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ハイブリッド クラウド

AI、エッジ、最新のインフラストラクチャによって最新の製造成果を実現

2024年6月4日
Fabien Duboeuf

Industry Manager, Manufacturing, Google Cloud

Dario Salischiker

Sr. Product Manager, Google Distributed Cloud, Google Cloud

※この投稿は米国時間 2024 年 5 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

AI、エッジ コンピューティング、ソフトウェア インフラストラクチャなどの新しいテクノロジーにより、メーカーにとって、運用効率、製品品質、安全基準を再定義するための新たな扉が開いてます。ただし、そのような最先端のソリューションを多種多様な製造環境や製造拠点にまたがって実装およびスケールする際の複雑さが、依然として課題となっています。

このテクノロジーの波の最前線にあるのが Google Distributed Cloud です。このプロダクトにより、メーカーは Google Cloud の最新の AI、最新のインフラストラクチャ、セキュリティをオンプレミスで直接活用できるようになります。Google Distributed Cloud は、セルフマネージドのソフトウェア単体からフルマネージドのハードウェアおよびクラウド サービスまで、幅広い構成でデプロイでき、OT のセキュリティ、レイテンシ、可用性の要件を満たしながら、最新のアプリケーションを現場で実行するためのアジャイル プラットフォームを実現できます。

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製造業のユースケース

Google Distributed Cloud は、製造業務のさまざまな分野に、パワフルな方法で変革をもたらしています。

外観検査

従来、品質管理は人間による検査に依存しており、多くの場合、時間がかかり、間違いが発生しやすく、高い費用がかかっていました。エッジにデプロイされた AI モデルは、外観検査を実施して、高解像度の画像と動画フィードをリアルタイムで分析し、かつてない速度と精度で欠陥を検出できます。このリアルタイムの品質保証により、無駄が減少し、顧客満足度が向上して、ブランドの評判が保護されます。

AI を活用した外観検査では、分析を行う AI モデルのパフォーマンスを継続的にモニタリングしながら、数十台から数百台のカメラで得られたフィードを 1 秒未満の速度で分析する必要があります。ビジネスニーズに対応して生産ラインは変化するため、お客様は、AI モデルを更新して新しい構成をサポートできる柔軟性を必要としています。生産プロセスの重要なコンポーネントである外観検査インフラストラクチャは、確実に動作する必要があります。

自動プロセス制御

外観検査のユースケースと同様に、自動プロセス制御では、生産設備に組み込まれたモノのインターネット(IoT)センサーやカメラから大量のデータが生成されます。最新のプロセス制御インフラストラクチャでは、AI を活用することにより、機械の微調整、業務最適化によるスループットと品質の向上、エネルギー消費とダウンタイムの削減を実現できます。

危険の予防的な特定など、従業員の安全性に関する新たなユースケースでは、カメラやウェアラブルを活用することで、リアルタイムのアラートや自動修正措置による従業員の保護が可能になっています。エッジベースの拡張現実(AR)により、トレーニングとメンテナンスの手順が強化されて、人的エラーが減少し、タスクの効率が向上します。事故やけがを予防すると、より安全な作業環境が生み出されるため、結果として、従業員の身体的危害や機械の故障が減少し、最終的には費用のかかる中断が減少します。

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従業員の安全性と生産性

AI 機能を既存の製造ラインに統合すると、レガシー インフラストラクチャに新しい機能がもたらされ、費用のかかるオーバーホールを回避できます。エッジで実行される ML モデルは、既存の機器から貴重な分析情報を引き出すため、故障を防いだり、機器の寿命を延ばしたり、費用のかかるダウンタイムを最小限に抑えたりするための予測メンテナンスが可能になります。

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AI によるレガシー システムのモダナイゼーション

オンプレミスで実行される Google Distributed Cloud には、特に要求の厳しい外観検査ワークロードを実行するためのリアルタイムの応答性、簡素化されたスケーラビリティ、オペレーショナル レジリエンスが備わっています。さらに、Google Distributed Cloud では、データのフィルタリング、集約、分析をローカルから効率的に行えるようになり、大量のデータセットをクラウドに送信する必要性が減るため、帯域幅の使用量が最適化されて、費用が削減されます。Google Distributed Cloud によって、最新の OT IT のニーズに柔軟性とシームレスなインテグレーションがもたらされます。

これらは、Google Distributed Cloud が製造業の強化に貢献している興味深い方法のほんの一例にすぎません。ほかにも多くのユースケースがあり、そのリストは増え続けています。

製造業にとっての Google Distributed Cloud の利点

メーカーにとっての Google Distributed Cloud の利点は、テクノロジー面の向上をはるかに超えて広がり、費用、効率性、安全性、リソース管理に影響をもたらす具体的なビジネス成果に直接つながります。

  • スクラップの減少: AI による品質管理の強化により不良品が減少するため、原材料の無駄が減って、製造効率が向上します。

  • 安全対策の強化: 危険や潜在的な事故をリアルタイムで特定できるため、費用のかかる業務の中断を最小限に抑え、従業員の安全性を高めることができます。

  • 分析情報を得るまでの時間短縮: クラウドネイティブなツールとプロセスにより、エッジにデプロイされる、AI を活用した新しいソリューションの迅速なテスト、イテレーション、開発が可能になり、ソリューションを固有のニーズに合わせて調整できます。Google Distributed Cloud は、クラウドとエッジを効率的に統合することにより、メーカーが実装サイクルを短縮し、競争力のある差別化を推進できるようにします。

  • サステナビリティの向上: エッジドリブンなプロセス最適化、付加価値タスクと非付加価値タスクの識別、無駄の削減、予測メンテナンスが可能になるため、長期的な運用費用の削減と環境への好影響につながります。
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製造業の未来

競争の激しい製造業界では、明日の工場が今日建設されています。Google Distributed Cloud などのソリューションによってエッジ コンピューティングを採用することで、メーカーはこのダイナミックな業界の複雑な課題に対処するのに不可欠なツールを手に入れることができます。自動化の強化やリアルタイムの分析情報から、安全性とサステナビリティへの取り組みに至るまで、Google Distributed Cloud は、インテリジェントで適応性が高く、最終的にはより大きな成功を収める製造業務への道を切り開きます。

現代の製造業に関する分析情報を提供するこちらのレポートをダウンロードして、製造現場で Google Distributed Cloud を活用する方法の詳細をご覧ください。未来を形作ろうとしている革新的なメーカーが参加する MxDManufacturing x Digital)のショーケースでは、Google がどのようにイノベーションを実現しているかを直接ご確認いただけます。Google Distributed Cloud を活用する方法についての詳細もご覧ください。

ー Google Cloud、製造業担当インダストリー マネージャー Fabien Duboeuf

ー Google Cloud、Google Distributed Cloud シニア プロダクト マネージャー Dario Salischiker

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