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スタートアップ & SMB

Google Cloud Hackathon Singapore の上位 3 チームのご紹介

2022年8月10日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 7 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。


 

Google Cloud Hackathon

2022 年 4 月 10 日、Google Cloud はシンガポールで初の Google Cloud Hackathon を開催しました。サステナビリティ、人工知能、自動化、ニューノーマルのいずれかのテーマでソリューションを構築するという課題のもと、スタートアップの各チームが革新的ソリューションの構築と受賞を目指しました。

4 月から 6 月 10 日までの間、Google Cloud はハッカソンの参加者と協力し、アイデアの検討から、プロトタイピング、最終発表まで、ソリューションの構築プロセスを通してサポートを行いました。ハッカソンには予想を超える 40 組のスタートアップ チームが参加し、5 位以内の入賞をめざして競いました。上位 5 チームは Google Asia Pacific Singapore Campus でのライブ発表イベントに招待され、スタートアップ エコシステムのエキスパートと Google APAC のテクノロジー リーダーで構成された審査団の前で発表を行いました。また、上位 3 チームは引き続き Google Cloud とスタートアップのエキスパートからメンターシップを受けられることになっています。  

上位 3 チーム

上位 3 位に選ばれたスタートアップ チームについて、詳細をご紹介します。

Empathly チーム - 3 位

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共同創立者である Timothy Liau 氏、Jamie Yau 氏、Rachel Tan 氏は、それぞれが個人的にヘイトスピーチを経験し、オンライン コミュニティでも差別を目撃したことがありました。現在利用可能なコンテンツ フィルタや手動のモデレーション ソリューションは非常に高価で、しかも対処できるのは差別的なコメントが送信された後のダメージ コントロールのみでした。差別的な行動を根源から防止したいという願いから Empathly は生まれました。

ソーシャル メディア、ゲーム、マーケットプレイス、出会い系アプリなど、ユーザー作成コンテンツを含むプラットフォームはどれも、ヘイトスピーチの影響を受けやすい状況にあります。「コンテンツ モデレーション用 Grammarly」と説明されている Empathly は、AI を適用してコンテキストから判断可能なタイプのヘイトスピーチを識別し、職場やオンライン プラットフォームにおけるより安全でインクルーシブな発言を促進します。Empathy は Cloud Run および Cloud Firestore 上に構築されています。

Empathly の行動科学に関する顧問チームのメンバーで、Yale-NUS 大学の教授であり行動研究のエキスパートの Jean Liu 博士は、技術ソリューションで必要とされる、人間の行動や社会的コンテキストの理解力について研究を行っています。Empathly チームは今後数か月をかけて、早期の利用を始めた顧客と緊密に協力し、プロダクト マーケット フィットに注力していきます。


Ambient Systems チーム - 2 位

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Ivan Damnjanović 氏が Ambient を設立したのは、企業の脱炭素化目標への取り組みをデータ サイエンスのイノベーションによって支援したいと考えてのことでした。チームのメンバーは Damnjanović 氏と、シンガポール国立大学(National University of Singapore、NUS)でコンピュータ サイエンスを研究する修士課程の学生、Frey Liu 氏です。Ambient のプラットフォームを介して企業はリアルタイムのビッグデータ分析にアクセスし、エネルギーの効率化とトレードオフの最適化を通じた実行可能な脱炭素化に活用することができます。

Ambient Systems は 2020 年、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の空気感染や垂直農業の気象状況といった、複雑な屋内空気質の問題を管理するための技術として、Ivan Damnjanović 氏がソフトウェア ベースのソリューションを提唱し設立しました。Damnjanović 氏がアグリテックの分野で取得した特許により、Ambient は NUS から $100,000 の投資を確保し、その技術の商用化をさらに推し進めています。また、「2030 年までに、国民の栄養必要量の 30% を国内で持続的に生産できるよう、シンガポールの農業食品産業の性能と生産量を確立する」という、シンガポールの「30 x 30 アジェンダ」の達成に向けても貢献しています。

Google の Firebase プラットフォームを使用することで、Ambient チームは完全に機能するプロトタイプを短期間に構築でき、投資家やユーザーからの注目を集めました。


Pomona チーム - 最優秀賞

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厳しい気象状況が原因で農業生産高の減少が続く中、各国は効率的な農業と持続可能な生活様式により食糧安全保障を強化する必要に迫られています。しかし、運用コストの高さと周期的景気変動のリスクが、垂直農法の拡大を妨げています。

Pomona チームはシンガポール経営大学(Singapore Management University / SMU)でコンピュータ サイエンスを専攻する学生起業家、Pang Jun Rong 氏、Yuen Kah May 氏、Teo Keng Swee 氏、Nicole Lim Jia Yi 氏、Tan Jie En 氏で構成されています。彼らは大学の持続可能性とテクノロジーの取り組みをきっかけに、Pomona を構築しました。Pomona は商業的農業のライフサイクルにおける野菜の所有権を通じ、食糧安全保障を一般の人々にとってより身近なものにすることを目的としたソリューション セットです。

Pomona は、ゲーム性のある分散型金融の農業プラットフォームを特徴とし、垂直農業の共同所有権を促進します。これにより、生産者と消費者の間で利益の共有が可能になり、運用リスクに対する予防策にもなっています。これは Google Cloud を使用した、ハイブリッドの分散型マイクロサービス クラウド アーキテクチャを通じて行われます。デジタル トークン「dVeg」用のブロックチェーン技術と、IoT 統合を活用したゲーミフィケーション向けの従来のフルスタック コンポーネントを使用し、リアルタイムのインタラクティブな成長追跡機能を提供することで、ライフサイクルのトレーサビリティを実現しています。

最後に

ご参加くださったチームの皆様、特に Empathy、Ambient Systems、Pomona の皆様にお祝い申し上げます。今後もさらにスタートアップ向けのイベントを開催していきたいと思います。


- Google Cloud ハッカソン チーム
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