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Public Sector

Google Cloud が BlueSky Tennessee Institute と提携し、トレーニングを学生に提供することで、人材不足のテクノロジー業界を救済

2022年11月1日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 10 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

世界中の労働者はスキルギャップの問題を抱えており、2030 年までに 10 億を超える人が影響を受けると予想されています。世界経済フォーラムは、テクノロジーの導入が増えていくことにより、2025 年までに労働者全体の 50% が新しいスキルを習得する必要に迫られると予測しています。世界中の雇用主の 69% が、人材不足と雇用の難しさを報告しています。その主な原因が、スキルギャップなのです。

BlueCross BlueShield of Tennessee(BCBST)はこうした課題に直面しており、サイバーセキュリティやコーディングに関わる人材を地元の求職者だけでまかなうことができていません。BCBST とイースト テネシー州立大学(ETSU)は、スキルギャップの問題に対処するために革新的なパートナーシップを結び、BlueSky Tennessee Institute を設立しました。BCBST の本社があるチャタヌーガを拠点とするこの画期的なコラボレーションによって、学生には、たったの 2 年間在学するだけでコンピューティングの学士号と BlueCross での職を得るチャンスが生まれます。

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Google Cloud は、人材育成のための産学連携として、このコラボレーションに参画し、BlueSky Institute の学生たちがテクノロジー分野において人材が不足している職に就くことができるようにコンテンツとメンターシップを提供しています。Google は BlueSky の学生たちに Google IT サポート認定コースを完了するための奨学金を提供し、さらに Google Cloud Skills Boost を無料で利用できるようにします。BlueSky Institute で学士号を通常より短い期間で取得できるようになることで、アメリカ全土で最も急速に成長しているテクノロジー業界におけるキャリアへの新しい道が開かれます。このプログラムは、BlueCross で切望されている人材、すなわち次世代のテクノロジー リーダーを育成するのに役立ちます。また、このプログラムでは、都市開発が十分ではないチャタヌーガにおいて、成長する見込みが高い学生を見つけて採用することに注力します。

BlueSky が最初のコホートとして 32 人の学生を迎え入れたことを機に、ETSU でサイト ディレクター兼上級講師を務める Mathew Desjardins 氏、BlueSky Tennessee でスチューデント サクセス マネージャーを務める Melissa Graham 氏、Google Cloud で Public Sector フューチャー ワークフォース リーダーを務める Katie Berlent に、このパートナーシップがどのように形成されたのかについて話を聞きました。

学生は皆「費用はいくらですか?」と尋ねますが、私は「無料です」と答えます。Google は 500 通の認定書を発行してくれました。私は、「Google の認定を取得するかどうかはあなたの自由ですが、『未来のあなた』のためになります。よりよい自分に成長するために、できる限り多くの認定を取得したほうがいいですよ」と言っています。

イースト テネシー州立大学サイト ディレクター兼上級講師、Mathew Desjardins 氏


BlueSky Tennessee Institute を設立することで、どのような問題を解決しようとしておられたのですか?

Graham: 私たちの地域では、3 年の間にたったの 50 人しかコンピュータ サイエンスの学士号を取得していないことがわかりました。私たちの最終的な目標は、毎年 50 人を BlueSky の学生として募り、入学させることです。私たちは、テクノロジー人材のスキルギャップを埋めるだけでなく、コミュニティのために初めてのことを行うにはどうすればよいか、ということを話し合いました。

Berlent: そうですね、私たちが解決しようとしている主な問題はスキルギャップです。BlueCross や他の世界中のお客様から、自社にとって一番必要なのは Google Cloud のトレーニングを受けた人材を見つけることだ、と毎日のように言われます。

この解決方法はどのように思いついたのですか?

Desjardins: 思いがけない幸運でした。BCBST は集中的な職業訓練プログラムを開発したいと思っていました。他方で、ETSU には素晴らしいコンピュータ学部があります。ETSU はすでに Google Cloud キャリア教育プログラムを使用していました。そして、BCBST もすでに別のプロジェクトで Google Cloud と協力していました。ETSU と BlueCross BlueShield にとって、そして結果的には学生たちにとって最善の方法でコラボレーションできたことをうれしく思っています。

Berlent: Google は BlueSky Institute のチームと緊密に協力して 2 年間のプランを策定しました。このプランの中で、Google Cloud は BlueSky の学生たちに Google IT サポート認定を得るための奨学金や、Google Cloud Skills BoostGoogle Cloud キャリア教育プログラムを提供することになります。さらに、Google は教室でのハンズオン学習をサポートするための Google Cloud 教育クレジットや、学生のためのメンター、BCBST でインターンとして Google プロジェクトに取り組む機会を提供します。

このプログラムを始める際に一番驚いたことは何ですか?

Graham: 初日に 32 人の学生全員が登校する姿を見て、感動するとともに驚きました。夏期の間に脱落した学生は 1 人もいませんでした。そして、学生が人生における大きな決断をしたことで、私たちを信頼してくれていることが分かり、本当にうれしく思います。このことは、間違いなくプログラムの成功であるといえます。

最も大きな効果はどこに表れると思いますか?

Graham: 一部の学生にとっては、このプログラムが学士号を取得するための唯一の道でした。費用や家族と過ごす時間を考慮して、実家を離れずに地元のコミュニティ カレッジに通うつもりの学生もいました。BlueSky Institute は、学士号を取得するための障害のいくつかを取り除くことができています。これは本当に有意義なことだと思います。また、数世代にわたる効果も非常に重要です。BlueSky Institute は都市開発が十分ではないコミュニティから学生を募っています。そのため、学士号を取得し、Google の認定を携えて自分のキャリアを開始することには数世代にわたる効果があり、そのようなコミュニティが前進する助けになります。

Desjardins: 学生は皆「費用はいくらですか?」と尋ねますが、私は「無料です」と答えます。Google は 500 通の認定書を発行してくれました。私は、「Google の認定を取得するかどうかはあなたの自由ですが、『未来のあなた』のためになります。よりよい自分に成長するために、できる限り多くの認定を取得したほうがいいですよ」と言っています。まさに Melissa が言ったとおり、無料で教育とトレーニング認定を提供できることは、本当に素晴らしいことです。私も、これまでのキャリアの中で最も有意義なことだと感じています。

Berlent: 長期的かつ手厚いサポートによって学生の成果は極めて大きく変わってくることが研究で明らかになっています。このパートナーシップには、学生たちが職を得るという最終目標を達成するのに必要なすべての要素がそろっているので、Google にとっても非常に刺激的なものになっています。BlueSky Institute の学生たちは、学位に加えて業界標準の認定を取得して卒業することになります。この組み合わせは強力で、今も将来も人材不足が見込まれる職に就くのに役立ちます。

今後 5 年間、または 10 年間において、このプログラムで達成したいことは何ですか?

Desjardins: 5 年後に、このプログラムがアメリカ全土で採用されるモデルになっていることを望んでいます。教育やテクノロジーの分野に限らず、他の企業にもこのモデルを採用してもらいたいと思っています。

Graham: 私たちの最大の目標は、学生たちの成功です。BlueSky Institute は、卒業率 100% という高い目標を掲げています。これは実に大胆で刺激的な目標です。そして、学生たちが就職先として BlueCross BlueShield of Tennessee を選び、長期的な関係を築けることも期待しています。そして、私も Matt と同じように、中等教育以降の教育や、労働力を改善するための企業と大学等のパートナーシップに関して、BlueSky Institute が新しい方法を提案していけたらいいと考えています。

Berlent: 短期的には、Google のコンテンツが学生の成功を手助けし、後押しすることを期待しています。長期的には、もっと多くの BCBST のような雇用主、Google のような業界パートナー、ETSU のような教育機関のパートナーが力を合わせて学生たちをサポートし、将来も人材不足が見込まれる職に就くためのトレーニングを提供するようになることを心から願っています。特に、このようなコンテンツをほとんど利用できない、恵まれない状況にいる学生たちのサポートを願っています。また、このモデルが何度も再現されることを期待しています。

Google Cloud は、オハイオ州からアジア太平洋地域に至るまでの国家組織や地方組織の取り組みを継続的に支援し、需要の高いクラウドのスキルを各地の人材に身に着けさせています。

詳しい情報や BlueSky Tennessee Institute への応募については、ここをクリックしてください。Google による労働力開発の取り組みに関する詳しい情報は、Grow with GoogleGoogle Cloud Skills Boost教職員向け Google Cloud プログラムをご覧ください。


- 米国州政府、地方行政機関および教育機関担当マネージング ディレクター Brent Mitchell
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