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ハイブリッド クラウド

一般提供が開始されたベアメタル版 Anthos で、クラウドの利用方法を自由に選択

2020年12月3日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 12 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

エンタープライズ IT 組織は、テクノロジーだけでなく、自動化、セキュリティ、スケール、サポートも自由に選択したいと考えています。当初から Anthos の目的は、クラウドの利用方法(プライベートまたはパブリック)をお客様自身が選択できるようにしながら、Google が大規模なグローバル クラウドの運用経験から学んだベスト プラクティスを伝えることにありました。このたび一般提供が開始されたベアメタル版 Anthos は、さらに一歩進んだプロダクトとなっています。

ベアメタル版 Anthos を使用すると、ワークロードを実行する方法と場所の選択肢が広がります。Anthos を既存の仮想化インフラストラクチャで実行したいと考えるお客様もいれば、ハイパーバイザ レイヤに依存せず、費用を削減しながらアプリケーションをモダナイズしたいと考えるお客様もいらっしゃいます。たとえば、VM ベースのアプリをコンテナに移行し、ハードウェア リソースが制限されたエッジ ロケーションで実行することなどが考えられます。

本日、ベアメタル版 Anthos の一般提供が開始されました。料金はサブスクリプションまたは従量課金制となります。ベアメタル版 Anthos の詳細と、ご利用開始方法の技術的な詳細をご説明します。

既存の投資を活用する

ベアメタル版 Anthos を使用すると、ハードウェア、OS、ネットワーク インフラストラクチャの既存の投資を活用できます。ベアメタル版 Anthos をエッジで実行するための最小システム要件は、2 つのノード(4 コア以上)、32 GB の RAM、128 GB のディスク容量です。専用ハードウェアは必要ありません。このセットアップにより、ベアメタル版 Anthos をほとんどのインフラストラクチャで実行できます。

ベアメタル版 Anthos はお客様管理のオペレーティング システム上に構築します。ベアメタル版 Anthos は物理インスタンスまたは仮想インスタンス上で実行され、Red Hat Enterprise Linux 8.1 / 8.2、CentOS 8.1 / 8.2、Ubuntu 18.04 / 20.04 LTS をサポートします。Anthos では、オーバーレイ ネットワークと L4 / L7 負荷分散をすぐに使用できます。F5 や Citrix など、独自のロードバランサを統合することもできます。ストレージに関しては、CSI を使用して、永続ワークロードを既存のインフラストラクチャにデプロイできます。

ベアメタル版 Anthos は、次のいずれかのデプロイモデルを使用してデプロイできます。

  • スタンドアロン モデル: 各クラスタを別個に管理できます。エッジ ロケーションで実行している場合や、各クラスタを個別に管理する場合に適しています。

  • マルチクラスタ モデル: 主幹 IT チームが管理クラスタと呼ばれる一元管理されたクラスタから複数のクラスタを管理できます。自動化ツールを作成する場合や、機密性の高い認証情報(SSH 認証鍵、Google Cloud サービス アカウントの詳細など)を共有せずにクラスタのライフサイクルを個々のチームに委任する場合に適しています。

あらゆる Anthos 環境と同様に、ベアメタル クラスタは Google Cloud に安全に接続されます。この接続は Connect によって実現します。Connect をクラスタにインストールすれば、Google Cloud Console からクラスタの表示、構成、モニタリングを一元的に行えます。

Google では Eary access program に参加されたお客様とデザイン パートナーの協力の下、ベアメタル版 Anthos の開発に取り組んでおり、圧倒的に好意的なフィードバックをいただいています。たとえば、動画の測定および最適化プラットフォームを提供する VideoAmp は、ベアメタル版 Anthos を使用して、管理対象クラスタの運用上のオーバーヘッドを減らしながら、自社のクラウド インフラストラクチャを最大限に活用できるようにしています。

VideoAmp のエンジニアリング部門ディレクターである Hector Sahagun 氏は、次のように述べています。「VideoAmp では、コンピューティング負荷の高いリアルタイム アプリケーションを実行しています。これにより広告主は、リニア TV、OTT、デジタル動画のポートフォリオ全体を最適化してビジネス上の成果を生み出せます。スケーラビリティ、ポータビリティ、柔軟性を活用した開発を可能にする Kubernetes は、当社の戦略において重要な役割を果たしています。Anthos が提供するライフサイクルおよびポリシーの一元管理ツールにより、当社のインフラストラクチャ チームは Kubernetes の日々の管理作業ではなく、重要なイニシアチブに集中できます。」

Anthos Ready パートナー プログラムの拡張

Google では、Anthos Ready パートナー イニシアチブに参加しているパートナーと共同でベアメタル版 Anthos をリリースしています。このプログラムは Google Cloud の相互運用要件に準拠し、Anthos を実行している企業のインフラストラクチャおよびアプリケーション開発のニーズを満たすパートナー ソリューションを取り上げることを目的としています。これらのソリューションは、さまざまな Anthos デプロイ オプション(Anthos on Google Cloud、Anthos on VMware、ベアメタル版 Anthos)で機能することが検証済みです。

AtosDell TechnologiesEquinix MetalHPEIntelNetApp、Nutanix、NVIDIA などのパートナーが、各社の顧客のインフラストラクチャ要件に合わせたベアメタル版 Anthos を提供しています。さらに、Google Cloud のストレージ パートナーである Dell TechnologiesHPENetAppPortworxPure StorageRobin.io などが、ベアメタル版 Anthos 用の CSI ドライバの認定を受けて、共有ストレージ ソリューションを提供しています。

そして、ArctiqAtosIGNWSADASoftServeWorld Wide Technology などのシステム インテグレータが、お客様の環境にベアメタル版 Anthos を統合するためのサービスやソリューションを提供して、ベアメタル版 Anthos の使用を開始するお手伝いをしています。

より多くの場所から、より簡単に、より多くのワークロードに対応

Google Cloud、オンプレミス、他のクラウド、エッジなど、ワークロードを実行する場所に関係なく、Anthos は一貫したプラットフォームを提供して、常に変化する世界に適応する優れたアプリケーションをチームがすばやく構築できるようにします。Google が Anthos を開発した目的は、クラウドでもオンプレミスでも、コンテナ、サーバーレス、サービス メッシュ、一貫したポリシー管理などの最新のクラウドネイティブ テクノロジーを活用して、あらゆる組織がマルチクラウドに対処できるよう支援することです。今回、ベアメタル版 Anthos を実行するオプションが追加されたことで、この最新のクラウド アプリケーション スタックのメリットを活かす方法がさらに増えました。

ベアメタル版 Anthos について詳しくは、こちらの動画をご覧ください。クラスタの作成方法と、自社のアプリケーションをオンプレミス クラスタにデプロイする方法をご確認いただけます。組織にハイブリッド クラウドを適切に導入するためにベアメタル版 Anthos を活用する方法についてのご相談は、Google のセールスチームにお問い合わせのうえ、アーキテクチャ デザイン セッションをご予約ください。

-Google Cloud Platform プロダクト マネージャー Amr Abdelrazik

-アウトバウンド プロダクト管理担当ディレクター Richard Seroter

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