Cloud OnAir 番組レポート :事例紹介「Google サービスを活用した オープンハウスの AI の取り組み」
Google Cloud Japan Team
Cloud OnAir は、Google Cloud の製品をわかりやすく解説し、最新の情報などをいち早く皆様にお伝えする Online 番組です。
11 月 12 日の放送では データ分析と機械学習を活用し、業務の自動化による工数削減や、業務の効率化に取り組んでいるお客様事例を紹介します。グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 カスタマーエンジニアの 田中 宏樹が株式会社オープンハウス 情報システム部 ディスラプティブ技術推進グループのファムゴックタオ様とシニアデータサイエンティスト/上席課長 中川 帝人 様にお話を伺いました。
オープンハウスのAIの取り組み
株式会社オープンハウスは 1997 年創業の総合不動産会社です。2,500 人を超える社員を抱え、中でも営業に従事する方が多く、IT で業務を改善する余地が大きい状態でした。
同社は「AI/ML データ活用の R&D を通じオープンハウスのビジネスに貢献」をミッションとしたディスラプティブ技術推進グループを 2018 年ごろ発足しました。メンバーはオフショアラボを含めても 10 名以下の少数精鋭であり、かつ 20 代の外国人の若手が中心です。したがってメンバーの実務経験は少なく、類似の事例も少ない中、AI の導入を進めるため以下の方針を立てました。
現場に常駐してニーズを把握
MVP を早くリリースする
オフショア活用で内製
オープンソースソフトウェア(OSS)の技術の転用
失敗する可能性に目を向けるよりも、安く早く多く作ることを意識
マーケティング分析事例
最初に紹介する事例は BigQuery でデータ分析をすることで、業務改善を行なった事例です。Web 広告では多くの顧客を獲得していましたが、不動産ビジネスでは広告の反応から契約までの期間が長く、営業による変動も大きく正当な評価が困難でした。また、分析業務もマーケティング担当者が、多くの代理店からレポートを収集して統合するため時間がかかっていました。
そこで、Google スプレッドシートや、 Google Analytcs のデータを BigQuery に取り込み、スプレッドシートでレポーティングするシステムを構築しました。 Google のサービスをメインにすることで 3 か月、1.5 人月で開発、現場の運用工数を 90% 削減することができました。データウェアハウスを作り、 PDCA サイクルの高速化と、分析レベルを向上することで広告の費用対効果の改善ができました。
番組内では、画像処理を用いた類似物件の検索の事例も紹介しています。
オープンハウスの AI 導入のポイント
AI 導入のためには大量の「データ」や「アルゴリズム」、AI を実現する基盤となる「システム」、AIの適用対象となる「ビジネス」を明確にすることが必要です。しかしながら、これらを揃えることは通常は難しいため、超大手の IT 企業でない限り、データ、アルゴリズム、システムの部分はできるだけ Google に任せ、自社固有の業務に集中した方が良いと示唆します。
また AI 導入の過程で重要だったのは、 Google の複数のサービス間の連携でした。 Google Analytics と BigQuery を連携するときにもボタン一つで連携することができました。 また BIgQuery のデータを Data Portal を利用して可視化してビジネスサイドと分析することができました。このようにサービス間の連携を上手に活用することが業務の効率化にもつながっています。
番組の最後には、ビジネスでの AI 活用を成功させるポイントをまとめています。ぜひ番組をご覧ください。
番組で説明した資料はこちらで公開しています。
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