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Public Sector

Google Cloud と NSF が マイノリティ受入大学での研究への援助を継続

2022年1月11日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 12 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Google Cloud は、アメリカ国立科学財団(NSF)Computer and Information Science and Engineering Minority-Serving Institutions Research Expansion(CISE-MSI)プログラムを 2 年目もサポートすることを決定しました。最初の受益者たちが羽ばたいていく中、マッチング Google Cloud リサーチ クレジットをマイノリティ受入大学(MSI)の研究責任者(PI)へ再び提供して、援助を拡大します。MSI は、歴史的黒人大学、ヒスパニック系学生受入大学、部族大学を含み、科学、エンジニアリング、テクノロジー分野における次世代のイノベーションの促進で重要な役割を担っています。

CISE-MSI プログラムは、10~17 件の援助、合計金額にして最大 700 万ドルを毎年提供し、MSI の研究能力を拡大します。研究分野には、次のような主要 CISE プログラムが対象とする分野と、いくつかの学際的分野が含まれます。

  • CISE Community Research Infrastructure(CCRI)

  • Smart Health and Biomedical Research in the Era of Artificial Intelligence and Advanced Data Science(SCH)

  • Cyber-Physical Systems(CPS)

  • Secure and Trustworthy Cyberspace(SaTC)

  • Smart and Connected Communities(S&CC)

また、Google Cloud は、CISE-MSI プログラムの援助対象者に、複数のライブ クラスルーム トレーニング コースも提供する予定です。このコースでは、クラウドの基礎、クラウドのビッグデータと機械学習機能、そして学生へのクラウド コンピューティングの教育などを扱います。

プログラムの進展について Alice Kamens(Google Cloud の高等教育機関担当戦略的プロジェクトおよびプログラム マネージャー)と、Fay Cobb Payton 博士(NSF の CISE 局のプログラム ディレクター)にお話を伺い、最新状況について説明していただきました。

プログラムは今どのような状況ですか?

Payton: 9 月に、25 のプロジェクトに対して 36 の援助を発表しました。その一部が異なる大学間の共同研究です。そして、これらのプロジェクトのうち 4 つは、AI、サイバー システム、ディープ ラーニング、データ サイエンス、分散フレームワーク、ワイヤレス ネットワークのような、CISE 主要分野における研究に Google Cloud を活用するというものです。この共同研究は、研究責任者への支援が向上するとともに、費用も軽減します。研究責任者は、Google Cloud クレジットと、CloudBank のようなリソース、そして研究者と学生へのトレーニングが利用できるようになります。

第 1 回の応募サイクルでは、これまでどのようなことがわかりましたか?

Kamens: たくさんの研究責任者が Google Cloud 応募ガイダンスがあることを喜んでいることがわかりました。クラウド費用の計算や技術面でのニーズの説明に役立っているようです。最初のレビュー プロセス中は、クラウド リソースによって対応可能なニーズを特定するため、NSF プログラム責任者が応募者に改めて聞き取りを行いました。クラウド リソースをリクエストする機会が研究責任者に与えられたことで、高いレベルでクラウドが導入されました。これは、研究責任者の研究提案にメリットをもたらしましたし、今後の研究にもメリットをもたらすでしょう。

Payton: 研究責任者はとても忙しくて、帯域幅の管理に悩まされています。これらの研究提案は、そのような彼らにとって大変な作業です。今年は NSF サイクルの初期にエントリへの呼びかけが行われたため、研究者は早く情報を得ることができ、準備時間も長くなりました。また、働きかけも強化しました。たとえば、Google Cloud Government & Education Summit 中に私の参加した Grant Writing Panel(援助申請記入解説)などです。

次回の応募者に対して、何かアドバイスはありますか?

Payton: 援助を得られない応募者は、NSF プログラム責任者に会ってフィードバックをもらい、決定の理由を確認することをおすすめします。そして、もう一度応募してください。これは、学術誌や会議での発表のレビュー プロセスのようなものです。迅速に修正して、再提出をしてください。また、米国工学教育協会とのワークショップで NSF にお問い合わせいただくことも可能です。CISE は長期的な影響を目指しており、研究者との関係を構築したいと思っています。

今年、資金援助したプロジェクトについて教えてください。

Payton: カリフォルニア州立工科大学ポモナ校のチームは、ビッグデータとクラウド コンピューティングのスキルを持つ、国レベルでの労働力パイプラインの構築に取り組んでいます。モーガン州立大学のチームは、医療用画像と臨床的判断の支援に取り組んでいます。テキサス A&M 大学サンアントニオ校のチームは、交通システムのスマート モビリティ ネットワークに取り組んでいます。ニューヨーク市立大学のボロー オブ マンハッタン コミュニティ カレッジのチームは、視覚障害者のためのバーチャル盲導犬を開発しています。これらは、今年資金援助した幅広いプロジェクトのほんの一部ですが、すべてのプロジェクトがそれぞれの分野で重要な研究を行っており、また、将来の研究の種まきもしています。

この NSF CISE と Google Cloud の協力で、これまでどのような結果が得られましたか?

Kamens: 研究責任者の取り組みを支援できることを嬉しく思っていると同時に、NSF との密接な協力のもとで、研究コミュニティに貢献できる場が得られて光栄です。NSF と Google Cloud の双方が、研究責任者への支援拡大に尽力しています。2 年目の目標は、研究者がもっと応募しやすいように応募プロセスを改善して反復することです。また、1 年目の成功を十分に生かすことです。

Payton: 協力がうまく行っていると思います。内部での分析によれば、他の同等の CISE プログラムと比較して、MSI の参加率が高くなっています。これがクラウドでの研究の活用を向上させるモデルとなればと思います。

NSF のより大きな使命に、このプログラムはどのように貢献すると思いますか?Google Cloud はいかがでしょうか?

Kamens: Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。研究者がクラウド コンピューティングに等しくアクセスできることは、研究に必要な情報にアクセスして使用できる研究者が増えるということを意味します。つまり、このパートナーシップは、我々のより大きな使命と直接合致しています。

Payton: NSF は、国レベルの研究の取り組みを主導し、MSI に協力したいと考えています。このようなプログラムは、研究の将来の形成に役立ちます。また、準備能力と研究能力を育成できます。高等教育機関で教授法や研究の実施方法が進化を続ける中、クラウドは、すべての人々がアクセスできなくてはならない重要なリソースです。我々は、研究者に、研究結果を支えるためのあらゆるリソースを提供する必要があります。これは、現在私たちが知る世界のあり方を潜在的に変える可能性があります。

資金援助の機会の詳細については、NSF の Computer and Information Science and Engineering Minority-Serving Institutions Research Expansion プログラム請願をご覧のうえ、2022 年 2 月 11 日までにご応募ください。研究提案への Google Cloud クレジット追加のガイドラインは、この Dear Colleague レターでご覧いただけます。

応募の成功のために、Google Cloud Government & Education Summit での資金援助応募ワークショップの記録と、米国工学教育協会による応募者向けの研究案作成ワークショップの記録をご参照ください。クラウド コンピューティングの費用を見積もるには、CloudBank のリソースページをご覧ください。

Google Cloud リサーチ クレジットに応募してプロジェクトへのシードファンドを得るには、応募フォームをご確認ください。

免責事項: このブログ投稿で NSF を取り上げているのは、あくまでも資金援助の機会に関する情報を提供するためです。Google が同機関、またはその製品やサービスを推奨しているわけではありません。


- Google Cloud 教育担当戦略およびオペレーション リーダー Katie Berlent
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