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NCR と Google Cloud、食料品店の小売エクスペリエンスの迅速な変革を支援

2021年6月24日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

近年、食料品店業界では、よりさまざまな決済のプロセスをお客様に迅速に提供できるように対応を迫られてきました。これは、モバイル ショッピング、オンライン ショッピング、店舗での決済、セルフレジや、それらを組み合わせた Buy Online、Pickup in Store(BOPIS)など、より豊富なトランザクションの組み合わせを確保することを意味します。  

またこの 1 年半に限っても、食料品店はお客様が必需品を購入する新しい方法を提供しなければなりませんでした。これには、オンデマンド配達アプリの迅速な統合や構築、ほぼ即時のフルフィルメントによる店頭受け取りサービス、タッチレスやキャッシュレス決済のサポートなどの必要性が含まれています。Google マップの検索では、店舗受け取りのオプションがある米国内の小売店は 2020 年 3 月以降 9,000% 増加しており、Google はこの 2020 年からの傾向が、今後も食料品購入の未来を定義していくと考えています。

今後の食料品店に必要なアジリティとオープン性

まず、ニューノーマルでは、お客様の習慣の変化に迅速に対応する必要性が生じます。食料品店は、オムニチャネル エクスペリエンスを可能な限り迅速に提供、拡大するために、従来の小売システムをデジタル化し、販売時点情報管理(POS)プラットフォームをモダナイズしようとする傾向が強まっています。そのためには、マイクロサービスで構築され、API を活用することで新しいアプリケーションや体験の構築、統合、提供を迅速に行うことができる、テクノロジーに対してよりアジャイルでオープンなアプローチのアーキテクチャが必要とされます。

自動化とデータドリブン型の小売が一般的に

小売業者が店舗で提供する商品とデジタル エクスペリエンスをより効率的に融合させるには、さらなる自動化も必要になります。たとえば、自動化とビジネス インテリジェンスにより、食料品店は入札オペレーションや決済に取られていた労働力を、陳列補充、店頭受け取り、カスタマー エクスペリエンスの向上などに配分し直すことができます。

自動化と、店舗内在庫およびサプライ チェーン データへのリアルタイムのアクセスは、食料品店が COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の初期に見られたサプライ チェーンの課題を回避するのにも役立ちます。食料品店は自動化を活用して、実店舗ネットワーク、デジタル チャネル、物流センターからのデータの取り込み、整理、分析を行うことで、需要を高い精度で予測し、将来の変動を管理する方法を見つける必要があります。

NCR と Google Cloud が食料品店のオペレーションのアジリティを高め、混乱への対応をサポートする手法

NCR は Google Cloud と連携して、お客様の購買習慣の変化に対応し、混乱の時代に成功を収められるように、食料品店のオペレーションのアジリティ向上をサポートしています。NCR は、レジを発明して以来、小売業界で 135 年以上の実績があり、食料品店のイノベーションを支援し続けています。NCR Emerald は POS ソフトウェアにおける同社のリーダーシップを基盤に、食料品店のフロント オフィスからバックオフィスまで、店舗全体を運用できる統合プラットフォームを構築しました。このソリューションは、レジ係が行う決済、セルフレジ、統合型の支払い、マーチャンダイジングをサポートし、地域マネージャーや企業の従業員向けに、ポイント プログラムやプロモーションを最適化するために必要な分析やツールを提供します。

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NCR は、包括的でアジャイルな API 主導の小売アーキテクチャに投資してきました。これにより、食料品店はお客様や業界の進化に合わせてイノベーションを継続し、新しいエクスペリエンスを設計できます。Emerald を Google Cloud 上で稼働させることで、NCR はサブスクリプション ベースでソリューションを提供できるため、食料品店の初期の設備投資の軽減とスケーラビリティの確保が可能になります。さらに、NCR は Google Cloud の強みであるデータ、分析、オープン性を活用して、3 つの重要な必須項目を提供できます。以下にそれぞれの内容を示します。

Google Cloud をロジックの単一のソースとして活用した食料品店経営をサポート

従来、POS システムは店舗に設置されていました。災害が発生しても、人々が必要とする食料や必需品を提供するため、食料品店は営業を続けなければなりません。これほどミッション クリティカルなことはありません。NCR Emerald はマイクロサービスを基盤に、フロント オフィスのコンピューティング向け Kubernetes と VM を活用しています(下の図 1 を参照)。これにより、あらゆるモバイル デバイス、コンピュータ端末、セルフサービス式のキオスク、レシート プリンタなどの周辺機器、および従来のアプリケーションを介して店舗の従業員がアクセスする軽量クライアントを容易にサポートできます。

ユニークな点は、Emerald が Google Cloud 上で動作しているため、前述のあらゆる店舗内タッチポイントとデジタル タッチポイントがサポートされるだけでなく、効率的な食料品店の運営が可能になることです。Emerald は Google Cloud を唯一の情報源として活用し、ロジック外で行われる多くのことを実行します。e コマースを含むあらゆるチャネルからのすべての販売トランザクションは、NCR の Hosted Service を介してログに記録され、トランザクション データマスターとして BigQueryBigtable に一元化されます。これにより食料品店は、ある店舗で購入して別の店舗で返品するお客様のサポート、デジタル レシートの提供、オンライン購入の商品を店舗で交換する機能など、あらゆるトランザクションのユースケースを一貫して管理できます。Google Cloud 上の Emerald は、小売業者がクラウドの力を利用して機能を拡張するのに役立ちますが、クラウドだけに依存する必要はありません。つまりこのソリューションにより、食料品店はニーズに最適な経営が可能になります。

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食料品店のデータドリブンかつリアルタイムな意思決定を可能に

店長、地域マネージャー、カテゴリ マネージャーなど、それぞれが自身の仕事を効果的に行うために必要なデータの切り口は異なります。しかしデータサイロは存続しており、データの形式や配置の方法はまったくといっていいほど変わっていません。そのため、さまざまな役割を持つユーザーが、データを素早く、さまざまな方法で表示して分析できるようにすることが引き続き課題となっています。

前述のとおり、Emerald は Google Cloud のデータ管理ソリューションを、トランザクション、行動、マーチャンダイジングのデータの中央リポジトリとして活用します。すべての店舗、すべてのチャネルからのあらゆるトランザクションを、NCR Hosted Service を介して BigQuery と Bigtable に保存できます。その後、NCR Analytics が Looker の高度な分析とデータの可視化機能を活用して、食料品店がすべてのチャネルの業務を統合的に把握し、従業員が必要に応じてデータをさらに詳しく分析することができるようにします。また NCR Analytics は、Google Cloud AI と機械学習の力を活用して、小売業者のデータに新たなレベルのインテリジェンスを追加します。たとえば店長は、不動産をどれだけ有効に活用しているかを可視化し、1~3 番のレジ通路と 7~10 番のレジ通路の生産性を比較したり、セルフレジと有人レジを比較したりできます。また、小売業者の所有するカタログにマッピングすることで、カテゴリレベルのパフォーマンスやトレンドを分析することができます。

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NCR Analytics は、スケーリングやリソース管理を迅速に行いつつ、Google Cloud のデータ パイプラインを活用して処理時間を短縮できます。クラウドにデータの保存と処理を任せることで、NCR は小売業者がすべてのプラットフォームでほぼリアルタイムにデータを分析できる機能を提供しています。これは食料品ビジネスにおける真のゲームチェンジャーと言えるでしょう。

食料品店が継続的に小売エクスペリエンスを強化できるオープン API

Emerald は Apigee で管理される API ファーストのアーキテクチャで構築されています。オープン API プラットフォームとしての Apigee の力を利用して、Emerald がポイント プログラムやプロモーションなどの他の NCR アプリケーションや、モバイル注文や注文デリバリーなどのサードパーティ アプリケーションと連携する方法を公開することで、従業員とお客様の食料品購入エクスペリエンスを強化します。Emerald が使用しているすべての API は Apigee 上で利用可能なため、デベロッパーは共通のコードサンプルを利用してスクリプトを実行できます。このアプローチにより、小売業者はわずかな時間と費用でイノベーションを実現し、初期段階およびビジネスの成長に合わせてサードパーティとの統合にかかる時間を短縮することができます。

たとえば、カリフォルニア州で 40 店舗を展開する Northgate Market は、Emerald を使用してデジタル オペレーションを変革し、競合他社との差別化を図るエクスペリエンスを迅速かつシンプルに実現しています。最初の店舗では、契約から本番環境のデプロイまで半年もかかりませんでした。それ以来、Northgate Market は Looker と NCR Analytics の力を活用することで、インテリジェンスを拡張しています。

NCR がオープンでクラウド対応のアーキテクチャを活用し、小売業、サービス業、銀行業のお客様のイノベーションをサポートした方法の詳細は、ウェブセミナー「Role of APIs in Digital Transformation」(デジタル トランスフォーメーションにおける API の役割)をご覧ください。Northgate が e コマースを利用してカスタマー エクスペリエンスを変革し、消費者インサイトを取得する方法についても詳しく知ることができます。

-NCR Retail グローバル セールス エンジニアリング担当シニア ディレクター Doug Matthews

-Google Cloud 小売業界パートナーシップ担当責任者 Chris Colyer

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