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HPC

Google Cloud と Dell PowerScale が半導体の設計モデルを変革

2022年3月9日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 3 月 3 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

統合型人工知能(AI)、エッジ コンピューティング、5G 通信、モノのインターネット(IoT)プロダクトなどの新技術や、自社でチップ設計能力を持つ競合他社の出現により、半導体業界はエンジニアリングやオペレーション重視から、製品開発、新しいオペレーションモデル、新しい市場に浸透するなど強い転換を迫られています。

Deloitte Consulting と Global Semiconductor Alliance(GSA)の 2021 Semiconductor Transformation Study(STS)によると、半導体企業の 42% が統合ソリューションの販売や従来とは異なるクラウドベースのビジネスモデルの実験といった新しい市場参入戦略を試みています。これにより、半導体企業の市場参入、製品開発、収益獲得の方法が変化しています。

半導体集積回路(IC)設計は、一般に EDA として知られており、回路(または「チップ」)を設計するために使用される多くのワークフローが含まれています。これらの設計ワークロードはコンピューティングとストレージが中心で、チップの設計には大量のハイ パフォーマンス コンピューティングとスケーラブルなネットワーク接続ストレージ(NAS)というストレージ システムが必要です。EDA 企業にとって、チップ設計を完成品として迅速に市場に投入することはとても重要です。そのため、設計チームにとってより高速でアジャイルなコンピューティングとストレージのインフラストラクチャは不可欠です。設計密度が 7 ナノメートルから 3 ナノメートルになるにつれて、チップの設計はより複雑になり、非常にスケーラブルで高性能なストレージとコンピューティング機能に対する要求は高まってきています。

Dell PowerScale for Google Cloud

Google と Dell は、電子設計自動化(EDA)ワークロードのクラウドでの実行を容易にし、半導体企業がクライアント数やジョブを容易に拡張できる基盤を提供するとともに、すべてのクライアントで同じ共有ボリュームを保持し、高性能かつ低レイテンシのサービスを実現します。このソリューションは、Google Cloud において、緊密に統合された、セルフサービス型でマルチプロトコルのファイル サービス パッケージを提供します。

Dell PowerScale は、Google Cloud と緊密に統合されており、以下のような多くのメリットをもたらします。

  • 数千の EDA シミュレーション ジョブ(シミュレーションなど)が同時に実行されても、直線的に成長するスケールアウト ストレージ

  • オンデマンドの専用容量で集計時間の短縮を実現し、設計曲線を平坦化

  • アプリケーションを再プラットフォーム化し、新しいツールを習得することなく、クラウドやオンプレミスでワークフローを実行できるようにエンジニアとデベロッパーを支援する柔軟なアーキテクチャ

アーキテクチャの概要、クラウド バースティング チップ設計 

検証や合成などのフロントエンドのワークフローはコンピューティング集約型で(ツールによってはストレージの I/O 集約型も可能)、関連するジョブは短期間で終わる傾向があります。設計チームにとって、作業期間中に多くのコンピューティング スロットを利用できることは非常に価値のあることです。この要件は、設計の規模が大きい場合や複雑な設計をタイトなスケジュールで提供する場合に、より重要になります。こうすることで、Google Cloud と PowerScale の機能を組み合わせることで、IC 設計の関係者に弾力性を提供できます。

  1. まず、ユーザーはオンプレミスのプライマリ リソースとやり取りし、スケジューラ付きのジョブを Google Cloud に直接起動します。

  2. あらかじめ構成されたイメージや標準的なイメージをもとに、必要なコンピューティング インスタンスをオンデマンドで作成し、リソースがアイドル状態になるかジョブが終了すれば、終了させることができます。ジョブ実行に必要なデータセットは、PowerScale SyncIQ の内蔵機能を使って事前に複製することができ、これをオーケストレーションすることも可能です。

  3. インスタンスを終了してもデータは持続し、必要に応じてオンプレミスにリバース レプリケーションで戻すことができます。このように、双方向のデータフローがあり、ジョブとともに起動するようにオーケストレーションすることも、別々に管理することも可能です。

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図 1: バースト シナリオにおける EDA のワークフローの全体像

アーキテクチャの概要: ハイブリッド モデル

クラウド バースティングのユースケースでは、Google Cloud に拡張する特定のワークフローを想定しています。一方、ハイブリッド ソリューションはより幅広いワークロードに有効です。エンドユーザーは、オンプレミス ロケーションの場合と同様に、Google Cloud 上で直接やり取りし、作業を行い、インフラストラクチャ サービスを利用し、外向きデータのないデータセットにアクセスできます。図 2 は、さまざまなツールのライセンス要件に応じて、ライセンス サーバーをオプションで Google Cloud にホスティングすることも、既存のオンプレミス サーバーをワークフローの一部にすることも可能であることを示しています。PowerScale クラスタは、ユーザーのホーム、プロジェクト、スクラッチ、ツール、リポジトリ、およびその他のデータセットをホストします。

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図 2: ハイブリッド構成による EDA ワークフローの全体像

線形ストレージのスケーラビリティが重要

コンピューティング ワーカーの需要に合わせて拡張できるストレージ ソリューションを選択することは、EDA を成功させ、設計曲線を平坦にするために非常に重要です。PowerScale は、合成 EDA ベンチマーク スイートを使用してテストしました。このテストスイートは、バックエンドとフロントエンドのサブコンポーネントから構成される特定の EDA ワークロードに対して、ストレージ ソリューションが提供できる持続可能な最大スループットを測定するために使用されます。170TB のストレージ容量を持つ Tier_1 オールフラッシュ PowerScale ソリューションと 40 台の Google Compute Engine インスタンスを使ってテストを実行しました。

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ベンチマーク テストの結果から、PowerScale では、ジョブを多く実行すればするほど、より多くのスループットと IOPS を提供できることがわかります。スケールアウト アーキテクチャにより、ノードを追加することで継続的にレイテンシを管理できます。この機能は、EDA ワークロードのクラウド バースティングの際に非常に重要です。

詳細情報


上記内容について、Google Cloud の Alec Shnapir、Sean Derrington、Dell の Kami Periman 氏にご協力いただきましたことを感謝します。



- Google Cloud プリンシパル アーキテクト Guy Rinkevich
- Dell EDA および半導体担当グローバル CTO Bela Rajendran 氏
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