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Public Sector

州および地方政府の技術革新に向けた綱渡り: COVID-19 の影響と今後の展望のバランスを模索

2021年6月14日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 5 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

州および地方政府(SLG)機関は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関連する予算外の支出が増える中、失業や廃業により税収が減少するという苦境に立っています。どう見ても状況は深刻です。SLG 機関がどのように対処しているかを把握するために、Google Cloud は MeriTalk と共同で 200 人の SLG の IT マネージャーとプログラム マネージャーを対象にアンケート調査を行い、SLG の技術革新の傾向を明らかにしました。当然のことながら、SLG 組織の約 84% は、現在進行中のパンデミックが生み出した資金不足を埋めるために予算のやりくりを行っていると報告しています。

そのような中、調査者は明るい兆しも見出しています。パンデミックは、州や都市のレガシー インフラストラクチャをモダナイズするきっかけにもなっているのです。アンケート回答者の大半(88%)は、所属機関がこの 1 年間に過去 10 年間よりもモダナイゼーションが大きく進んだと報告しています。

イノベーションと予算の重圧に挟まれた綱渡り

州および地方のリーダーの 89% が、今こそテクノロジーのモダナイゼーションに投資すべきときだと回答しています。しかし、パンデミックに関連する予算外の支出と税収の減少により、80% が資金不足に直面しており、イノベーションと予算のバランスを模索することが大きな課題となっています。

ただし、不可能を可能にした機関もあります。たとえば、ピッツバーグ市のイノベーションとパフォーマンス部門は、Google Cloud と連携してレガシー IT インフラストラクチャの移行とモダナイズに取り組んでいます。データセンターを廃止して Google Cloud に移行することで、ピッツバーグ市は新しいデータ分析ツールを構築してスマートシティ イニシアチブを推進し、住民により良いデジタル サービスを提供するためのまったく新しいアプリケーションを作成しました。その結果、コストを削減し、脆弱なレガシー IT 構造から脱却して未来に向けたクラウドベースのテクノロジー プラットフォームを構築することが可能になり、クラウドネイティブ ソフトウェア開発における地域のリーダーへと変革を遂げています。

Google Cloud は、認定資格トレーニングを無料で企画、提供することで、市の IT チームを支援しています。プログラムには、ライブ トレーニング セッションに加えて、オンデマンド トレーニングも含まれます。

資金不足を補う

モダナイゼーションを促進する中、多くの SLG リーダーは重要な資金源として助成金に目を向けています。調査対象者の約 84% が資金不足を補うために、運用と保守のリソースを減らす(37%)、パンデミック関連の資金への依存度を高める(31%)、従業員のリモートワークを可能にするための内部のモダナイゼーションの取り組みを遅らせる(29%)などの調整を行っていると報告しています。州が予算不足とイノベーションの必要性との間の葛藤に対処している方法の一つが、コスト削減と機能強化のために Google Cloud を採用することです。

たとえば、Google Cloud は、ウェスト バージニア州に対して、州の資金が減少しているにもかかわらず、IT セキュリティの革新と強化を支援しています。ウェスト バージニア州は、25,000 人の公務員がエンタープライズ レベルの Google Workspace 機能に完全にアクセスできるようにする複数年契約を締結し、技術の進歩の最前線に立ちながらも 1,150 万ドルのコスト削減を見込んでいます。

同様に、Google Cloud はロードアイランド州の仮想キャリア センターの構築を支援し、州民の仕事復帰に役立っています。Google Workspace 内の使い慣れた生産性向上ツールを使用して、就職希望者は新しいキャリア機会にすばやくアクセスでき、雇用主はより多くの候補者にアプローチできます。Skipper という CareerCompass RI bot でデータと機械学習を活用し、ロードアイランド州の住民が新しいキャリアパスや再教育の機会につながる可能性を広げています。

サービスの強化

また、Google Cloud は政府機関のサービス強化も支援しており、たとえば、イリノイ州と連携して困窮している住民への失業手当の給付を支援しています。イリノイ州は Contact Center AI を使用して仮想エージェントを迅速に導入し、100 万人以上の失業者が失業保険申請を迅速に提出できるようにしました。人間のような会話でやり取りできるこれらのインテリジェント エージェントを活用することで、住民は 24 時間 365 日いつでも申請でき、政府の職員は詐欺対策などのより複雑でミッション クリティカルな仕事に集中できるようになりました。2020 年夏、仮想エージェントが処理した電話やウェブからの問い合わせ数は 1 日あたり 14 万件を超え、その中の 4 万件は営業時間外の電話でした。州は、わずか 2 週間で導入されたこのソリューションにより、年間約 1 億ドルの節約を見込んでいます。

また、オハイオ州は Google と連携して、20 億ドルの不正な失業保険申請を検出しました。Google は引き続き州と協力して不正な請求を見つけ、正当な請求の処理を優先していきます。

サイバーセキュリティを重視

セキュリティ上の脅威が拡大し、サイバーセキュリティが NASCIO の 2021 年州 CIO 優先事項リストの上位にあるにもかかわらず、IT 管理者の 3 人に 1 人以上(35%)が、組織はタイムラインを早めるためにセキュリティ対策を削減していると回答しています。Google Cloud と連携することで、多くの機関がセキュリティ対策を強化しながらも、予算内でモダナイズし、リモートワーク機器のサポート、住民向けデジタル サービス、サイバーセキュリティに投資しています。

NYC Cyber Command は、都市機関と協力して、システムがきわめて安全な手法で設計、構築、運用されるようにしています。NYC3 は、Google Cloud Platform を使用したクラウド ファースト戦略を導入しました。パンデミックによって仮想環境での業務の需要が高まり、SLG におけるセキュリティとコンプライアンスの重要性が増しています。Google Cloud は公共機関のセキュリティ変革パートナーとしての役割を担い、信頼できるクラウドとなるよう尽力しています。

最後に、MeriTalk の調査において、SLG 組織は公共および民間のパートナーシップを強化するために、柔軟性とコラボレーションのためのモダナイゼーションの取り組みをサポートするベンダー パートナーが必要(46%)、テクノロジー ニーズと予算の制約のバランスを取れるようにイノベーションに焦点を当てたリーダーシップ グループが必要(41%)と語っており、クラウド コンピューティング(38%)とデータ管理 / 分析(33%)に大きな投資収益率を期待しています。

Google Cloud は、全米の SLG のお客様が、イノベーションと予算のバランスをうまく取りながらイノベーションに投資し、より回復力のある未来を構築できるよう支援していきます。詳しくは、政府および行政機関向けソリューションのページをご参照ください。


-Google Cloud 政府および行政機関とカナダの公共部門担当ディレクター Brent Mitchell

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