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Next Tokyo

【Next Tokyo ’23】DAY2 基調講演ハイライト。クラウドと生成 AI により開発体験が変わる!

2023年11月21日
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Google Cloud Japan Team

Next Tokyo ’23 2 日目は、生成 AI を含む新しいクラウドの使い方が、Developer experience をどのように変えていくのか?という観点で Google Cloud の アップデート について話しました。基調講演はオンデマンドで提供されているので、見逃した方はぜひこちらからご覧ください。

Google は創立 25 周年を迎え、1998 年の検索エンジン開始から、分散ファイルシステム「Colossus」、運用管理システム「Borg」、負荷分散システム「Maglev」など、多くの技術革新を経てきました。これらの歴史と経験の上に成り立っている最新の Google Cloud のテクノロジーについて紹介しました。

Modern Infrastructure Cloud における最新情報

Google Cloud は、AI に特化したインフラ、エンタープライズ向けの高度な機能、信頼性の高いスケーラブルなインフラを提供しています。これには、8 月に発表された新しい Cloud TPU v5e や 来年 6 月に東京リージョンでも利用可能となる NVIDIA 社の H100 GPU を利用可能な A3 VM 、オンプレミスや他クラウドとの接続を可能にする Cross-Cloud Network などが含まれます。また、コンテナ活用の最初の一歩として最適で簡単に使い始められる Cloud Run ではサイドカー対応が一般提供となり、マイクロサービス化されたワークロードのプラットフォームとして最適な、Google Kubernetes Engine (GKE) では GKE Enterprise edition が一般提供となり、こちらで複数のチームやクラスタをまとめて管理することができ、セキュリティの対応や、マネージドサービスの利用により、少ない運用工数でパワフルな Kubernetes のエコシステムを利用することが可能です。

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カプコンは、大阪に拠点を置くゲーム会社で、今年で創業 40 年を迎えました。これまでに「ストリートファイター」「バイオハザード」「モンスターハンター」「ロックマン」など、多くの人気ゲーム IP を生み出してきました。その中でも 2023 年 6 月に発売したばかりの「ストリートファイター6」では、世界中の人々と繋がれる「クロスプレイ」を実現する必要がありました。これには、低遅延で障害に強い Cloud Networking が実現するプラネットスケールのインフラが最適な選択肢とされました。また、ユーザーデータベースとして、Cloud Spanner は大きな役割を果たしています。世界中で数百万のプレイヤーがプレイし、リアルタイムで正確なランキングに参加するため非常に書き込みが多いというゲームならではの厳しい要件を満たしています。また、多くの機能はマイクロサービスで設計されていますが、 Google Kubernetes Engine と Anthos Service Mesh によって、世界中に配置されたクラスタが柔軟に管理され、スムーズに同期されています。

北國銀行は、お客さまにお届けするサービスの使い勝手と提供スピードにこだわって、ATM の社内開発をはじめ、銀行システムのクラウド化・内製化など、地方銀行初・銀行業界初に挑戦してきました。今回、Google Cloud を新たに採用し、マルチクラウド勘定系とアプリケーション構造の見直しに取り組んでいます。Google Cloud を選定した理由として、安定性、コンテナ技術における実績、DNA、カルチャーの親和性を挙げていただきました。北國銀行では、マルチクラウド化することで、システムをコントローラブルで、より高い可用性を実現することが可能になると考えています。またクラウド間のネットワーク接続には、Cross-Cloud Interconnect の採用と、Google の大規模かつ効率的なコンテナ運用の豊富な経験と技術の蓄積から誕生した Google Kubernetes Engine の採用が検討されています。

Data Cloud における最新情報

BigQuery を用いると、音声に代表される非構造化データと構造化データを組み合わせて分析を行い、データの価値を引き出すことができる AI レイクハウスとして利用可能です。デモでは、コールセンターの音声データから、LLM でどのように価値を引き出すかについて解説しました。BigQuery の SQL で音声認識 AI を呼び出して、音声から会話を書き起こし、PaLM を活用し文脈を考慮した分類やサマリーを短時間で作成しました。さらに、Looker Studio で問い合わせの状況を可視化することで、顧客サポートの改善を、データに基づいて判断することができます。

BigQuery は、データを構造化と非構造化を問わず管理、前処理、分析、機械学習を一貫して行える AI レイクハウスです。これにより、データエンジニアからデータサイエンティストまでがデータの真の価値を引き出せます。データサイエンティストに人気の Google Colaboratory はセキュリティと BigQuery 連携を強化し、Colab Enterprise として企業向けに提供されます。また、Pandas DataFrame ライクな Python API である BigQuery Dataframe とノートブック、クエリ履歴のバージョン管理などを統合した BigQuery Studio がパブリックプレビューとなりました。

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Google Workspace の活用事例

TBSテレビでは、2015 年にメディアでの素材受け渡しの課題があり、大容量のファイル共有を解決するソリューションとしてGoogle Apps(現 Google Workspace)の一部利用が始まりました。2017 年から全社導入の検討を開始し、2018 年に G Suite (現 Google Workspace)を導入しました。しかし、当初はオンプレのデータ保存が主流で、クラウドへの移行は進んでいませんでした。新型コロナウイルスの流行に伴い、G Suite の利用が急速に進み、特にテレワークでの Google Meet の運用が増加し、ドキュメントやスプレッドシートの共同編集が増え、業務効率が向上しました。現在、TBS および JNN28 社のほぼ全社で Google Workspace が導入され、共有ドライブを活用してファイル共有がスムーズに行われています。今後の取り組みとして、AppSheet を活用し、ノーコードアプリを JNN 全体に広く展開し、業務の DX を促進する計画があります。また Duet AI に期待し、業務効率向上を目指しています。

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Google for Startups の取り組み

Google は「テクノロジーには、世界をより良くしていく力がある」と信じており、創業以来、テクノロジーを通じて社会の問題解決を Google のミッションとして掲げています。Black Founders Fund や Ukraine Support Fund など、支援の行き届いていないファウンダーコミュニティを世界中でサポートすると同時に、クラウドを使用するスタートアップ向けに資金、技術、そしてビジネス面でのサポート プログラムも用意しています。2019 年に渋谷にオープンした、世界で 6 つしかない Google for Startups Campus では、スタートアップに関わる全ての方々に、コワーキングスペース等の施設をはじめイベントなどでご利用いただいています。

Google Cloud を活用いただいているスタートアップ Luup は、電動マイクロモビリティのシェアリングサービス『LUUP』を全国 8 都市で展開しています。Luup では、初期の段階から、モバイルアプリのバックエンドに Cloud Functions を利用したサーバーレスアーキテクチャを採用し、Firestore をデータベースとして使用し、Firebase Authentication を認証関連のサービスとして活用していました。また、Firebase Hosting を使用して社内管理アプリを簡単にデプロイできるようにしました。このアーキテクチャの恩恵を受けて、Luup は法的な規制や認可の変更に対応し、迅速にサービスを展開することができました。Google Cloud の使用により、事業の拡大もスムーズに行うことができました。現在の Luup のアーキテクチャでは、API の種類が増え、接続するサービスも増加していますが、基本的な構成は変わらず、BigQuery を用いたデータパイプラインを構築し、データ分析に Google Cloud のマネージドサービスを組み合わせています。

来年の「Next Tokyo」は、2024 年 8 月 1 日と 2 日に横浜で開催されます。ぜひ、この日程を空けておいてください。

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