日本企業のデジタル トランスフォーメーションを支える Google Cloud の内製化支援パートナーのご紹介 <データ編>
坂井 俊介
Google Cloud 、パートナー エンジニアリング 技術本部長
2022 年 5 月に発表した内製化支援パートナー様に続き、データ分析内製化支援に特化したパートナー様をご紹介します。本稿でご紹介しました Google Cloud パートナー様がご提供するデータ利活用内製化支援サービスにご興味のある方は是非こちらのフォームから Google Cloud へお問い合わせください。
データの重要性については DX の取り組みをはじめ各社が認識している一方で、Gartner® が 2022 年 7 月に実施した日本企業におけるデータ活用の状況※1 についての調査で、自社のデータ活用で得ている成果に対する評価を尋ねたところ、「全社的に十分な成果を得ている」との回答は 2.2% にとどまり、ほとんどの企業では全社的な成果を得るまで至っていないことが明らかになりました。一方で、自社の一部も含めて「ある程度」の成果を得ていると回答した割合は、合わせて 78.8% に上りました。
各社様々な取り組みをしているにもかかわらず、データ利活用やデジタルトランスフォーメーション (DX) の成果が得られないのは、旧来のシステム改善とのギャップを埋めるのが難しいことが大きな要因の一つだと考えています。
DX(デジタル変革)と従来型のシステム改善とのギャップ
DX を進める場合は、従来型のシステム改善とは以下の点で異なるため、まずこの違いを正しく理解することが重要だと考えています。
これらの違いの認識が不十分のまま内製化への取り組みを進めてしまうと、以下のような問題が顕在化してきます。
ビジネス課題
また、データ利活用を足踏みしてしまう要因の多くは、試行運用に着手したものの、様々な壁にぶつかるうちに成功の確信が持てなくなり、スコープを拡大できなくなることにあります。
例えば以下のような壁をよく見かけます。
活用用途や対象者を広げるにつれデータも拡充しなければいけないが、データ連携の開発スピードが遅かったり、データ精度を整える運用体制が追い付かなかったりでニーズに素早く応えきれない
利用者が増えるに従い問い合わせも増えるが、暫定のサポート体制では回しきれない
データの活用を実業務へ落とし込むにはノウハウや時間が必要だが、展開にかけられるリソースは限られている
一部の利用者は高度な分析を始めたがっているが、大半が初心者なので教育プログラムが追い付かない
部署やグループ会社間で個人情報の取り扱いルールが異なり、データを共有するにはガバナンスを整備したり、セキュリティ環境を整えなければいけないが、どこから手をつければ良いのか分からない
そして、これらを全て協力会社に委託してしまうと、ビジネスノウハウの流出やコスト増といった新たな課題が発生してしまいます。
内製化の重要性
こういった背景から見えてくるのは、従来型のシステム開発の方式では限界があるということです。自社スキルの向上やデータの重要性を一人ひとりが認識し、評価等もデータに基づいて判断するカルチャーが重要です。一方で、この取り組みは一つのプロジェクトで終わるものではなく長期的な取り組みが必要になります。これらの課題を解決するにはデータ利活用内製化の取り組みを加速させ、またその取り組みに伴走できるパートナー様がより重要になります。
データ利活用内製化を成功させるための 4 ステップ
前項で記載した理由からデータ利活用で成果を出すのは容易ではありません。
そこで、これらの課題を解決しお客様のシステム開発運用のデータ利活用内製化を加速するため 4 つのサービスメニューをパートナー様と共に準備しました。
現状アセスメント : データやデータ利活用テーマの棚卸を行い、内製化に向けたボトルネックや必要施策の発見を行う。また短期で結果を出せそうなテーマに絞り、Quick Win を目指す
戦略策定支援 : アセスメントの結果を踏まえて内製化の方針を検討し、取り組みテーマの設定、具体的な施策の検討、活動計画、人員計画の作成を行う
伴走支援 : 課題解決の専門性に裏付けられた技術的な“目利き役”として伴走し、クライアントと協働体制(ワンチーム)を組成することで、自走できる組織形成の支援と分析⽂化醸成⽀援の実施を行う
システム環境整備: 施策の実行に必要となる分析基盤を構築する
データ利活用内製化支援パートナー様 ご紹介
これら 4 つの内製化ステップに適用可能な各パートナー様のサービスをご紹介いたします。(登録順)
株式会社ブレインパッド 様 (内製化支援オファリング BrainPad DAY)
日本の高度デジタル人材は、欧米等と比較すると IT 関連企業に所属する割合が高く、その他の事業会社にとっては、その人材不足が DX を推進するうえでの大きな経営課題となっています。
ブレインパッドの内製化支援オファリング「 BrainPad DAY (ディー・エー・ワイ:Let's Do Analyses Yourself )」は、企業が自社の人材やファシリティを活用し、外部の手を借りることなくデータを分析・活用することで、DX に関する各種取り組みを自走(内製化)していけるように支援するサービスです。これまでブレインパッドがクライアント企業の経営課題の解決やデータ活用・分析の支援を通じて蓄積してきた知見を結集し、必要な人材像の明確化をはじめ、データドリブン組織の組成・人材育成、データガバナンスの整備とデータ分析基盤の構築など、DX 推進企業に必要となる 6 つのオファリングモデルを通じて、データ活用・分析の内製化を伴走・支援します。
また、12 月にデータ活用内製化に関するオンラインセミナーを開催し、データ活用の内製化を全社的かつ組織的に推進するために必要なポイントをお伝えします。Google Cloud 様との対談もございます。セミナーの詳しい内容や登壇者の詳細はこちらからご覧ください。
DATUM STUDIO 株式会社 様 (人材育成研修 For Analyst / For Business User )
デジタル化が進んだ現在、経験からくる勘や外部ベンダーだけを頼りにするのではなく、全従業員のデータリテラシーの獲得が重要になっております。とはいえ、高度なデータサイエンスの知識・スキルを必ずしも全員が持つ必要はないというのが DATUM STUDIO の考えです。
そこで DATUM STUDIO では、まずはお客様組織においてのデータ利活用の目指す姿と各チームの役割を整理し方針を明確化、そして現状あるデータや業務のアセスメントを行なった上で全体の育成計画策定をご支援致します。
その後全社に向けたデータ利活用基礎研修から、分析スペシャリストに向けた各種ハンズオン研修、各部署から課題を持ち寄り行なう実際の PoC の中での OJT まで、幅広いサポートで伴走し、お客様組織のデータドリブンな文化の醸成を目指します。
ウルシステムズ株式会社様 (DDX-Method®︎)
データ利活用の成果を出すためには、不確実性をコントロールする手段とデータを使って意思決定するプロセス、専門スキルとノウハウを展開する組織が必要です。これらのノウハウを凝縮したフレームワーク「DDX-Method」を使ってお客様のデータ利活用をご支援します。ウルシステムズは、圧倒的な当事者意識でプロジェクトの成功に取り組むコンサルタントが伴走する発注側支援が強みです。自社の力でデータドリブン経営を加速させたい企業様のパートナーとして、ビジネス課題に共に取り組みます。
※CoE:Center Of Excellence
※DDX-MO:Data-driven Transformation Management Office
まずは始めてみましょう
必ずしも 4 つのサービス全てを実施する必要はありません。
何から手をつけて良いか分からないお客様は、現状のアセスメントを利用して Quick Win を目指す事をお勧めします。また、それに合わせてプラットフォームにも不安があればシステム環境整備と組み合わせ利用するとよりスムーズに分析基盤の導入が進みます。
アセスメントの結果を踏まえて内製化の方針、具体的な施策の検討、必要な人員計画の策定まで進みたいお客様は戦略策定支援をご利用下さい。
そして、データ利活用をより社内に浸透させるための伴走支援プログラムを導入し様々なスキルセットを持った方がデータを元に判断することでデータの利活用が促進します。
上記のように Google Cloud のパートナー様では、お客様の DX やデータ利活用への取り組みに際しての悩みを解決していくことで、これまで IT ソリューションを提供してきたクラウドプロバイダーという立場から、戦略的なパートナーという立場になり、お客様のビジネスの成功を支援いたします。
Jagu’e’r データ利活用分科会
データ利活用の取り組みは自社のみで成功させるのは容易ではなく、他社の成功事例を取り入れたり、活用する上での課題をお互いに共有することが成功への近道です。Google Cloud では ユーザやパートナー企業様とのコミュニケーションの場として Jagu’e’r (Japan Google Cloud Usergroup for Enterprise) データ利活用分科会があり、この中で各社の成功事例の共有や課題共有会などデータ利活用を効果的に進めるための場所も併せてご利用頂けます。
本稿でご紹介しました Google Cloud パートナー様がご提供するデータ利活用内製化支援サービスにご興味のある方は是非こちらのフォームから Google Cloud へお問い合わせください。
※1: 出典:Gartner プレスリリース "Gartner、日本企業のデータ活用に関する調査結果を発表" 2022年10月6日
https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20221006
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- Google Cloud 、パートナー エンジニアリング 技術本部長 坂井 俊介
- Google Cloud 、パートナー事業本部 パートナー デベロップメントマネージャー, データアナリティクス 小澤 真由子
- Google Cloud、 パートナー エンジニア データアナリティクススペシャリスト 梅川 真人