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イベント

Google Cloud - 日本のお客様のデジタル トランスフォーメーションを支援

2019年7月31日
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Shinichi Abe

Managing Director, Google Cloud Japan

昨年 9 月に開催した Google Cloud Next ’18 in Tokyo 以来、Google Cloud では、日本国内のお客様に向けた製品やサポートの充実と拡大に努めて参りました。


今年 5 月には既存の東京 GCP リージョンを補完する 大阪 GCP リージョンの運用を開始した他、2019  Gartner Magic Quadrant において、日本のクラウド インフラストラクチャ分野におけるリーダーにも選出されました。日本の Platinum / Enterprise のお客様向けに日本語による 24 時間 365 日サポートも提供開始しました。 Google Cloud が提供するトレーニングの受講者は昨年同期比で倍増しており、認定資格の取得も 4 倍以上に増えています。


今年 4 月には、日本、グアム、オーストラリアを結ぶ新たな海底ケーブルシステムへの投資を発表しました。同ケーブルシステムは、Google が投資した日本とつながる 3 番目のケーブルシステムで、2020 年前半の利用開始が予定されています。アジア太平洋地域のお客様に、高いアジリティとパフォーマンス、そして柔軟なキャパシティを提供する Google Cloud のネットワークの要となるものと考えています。


今年の上半期には、アサヒグループホールディングスや、京セラコミュニケーションシステム、シャープ株式会社、ヤマハ株式会社といったお客様を新たにお迎えするなど、Google Cloud の採用及び活用拡大は年々増加の傾向にあります。2018 年の Advanced Solutions Lab (ASL)の開設直後から、株式会社 ファーストリテイリングをはじめとする様々な業界を牽引する皆様とビジネスの課題解決に挑戦する AI ソリューションの開発に取組んで参りました。今年の Google Cloud Next in Tokyo でも、多数の先進的なクラウド活用事例をご紹介いたします。

Google Cloud と東日本旅客鉄道株式会社の取組み

毎日 12,000 本の列車を運行し 1,790 万人の乗客を輸送する東日本旅客鉄道株式会社は、日本の暮らしの基盤として欠かせない存在であるだけでなく、日常生活の様々な場面においても重要な役割を担われています。

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JR 東日本では、グループ経営ビジョン ”変革 2027” を掲げ、挑戦的なプロジェクトを推進されていますが、この度、Google の AI 技術を活用したメンテナンス革新の取り組みを開始されました。これまでに蓄積した様々な画像や映像データを元に、より精度の高いメンテナンスの実現を目指すと共に、人手不足の解消、安全性の向上を目指されています。

東日本旅客鉄道株式会社 取締役副会長 小縣 方樹 氏は次のように述べています。「JR東日本では『ヒトを起点とした価値・サービスの創造』を目指し、昨年グループ経営ビジョン『変革 2027』を策定しました。このビジョンの元に、MaaSをはじめとする未来志向のプロジェクトを推進しており、特に『究極の安全』はその中でも最重要の課題と位置づけています。今回、Google Cloud AIを活用した架線設備・線路設備等のメンテナンス革新に向けた効果検証を行います。Google Cloud との協力体制が、鉄道事業におけるメンテナンス業務に変革をもたらすだけでなく、今後、当社が手がけるライフスタイル事業等の領域においても、様々なイノベーションを可能にする力になるものと期待しています。」

スマートアナリティクスと AI の活用で、顧客体験の改善とビジネスの成功をサポート

データからビジネスを変革するインサイトを獲得したいというニーズは、日本でクラウド移行が進む一番大きな理由のひとつです。そして、多数の日本企業が Google Cloud のデータマネジメントやスマートアナリティクス向けの製品を同じ理由で採用されています。

リクルートグループ では、住まいに関する総合情報サイト 「Suumo」 や、宿・ホテル予約サービスの「じゃらん」、「リクナビ」をはじめとする人材総合サービス等を運営されており、日々何百万人ものお客様にサービスを提供されています。そのような中において、同グループはサービス運営の可用性を重視されており、Google Cloud を活用することで、より簡便なマネジメント及び高い可用性を可能にされました。

同グループ横断で利用するデータ基盤やインフラの構築を担っている株式会社リクルートテクノロジーズ 執行役員の 大石 壮吾 氏は以下のように語っています。「増大し扱いが複雑化するデータ処理において、GCP がもたらす高い安定性とパフォーマンスの向上に満足しています。段階的に顕在化する様々な課題の解決に加え、直近では EOSL (End of Service Life) を迎える大規模 Hadoop クラスタを BigQuery と Cloud Dataproc に移行することで、統合データマートの作成処理において、約 14 倍の高速化を実現しました。これまで以上に収集できるデータが増える中、クラウドネイティブなアーキテクチャにより、ますますのアジリティ、スケーラビリティ、運用効率の改善を続けてまいります」

安定したデータ処理と分析が可能な組織は、多くの場合 AIと機械学習(ML)の応用にも成功します。ビジネスを変革するために、この強力なツールを利用する日本企業はますます増えてきています。


株式会社ディー・エヌ・エー は、同社が提供するアプリゲーム「逆転オセロニア」の新規プレイヤーの学習プロセスを機械学習を活用してサポートし、オンボーディング体験の向上に成功しました。AI を利用して、新規プレイヤーに対しデッキの編成方法をレコメンドすることで、新規プレイヤーの勝率が 5% 向上したほか、実践に近い練習が気軽にできる場を提供することで、その後のアクティビティも改善しました。さらに、AI 機能を利用したプレイヤーでは LTV(ライフタイムバリュー)も高くなることが分かっており、事業的にもインパクトのある施策となりました。ユーザーの課題に対して適切に AI を活用することによって、ゲーム事業に大きく貢献できる可能性が示された事例だと言えます。

「私たちのプラットフォームにおけるゲーム体験をさらに進化させる上で、AI は重要な役割を担っています」株式会社ディー・エヌ・エー AI 本部 AI システム部 部長の山田 憲晋 氏は話します。「Google Cloud と連携することで、Google が得意とする AI と、これらに親和性の高いコンポーネントの開発・配信技術を弊社のゲームで活用しています。また、AI モデルのホスティングにおいても、Google Cloud のオープンでサーバーレスな技術を駆使することで、インフラの拡張性やコード ポータビリティを心配することなく、開発に注力することができます。」


ZOZO グループ では、運営する通販サイト「ZOZOTOWN」において、商品の検索機能向上を目的に、機械学習を活用しています。このような運用においては、常に最高のユーザーエクスペリエンスを提供するために、新しいデータに基づき ML モデルを定期的に管理し、最適化し続けることが必要です。このモデルのトレーニング プロセスを高速化するために、同社では Cloud TPU を活用されました。その結果、トレーニングにかかる時間が 1/55 に短縮され、モデルの精度向上も実現しました。さらに、ノード利用時間も短いため、運用コストの削減にもつながっています。

株式会社 ZOZO テクノロジーズ の執行役員 VPoE を務める今村 雅幸 氏は、次のように述べています。「商品の画像検索はユーザーにとって重要な機能であると共に、正確な結果を表示する ML モデルの構築は快適なユーザーエクスペリエンスを実現する上で欠かせません。Cloud TPU の採用により、当初 1 週間かかっていたトレーニング時間が 3 時間以内に短縮され 55 倍の高速化を実現しました。TensorFlow で構築したモデルを、Cloud TPU でトレーニングし、Google Cloud 上で運用するという組み合わせは、テストから改善、実際のサービス提供までをシームレスにつなぎ、利用者満足度の向上に大きく貢献しています。」


さらに、SOMPO ホールディングス株式会社 では、AI を活用し保険料見積もりの迅速化を実現しています。「お客様に迅速にお見積りを提示する機能は、優れた CX を実現する上で非常に重要です。」SOMPO ホールディングス株式会社 グループ CDO 執行役員常務 楢崎 浩一 氏はコメントされています。「そのために、弊社では Google Cloud Vision API を採用し、お客様がお手持ちの保険証券類から必要な情報を弊社社員がスマートデバイスでワンショットで読み取ることで、お客様にかかる負担なく、リアルタイム(40秒)でベストなお見積りの提供を可能にしました。」

今後に向けて

企業がクラウドを採用する理由は様々です。自社のインフラストラクチャをモダナイズするため、新たなアプリケーションを開発するため、データ管理のため、スマートアナリティクスを分析に活用するため、生産性向上と連携促進のため――。 本日ご紹介したこれらの事例以外にも、オーストラリア・ニュージーランド銀行や NTT コミュニケーションズをはじめとするお客様からは、アプリケーション開発のスピードアップや、コンテナ、サービスメッシュ、マイクロサービスなどの革新的な技術の導入にハイブリッドなマルチクラウドプラットフォームである Anthos が役立っていると聞いています。詳細はこちらのブログ記事をご覧ください。


私たちは、クラウドの力を使って自分たちの仕事に有意義な変化をもたらしたいと考える、より多くの企業を強力に支援していきます。日本およびアジア太平洋地域における Google Cloud を利用するお客様の体験談をもっとお読みになりたい場合は、こちらのウェブサイトをご覧ください

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