Google Cloud での費用の把握と分析
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 6 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
概要 - クラウドの費用をインターフェースごとに把握する方法はいくつかあります。今回は、そのような費用の概要をすばやく確認できる、あらゆる種類の請求レポートのインタラクティブ ツアーについても紹介していきます。
クラウドを使って作業をするということは、新しいテクノロジーを活用して、インフラストラクチャを迅速に作成、テストし、チームで共同作業をする機会ができるということです。ただし、こうしたクラウドの素晴らしい機能を活用する際には、どれくらいの費用を支払うのか、どこに費用をかけるのかを把握するという追加の準備作業が伴う場合もあります。ここでは、費用を追跡する方法の詳細と、ヒントを紹介していきます。
簡単に可視化
費用が発生している箇所を確認するための最も手早い方法は、その名前が示すとおり請求レポートという組み込みのレポート作成ツールを使用することです。より多くの情報が欲しいときに最初に確認するのがこの請求レポートで、柔軟に費用の内訳を確認し、追跡することが可能です。
ヒント: まずは [グループ条件] のオプションを [サービス] に変更して、どの Google Cloud のサービスに費用が発生しているかを確認します。大規模なチームや組織の場合、特定の目的のためのプロジェクトが何百(またはそれ以上)もある可能性がありますが、ほとんどの場合はサービス固有の費用を確認するだけで探している情報を見つけることが可能です。
これらのフィルタは、過去の費用を確認するための簡単かつパワフルな手段というだけではなく、費用の傾向や予測される将来的な費用の把握にも活用することができます。そのため、予定どおりに進んでいるかを把握することも、急な費用の変化について調査することも可能です。
ヒント: 保存済み費用ビューを活用して、最もよく使用するフィルタセットや定期的に確認するレポートを素早く切り替えられるようにしましょう。
このレポートが使いやすい理由の一つに、可視化が挙げられます。ただし、表形式の比重がより大きいレポートをお好みの場合は、料金明細レポートをお選びいただくのがいいでしょう。
表の検討
料金明細レポートは、請求に含まれる費用の把握に特化したもので、かなり最近登場したレポートです。請求書の確認に時間を費やすのは楽しい作業とは言えませんが、この表であれば、支払い内容を簡単に項目ごとに把握することが可能となります。
デフォルトの設定では、最新の請求に関して、プロジェクト、サービス、SKU 別ですべての費用の内訳が確認できます。請求レポートと同様に、プロジェクトまたは SKU などの詳細なフィルタも適用できますが、レポートのグループ化の方法を変更することも可能です。グループ化することで、費用またはクレジットごとに 1 行ずつ表示するフラットビューの表にしたり、ラベルを使用してグループ化の方法をカスタマイズしたりすることもできます。さらに、レポートに表示したい列を選択することができます。
ヒント: 項目またはグループのサブセットを選択すると、概要バーがポップアップし、どんな項目でも思いどおりに素早く計算できるようになります。
その一方で、ウェブ インターフェース上の料金明細はきわめて整然としているため、別のツールでのデータ処理が必要となる場合もあります。そのような場合は、CSV で料金明細をダウンロードできる機能が非常に役立ちます。解析可能なファイル形式でこれらすべての情報を素早くダウンロードできるため、その他の分析ツールで使用できる可能性が広がります。
ヒント: CSV で料金明細をダウンロードするときは、フィルタや列の情報も継承されるため、まさに必要としているデータを処理可能な形式で簡単に獲得することができます。ただし CSV の場合、コンソールで使用していたグループ化は適用されず、フラット テーブルとなります。
料金明細は、請求の正確な内訳を確認するための最適な方法です。CSV でダウンロードできるためデータの活用も簡単です。ただし、可能な限り詳しい情報が必要な場合は、ぜひ BigQuery をお試しください。
データを詳細に分析
以前までは、Cloud Storage バケットのファイルに費用の詳細を直接エクスポートするオプションがありましたが、現在は非推奨となっています。このエクスポートは便利でしたが、すぐに扱いにくく使いづらくなりました。そこで登場したのが BigQuery Export です。BigQuery は(その名前が示すとおり)ビッグデータを処理するだけでなく、パワーと柔軟性を最適に組み合わせた形でのデータに対するクエリの実行も可能にします。
エクスポートを有効にすると、請求関連の情報が自動で定期的に BigQuery にエクスポートされるようになり、分析の準備が整います。BigQuery はお手持ちのデータに対してクエリを実行できるだけでなく、ビジネス インテリジェンス ツールを使ってこのデータを自由に可視化したり、API 統合したりするなど、高度なアーキテクチャのアイデアの一環として保存するうえでも理想的です。
ヒント: 利用を開始される際には、多数のクエリの例を紹介したドキュメントをご確認ください。ラベルを使用することで、お客様の目的に応じたフィルタを構成できます。
このエクスポートには膨大な量の情報が含まれているため、非常に高度なニーズに適しています。標準エクスポートの利用を開始すると、請求先アカウント向けのすべての請求データが確認できます。さらに、エクスポートのオプションを追加することもできます。
詳細な使用料金には、個別のリソースレベルの費用、つまり、料金が発生する実際の VM や SSD などが含まれます。現在、詳細な使用料金のエクスポートでカバーされているのは、Compute Engine のリソースのみです。
加えて、料金データをエクスポートすることで、あらゆるサービスの請求先アカウントの料金に関する情報が分析可能となります。請求先アカウント固有の料金データは、正確な内訳の確認、料金の見積り、分析のためのデータの活用に役立ちます。
ヒント: また、Google では Looker で BigQuery のデータを活用する方法をガイドにまとめています。
活用する
ここまで、クラウドの費用を把握するための最適な方法と、より高度な自動化のために費用データを準備する方法のいくつかをご紹介しました。加えて、コンソール上でもさまざまなことが実行できるため、Google では利用可能なレポートを詳細なツアーにまとめ、仕組みや利用開始方法について確認できるようにしています。
- Google Cloud デベロッパー アドボケイト Mark Mirchandan