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リテール

多国籍な日用品ブランドが Lytics と Google Cloud を使用して 90 日間で価値実現に至った方法

2023年1月24日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 1 月 13 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 新年を迎え、全米小売業協会(NRF)のビッグショーを控える今、Google の小売業エコシステムのパートナーに依頼し、激変するこの時代に小売業者の変革をどのように支援しているのか、その事例、ベスト プラクティス、ヒントやコツを共有してもらいました。Google のパートナーから提供された情報にぜひご注目ください。


あらゆるブランドが、熱心な顧客と信頼できるデータを原動力にして比類ない成長を遂げることを目指しています。CEO の誰もが、業界やマーケットのリーダーでありたいと主張するでしょう。成長が拡大し、ブランド、地域、マーケット シェアが増えると、手に負えないほど複雑性が高まり、ソフトウェアの肥大化に行き着きます。企業には平均して 900 以上のアプリケーション(その多くはレガシーツール)がありますが、顧客データを取得、統一、活用するための顧客データ プラットフォーム(CDP)と統合されているのはそのうちわずか 28% にすぎません。これでは、多くの貴重な情報を取りこぼしてしまいます。

エンタープライズ ビジネスとして、データサイロの増殖や、収集データに一貫して対応できない状況が生じると、必然的に変革が起こります。

ある大手日用品企業もこの状況に陥っていました。この企業は、日用品の分野で何年も他の追随をほぼ許さないほどの成功を収めた後、Google Cloud と Lytics の利用を開始しました。Lytics は、顧客データの収集と統一、実用的なインサイトの抽出、顧客データの活用による ROI の向上を目的とした次世代の顧客データ プラットフォームです。このブランドは、データ インフラストラクチャを変革し、すべてのブランドと地域にわたって戦略を推進するためのグローバルなセンター オブ エクセレンスを確立することを望んでいました。そのために、最小限の開発作業で、一元化された顧客情報を提供し、そこから顧客体験をパーソナライズしてサービスや顧客サポートをカスタマイズすることができる、柔軟な CDP ソリューションを導入したいと考えていました。しかし、この投資は単に CDP ソリューションを立ち上げて運用するだけではなく、真のデータ中心、顧客中心の企業へと組織全体を進化させるために CDP とそのデータの力を利用することを目的としていました。   

「妥協なき変革」を目指すため、この大手 CPG 企業は Lytics と Google Cloud から協力を得て、企業が直面する以下の 3 つの広範な課題に取り組みました。

  • あらゆるブランド タッチポイントにおけるエンゲージメントを完全に可視化すること。

  • 顧客の維持とロイヤルティを常に重視すること。

  • 開発リソースに負担をかけることなく、新たな市場や新たな機会がある分野へ参入すること。

これらを実現するには、ブランド、チーム、チャネル間のサイロを取り払うことから始める必要がありました。しかし、初期段階からいくつかの障壁がありました。

このブランドでは、クラウド データ ウェアハウス、コンテンツ管理システム(CMS)、顧客管理(CRM)システム、メール サービス プロバイダ(ESP)など、複数のツールを活用しており、それぞれで独自の顧客プロファイルを使用していました。その結果、各ツールの運用を担当するマーケティング チームが、顧客へのメッセージ配信で連携が取れない状況になっていました。

このため、メッセージの重複や送信頻度の上限超過が発生し、ビジネス ユーザーとマーケティング ユーザーの両方がサイロ化し、断片化した限定的な消費者データに直面することになりました。また、サイロ化したデータが原因で、サポートのカスタマイズ、アドホック分析の作成、エクスペリエンスのパーソナライズ、最適な消費者体験の提供が難しくなり、現実的ではないこともよくありました。

最大の操業地区において、この企業はすでに複雑なセンター オブ エクセレンスを構築していました。この操業地区は、この企業が抱える、世界的に見ても最も包括的で異種混交なデータサイロを代表するものでもありました。この複雑さは、国外とのやりとりにより指数関数的に増していきました。

多くの多国籍企業では、地域ごとに異なるブランドをサポートするために、システム、プロセス、データ形式などを個別にセットアップしています。しかし、その地域が特に収益性の高い地域でもある場合、個々の地域内でそうした要素がよりシームレスに連携していることがよくあります。このブランドのチームを調整し、各地域のハブをより効果的に機能させて、各地域に固有のパターンに適応してそれを活用するには、グローバルなセンター オブ エクセレンスを確立する必要がありました。

この大手日用品企業は、Google Cloud と Lytics の協力を得て、追加の開発作業を最小限に抑えながら、全地域に展開できるスケーラブルなインフラストラクチャを設計しました。

Lytics CDP と Google BigQuery を導入することで、同社が長年抱えていたスケーラビリティ、データ管理、パーソナライゼーションの問題は一気に解消されました。このソリューションにより、以下のことが実現しました。

  1. プラットフォームを簡単にスケールできるようにするための、システム間のデータの利用やアクセスの効率化。

  2. Cookie の終了に先立ち、統一 / 単一化された消費者データを作成するために不可欠なデータの識別と移動に関するこれまでにないレベルの制御。

  3. 顧客データ インフラストラクチャ(CDI)ソリューションである Lytics Cloud Connect によるデータのクレンジング、標準化、検証、ハウスホールディング(ID 解決を含む)。

  4. データ活用ツールの Lytics Decision Engine によるセグメンテーション、分析、有効活用(動的パーソナライゼーション、類似モデリングを含む)。

  5. 統一されたデータを簡単につなぎ合わせて完全な顧客データを確認できるリッチ プロファイルを作成し、チャネルをまたいだターゲティングの最適化、カスタマー ジャーニー全体のリアルタイムでのサポート、既存購入者へのクロスセルに重点を置いた結果分析を実行できる能力。

BigQuery と組み合わせることで、統一された顧客プロファイル、行動とコンテンツのアフィニティ、予測オーディエンス、カスタマー ジャーニーのオーケストレーション、AI と ML の分析情報を活用したマーケティングの最適化により、Lytics で顧客データの力を引き出すことが可能になりました。

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このブランドが検討したすべての CDP ソリューションのなかで、Lytics は最も包括的なグローバル UI 言語に対応したプラットフォームでした。評判を維持する必要がある成長中の多国籍企業にとって、これは欠かせない機能です。

Lytics と Google Cloud とのパートナーシップを選ぶことで、同ブランドはスケーラビリティ、高可用性、データ保護、セキュリティ コンプライアンス、パフォーマンスのために設計されたソリューションを強固な軸としたグローバルなセンター オブ エクセレンスを構築し、90 日間で投資の価値実現を達成することができました。

Google Cloud Marketplace で、ぜひ Lytics CDP の詳細をご覧ください。

- Lytics、社長 Jascha Kaykas-Wolff 氏
- Google Cloud、戦略 ISV リード Matt Carmody

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