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Public Sector

データのカオスからデータドリブンへ: EdTech で教育の未来を変えるために専任データチームができること

2022年2月10日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 1 月 31 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

教育データを活用すれば、戦略の調整に必要な情報を得て、教育と学習の両方を強化し、顧客のニーズを的確に把握できます。しかし、データを有効活用できるかどうかは、組織がデータにアクセスして分析し、対処する能力にかかっています。強力なデータ ウェアハウス管理ポリシーを定めている教育テクノロジー(EdTech)企業であれば、教育データをあらゆるレベルで最大限に活用できるよう支援できます。

データチームを作る

EdTech に専任のデータチームがない場合、データベースのメンテナンスが不十分、データを見つけにくい、重要なセキュリティ機能が不足、顧客固有の要件に応えられないといった状況になる可能性があります。専任のデータチームがあれば、このような状況になるのを防ぎ、組織のデータニーズに適切に対応できます。データチームの成熟度と、組織によるデータ活用の成功の度合いには相関関係があります。チーム、展望、結果という 3 つの主な要素を検討すると、組織の成熟度を的確に把握できます。Looker の Analytical Maturity ハンドブックのこちらのマトリックスを使用して、所属組織のデータチームの成熟度をチェックしてみてください。皆様が目指しているのは、業務をデータのカオスからデータドリブンへと移行させることかと思います。しかし、どうすればそれを実現できるでしょうか?組織のデータから引き出したインテリジェンスは、資産であり、商品でもあると考えてみてください。ビジネス インテリジェンスは提供するサービスと同様に重要な商品であるとデータチームが認識することが、データドリブンな企業として成功するための第一歩となります。成熟したデータ企業では以下を実施しています。

  • 機能性の定期的な報告

  • 既存システムの潜在的改善点の継続的な評価

  • 社員へのコンテンツ展開の管理

Redivis: データのアクセス、接続、セキュリティ保護を実現

Redivis は、学術研究者をエデュケーション インテリジェンスを把握するためのデータとツールにつなげるためのプラットフォームです。同社の顧客である研究者からは、研究に必要な新しいデータセットを見つけるのは難しいと言われていました。データセットを見つけても、それが研究に役立つかどうかを判断する前に、まずデータにアクセスして処理しなければならないこともよくありました。また、Redivis のデータ管理者には、データ セキュリティに関する懸念もありました。Redivis は、同社のプラットフォームを Google Cloudセキュリティ インフラストラクチャ上に構築して、スケーラビリティに優れたデータ処理環境を実現しました。

同社はデータセットへの透過的な階層型アクセス システムを開発し、研究者がデータセットのドキュメントへの個別アクセスを申請して、活用可能なデータセットかどうかを判断できるようにしました。また、詳細な監査ログ(Google Cloud Logging がサポート)やアプリケーション レベルの堅牢なセキュリティ管理により、データへのアクセス制御を強化しました。同社は研究者がより多くの分析情報を得られるようにするため、研究者の非公開データセットを BigQuery でホストされている公開データセットと安全に接続しました。これにより研究者は、数十億件のレコードを数時間ではなく数秒でクエリできるようになりました。

データチームを配備したら、次はデータを保存して整理する場所の可視化を行います。データは資産ですから、適切に収集し、運用できるようにして保存するために労力をかける必要があります。Google Cloud 戦略ビジネス エグゼクティブの Jesus Trujillo Gomez は、「データの集約、ハーモナイゼーション、処理が不適切だと、必要なときにチームがデータドリブンな意思決定を適切に行えない」としています。こちらのマトリックスを使用すると、自社のウェアハウスの成熟度を判断し、所属組織がスペクトラムのどこに属しているのかを特定できます(上は成熟度が低く、下に行くほど成熟度が高くなります)。企業のデータ ウェアハウスは、テクノロジー、パイプライン、品質、パフォーマンスの 4 つの分野で評価できます。こちらの推奨される手順を実施して、所属している EdTech 企業を大規模データ企業へと一歩近づけましょう。

Classcraft: データドリブンなアプローチで学習を楽しいものに

2014 年に創設された学習支援企業の Classcraft は、授業を再定義し、ゲーム化により優れた学習環境を実現しています。このミッションをサポートするため、同社チームは生徒を授業に夢中にさせる新たな方法を見つけるためにデータ分析を活用する、包括的なデータ プラットフォームを開発しました。高まる需要に対応するため、Classcraft は Google for Education の Build パートナーになりました。同社サービスの利用規模は、165 か国の 600 万人の生徒や教師にまで拡大しています。

また、同社は Google Cloud に移行して、Google Workspace for EducationGoogle ClassroomChrome for Education とのいくつかの統合を基盤にしました。これにより、個々の教師から学区全体に至るまで、幅広い顧客に対応できるようになりました。Classcraft は、データベースと分析インフラストラクチャを BigQueryCloud Storage に移行しました。最高技術責任者兼プロダクト部門バイス プレジデントの Stéphane Guillemette 氏は次のように語っています。「毎月、学校文化や生徒のパフォーマンスに関する新しいデータポイントを約 1 千万件キャプチャしています。BigQuery などの Google Cloud のツールを使えば、価値の高い分析情報を教育者の皆様に迅速にお届けできます。」


- Google Cloud、EdTech マーケティング担当責任者 Fernando Cruz
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