新しい Google Distributed Cloud イニシアチブによるソブリン クラウド ソリューションの提供
Charlie Gokbayrak
Group Product Manager, Google Distributed Cloud
Kim Lasseter
Global Director, Partner Advantage Program Design & Strategy
※この投稿は米国時間 2024 年 8 月 14 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
デジタル主権は依然として、公共、金融、製造の各分野の組織における最重要課題となっています。こうした組織は、クラウド テクノロジーを導入する際、イノベーションとバランスを取りながら厳格な規制要件を遵守するという課題に直面します。この課題を達成するには、必要な柔軟性とスケーラビリティを提供するだけでなく、地域や業界固有の規制の遵守を優先するクラウド ソリューションが求められます。
Google Sovereign Cloud は、データ主権、運用主権、ソフトウェア主権の要件を確実に満たすための、包括的で柔軟なソリューションです。これらのソリューションには Google Distributed Cloud(GDC)が含まれています。GDC は、データが生成、使用される場所の近くに Google Cloud の機能を配置し、データのロケーション、レイテンシ、接続性に関する課題の克服を支援します。組織は GDC を利用することにより、オンプレミス、エッジ、リモート ロケーションなどのさまざまな環境でクラウド サービスをデプロイして管理しながら、最適なパフォーマンスを実現し、規制コンプライアンス要件を満たすことができます。
マネージド Google Distributed Cloud プロバイダ イニシアチブの導入
エッジまたはオンプレミスでのアプリケーションのデプロイは、多くの組織で不足しがちな専門スキルやテクノロジーが要求される、複雑なプロセスとなる場合があります。Google Cloud はこの課題を認識しており、業界をリードするパートナーと協力して専門知識を提供し、特定の業界やお客様向けにカスタマイズしたソリューションを作成しています。このたび Google Cloud は、マネージド GDC プロバイダ(MGP)イニシアチブを導入しました。このプログラムは、特定のパートナーに Google Distributed Cloud サービスをフルマネージド サービスとしてデプロイ、運用、管理する権限を付与し、さまざまな環境におけるソリューションのデプロイを簡素化します。これにより、高い主権性を必要とするお客様にクラウド サービスをデプロイする際の技術的な複雑さが減少し、導入が加速されます。現在、GDC をエアギャップで運用しているパートナーには、ルクセンブルクから運用している Clarence(ルクセンブルクの国営企業 LuxConnect と Proximus Luxembourg の合弁企業)、タイから運用している Gulf Energy、ドイツから運用している T-Systems、北米から運用している World Wide Technology(WWT)などがあります。マネージド GDC プロバイダ イニシアチブのメンバーとして、これらのパートナーはすでに AI 対応のソブリン クラウド ソリューションをお客様に提供しています。今後数か月の間に、さらに多くのパートナーがこのイニシアチブに加わる予定です。
「Clarence は、今日の複雑な地政学的状況、増え続けるサイバー脅威やサイバーテロのリスク、AI ニーズなどにより刺激された、真のデジタル主権への高まる需要に応えています。また、エアギャップのある GDC から Google のクラウドベース アプリケーションの優れたポートフォリオを活用した、他にはない最先端のバンドル ソリューションを提供しています。」- Clarence S.A.、ゼネラル マネージャー Pascal Rogiest 氏
「優れた AI 機能を提供するだけでなく、パブリック インターネットから業務を分離する独自の機能が備わっていることから、Google Distributed Cloud(GDC)を選択しました。Google Cloud のマネージド GDC プロバイダ(MGP)である Gulf との協力によるタイでの GDC の提供の成功は、当社の戦略上不可欠なものです。規制の厳しい業界への GDC の導入は、我が国のデジタル競争力を高めるだけでなく、当社に新たな収益機会をもたらすでしょう。」- Gulf Energy Development、最高経営責任者 Sarath Ratanavadi 氏
「T-Systems は、ドイツの Google Distributed Cloud プロバイダであることをとても嬉しく思っています。当社のクラウド ポートフォリオにこの貴重な項目が加わったことで、最高水準のセキュリティとデータ所在地要件を満たしながら、Google Cloud のパワフルなクラウド ソリューションをお客様に提供できるようになりました。これは、お客様の個々のニーズに合わせた真のハイブリッド クラウド環境を提供するという当社の取り組みを明確にしています。」- T-Systems、クラウド サービス担当シニア バイス プレジデント Greg Hyttenrauch 氏
「WWT は、Google Distributed Cloud と提携できることを光栄に思っています。この MGP イニシアチブを通じて、公共部門のお客様に固有の要件に特化したクラウド ソリューションをカスタマイズしました。このソリューションは、機密データのセキュリティを確保し、デジタル主権を維持します。このコラボレーションは、公共部門のお客様に力を与える革新的なソリューションを提供するという当社の取り組みの証です。」- WWT、連邦セールス担当バイス プレジデント Scot Gagnon 氏
マネージド GDC プロバイダ イニシアチブ プログラムは、信頼できるローカル パートナーが運用する隔離された安全なプライベート環境で Google Cloud テクノロジーを活用するお客様を支援します。このアプローチには、データ所在地を完全に管理して地域の規制を遵守するなど数多くの利点があり、データ主権とコンプライアンスの確保に貢献します。また、ユーザーやアプリケーションにより近い場所でワークロードを実行することで、お客様はレイテンシの短縮とパフォーマンスの向上を実感できます。信頼できるパートナーによるエアギャップのある構成とエキスパートによる管理を活用してセキュリティと管理を強化しながら、プログラムの柔軟性を活かして特定のニーズや要件を満たすカスタマイズされたソリューションを提供できます。さらに、お客様は主権が確保された環境で最新の Google Cloud テクノロジーとサービスを利用できるため、イノベーションの最先端に立ち続けることができます。
マネージド GDC プロバイダになったパートナーには、多くのチャンスがもたらされます。GDC のクラウド サービス プロバイダになると、サービス提供を拡大し、新たな収益源を開拓できます。パートナーは GDC のコマーシャル エクスペリエンスとカスタマー エクスペリエンスを管理およびカスタマイズし、特定の市場ニーズを満たすソリューションを提供できます。また、Google の最先端の AI 対応インフラストラクチャを活用することにより、ソブリン クラウド ソリューションのデプロイと管理に関する専門知識を持つ信頼できるクラウド サービス プロバイダとして、拠点とする地域で地位を築くことができます。さらに、Google Cloud の最新のイノベーションと強固なインフラストラクチャを利用できるため、優れたクラウド サービスを提供できます。最終的には、マネージド GDC プロバイダは活動が活発なパートナー エコシステムの一員として、コラボレーションと知識の共有を促進します。
マネージド GDC プロバイダ イニシアチブにご参加ください
パートナーの皆様には、マネージド GDC プロバイダ イニシアチブをご検討いただき、GDC のエアギャップのあるインスタンスと接続されたインスタンスの運用において信頼できるエキスパートであることを示していただきたいと考えています。認定プロセスの開始をご希望の方は、担当のアカウント チームにご連絡いただくか、gdc-partners@google.com までメールでご連絡ください。