでさえ、リソースの無駄、機会損失、収益減少につながる可能性があるからです。

データ オブザーバビリティ ソリューションが存在してはいるものの、その多くは費用がかかるうえスケーリングが難しくなっており、これは特にデータベース内の各テーブルのチェックが必要な場合に顕著です。多くの組織が日常的に数ペタバイトものデータを管理している現状があります。

そのうえ、いずれのソリューションも新たな法律を遵守する必要があります。Gartner によると、2024 年末までに、世界人口の 75% の所有データが最新のプライバシー規制の対象となることが予測されています。

こういったすべての要素が Masthead Data の創設につながりました。弊社は、異常をリアルタイムで検出することで、データ エンジニアやデータ アナリストが数分で根本原因の分析を実施できるようにするプラットフォームの構築に重点を置きました。これにより、データ関連のエラーがユーザーのダッシュボードに影響を及ぼすことを防止できるうえ、あらゆるレベルの経営幹部やマネージャーがデータドリブンな意思決定を自信を持って行うことができるようになります。

また、Masthead は高度なセキュリティ基準の点でも傑出しています。ソフトウェアがクライアントのデータに直接アクセスすることはありません。代わりに、ソフトウェアはメタデータとログに基づいて分析を実施します。データがクライアントの環境を離れることはありません。

これは、弊社が米国の医療に関する規制基準（HIPPA）に準拠しており、この分野でビジネスへの扉を開いていることを示しています。また、このことにより、弊社は、セキュリティとコンプライアンスがきわめて重要な、金融テクノロジーなどの他の業界においても有利なスタートを切ることができています。

スケールとセキュリティは Google Cloud の DNA

弊社で調査を行ったとき、BigQuery データ ウェアハウスを含め、Google のデータクラウドが柔軟性とスケーラビリティにおいて傑出していました。セキュリティも、弊社の決定に影響を与えた要素の一つです。弊社と同様に、Google Cloud はプライバシーとセキュリティを最優先しているので、医療やフィンテックをはじめ、弊社の対象ユーザーが含まれるその他の業界からも支持を得ています。弊社のお客様であるフィンテック企業 Tranzzo からは、厳格なプライバシー ポリシーを実現できるから Masthead を利用しており、他のソリューションではすべてデータへのアクセスが必要なため、Masthead の選択しか考えられなかったと言っていただいています。

Google for Startups クラウド プログラムにも引き付けられました。このプログラムには、Google Cloud クレジットが含まれており、利用しているすべての Google Cloud サービスのクラウド使用に充てることができるため、市場参入の際に競争力のある料金モデルを維持できます。  

また別の点として、Google のデータクラウドは、弊社の広範なテクノロジー インフラストラクチャの基礎を形成しています。この基礎は、弊社自体でホストするバックエンドと、クライアントの Google Cloud 環境でホストされる Masthead エージェントの 2 つの部分で構成されます。

前者では、Google Kubernetes Engine を活用して、バックエンド サービスのスケーリングと 24 時間 365 日の可用性を実現しています。また、Google Cloud App Engine を React JS アプリケーション実行のためのエンジンとして利用して、マイクロサービスと Firebase に対して SSL を簡単に有効にできるようにしています。さらに、Cloud SQL を、お客様のメタデータに関連する内部指標の保存に利用し、Cloud イメージを、ビルド アーティファクトを保存するためのレジストリとして利用しています。

クライアント側では、Masthead には Masthead エージェントの 2 つの異なるデプロイ オプションが用意されています。1 つ目は、Masthead エージェントをクライアントの Google Cloud にデプロイするオプションで、2 つ目は、Masthead エージェントのサービス アカウント権限を付与して、クライアントの Google Cloud から、フィルタされた BigQuery のログと指標を収集するオプションです。Google Compute Engine を使用して Masthead エージェントを実行します。Masthead エージェントでは、クライアントの Google Big Query データ ウェアハウスで生成されたメタデータとログが分析されます。

Google のデータクラウドを選んだ理由  

Google Cloud パートナーの DoiT からのサポートというメリットもありました。DoiT には、弊社のサービスと Looker との統合をサポートしてもらいました。Looker は、Google Cloud のデータ分析プラットフォームで、弊社のお客様のほぼ半数が利用しています。DoiT からは、このようなお客様との信頼関係を築くうえで、きわめて有益なサポートを得ることができました。

弊社は 100% Google Cloud の企業です。Google Cloud のデータクラウドにより、そうなることを簡単に決断できました。Google Cloud のサポートなしには、ソリューションを構築できなかったでしょう。また、データクラウドと Google for Startups クラウド プログラムを通して得られるテクノロジーとサービスがなければ、進化する手立てはありませんでした。また、Masthead Data が世界でも特に革新的な最大級のテクノロジー企業を基盤としており、Google Cloud パートナーとして認められていることも、お客様からの信頼を育める一因となっています。

何よりも、Google Cloud およびそのデータクラウドとの連携により、弊社はビジネスを迅速に成長させることができています。クライアントでモニタリングしているデータテーブル数に基づいて成功の度合いを測っていますが、その指標は 3 か月だけで 16 倍上昇しました。同時に、需要に合わせたサービスの拡大を心配する必要がないことも嬉しく思っています。インフラストラクチャのスケーラビリティからクラウド テクノロジーのセキュリティまで、弊社のテクノロジーには Google のデータクラウドが対応してくれるので、弊社はビジネスとお客様に集中できます。

Google Cloud がスタートアップをサポートする方法について、こちらのページでプログラムの詳細をご確認ください。また、こちらから更新情報の配信にご登録いただいた方には、コミュニティ活動、デジタル イベント、スペシャル オファーなどの情報をお届けします。