次世代の研究を促す Google の研究とデータ分析ソリューション
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 4 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
研究を成功させるには、科学者が過去の仕事や分析情報に基づいて研究を進められるように、研究に再現性を持たせる必要があります。その一方で、Nature 誌に掲載された論文では、発表された医薬品開発研究の 50% が、その後の臨床試験で再現できないと警告されています。その結果、医薬品の有望な候補が、重要な知見を再現できずに失望を招き、時間と予算が無駄になってしまうということがありました。
クラウド コンピューティングへの移行は、プラットフォームの枠を超えて動作するオープンソース ツールの使用を研究者に促すことで、この問題を解決へと導きます。クラウド コンピューティングの需要が高まるにつれ、お客様からは、使用しているプラットフォームにかかわらず、共同研究者による結果の再現性を保証する既製のソリューションを増やしてほしいという要望が寄せられています。お客様は、安全で効果的なコラボレーション ツールや、あらゆる種類のデータから短時間で分析情報を取得できるツールを求めていました。
Google はこういった要望に耳を傾けました。Google の新しい研究とデータ分析ソリューションには、これらの重要な課題を解決するための 3 つの機能が組み込まれています。各機能はオンデマンドでアクティベートでき、サブスクリプション価格を適用することもできます。「HPC in a box」は、クラスタを最も効果的な方法で自動的に管理することで、抽象的な複雑さに基づいてハイ パフォーマンス コンピューティング(HPC)のワークロードを実行します。これは、Slurm や PBS など、業界で多く利用されている複数のスケジューラとシームレスに統合しています。TPU や GPU など、Google の高速で高性能、かつ対象ワークロードに対して予測可能な一律料金のハードウェアを利用することで、これまで以上に大きな問題に迅速に対応できるようになります。Healthcare Innovation Hub は、医療に特化した機能を提供することで、あらゆる種類の医療データを元の形式のまま取り込み、集約し、匿名化します。さらに、クロスモダリティ分析とコラボレーションを可能にし、医療の相互運用性の問題を解決するためのハーモナイゼーション ツールを研究者に提供します。Google Cloud Real-World Insights(旧 FDA MyStudies)は、医薬品開発と臨床試験を加速して合理化し、再現性のある結果に基づいて緊急の医療課題に対処します。
このソリューションにより、研究者は待ち時間やダウンタイムなしで新しい質問をする、回答を得る、他の研究者とのコラボレーションを増やすといったことが可能です。各機関は、予算内で、より大規模なプロジェクトに着手し、あらゆるデータソースから実用的なリアルタイムの分析情報を生成できるようになります。
すでに多くの主要な研究センターは、データをダウンロードして自社のサーバーに保存するより、Google Cloud 上に保存して分析する方が、より速く、コスト効率が高いという事実を認めています。ここでは、劇的な成果を生み出している実際のプロジェクトをいくつかご紹介します。
クレムゾン大学は、8,500 時間分の交通カメラの映像を、210 万個の vCPU を用いて 3 時間で解析し、災害対策用の避難経路を改善しています。
Colorado Center for Personalized Medicine は、Compass データ ウェアハウスをオンプレミスではなく Google Cloud 上に構築することで、290 万ドルを節約しています。
Broad Institute は、Google Cloud を活用することで、ゲノム配列決定に必要なコストを 90% 削減しています。
Atos、Burwood、Omnibond、Mavenwave、Quantiphi、Deloitte などの Google のパートナー企業が、初めての設計と開発のサポートや、トレーニングを含めた独自のソリューションのインストールと導入のサポートを行います。お客様の機関のニーズを評価し、調査結果と分析情報を活用した次世代研究ソリューションのカスタマイズ プランをご希望の方は、Google の営業チームまでご連絡ください。
-Google Cloud 教育および研究担当戦略ビジネス エグゼクティブ Jesus Trujillo Gomez
-Google Cloud グローバル公共部門戦略ビジネス エグゼクティブ Alexander Titus 博士