Agent Factory のハイライト: Keith Ballinger が語る AI、開発の未来、そしてバイブ コーディング

Mollie Pettit
Developer Relations Engineer
※この投稿は米国時間 2025 年 9 月 5 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Agent Factory ポッドキャストのエピソード 6 では、Vlad Kolesnikov と私が Google Cloud のバイス プレジデント兼ゼネラル マネージャーである Keith Ballinger を迎え、AI によるソフトウェア開発の変革的な未来について詳しく話し合いました。AI エージェントがデベロッパーの役割をどのように変革し、チームの生産性を向上させているかを探ります。

この投稿では、今回の対談からの重要なアイデアをいくつか紹介します。トピックをすばやく要約したり、リンクやタイムスタンプを使用して特定のセグメントを詳しく調べたりできます。
Keith Ballinger が語る、開発の未来
「Impossible Computing」とは?
タイムスタンプ: [01:51]
Keith Ballinger は今回、自身のブログで定義した「Impossible Computing」という言葉を再定義することから話し合いを始めました。彼にとって重要なのは、解決困難なコンピュータ サイエンスの問題を解くことではなく、時間のかかる難しいタスクを開発者がシームレスで楽しく感じられるようにすることです。
彼は、これが「不可能だった、あるいは非常に困難だったことを、開発者にとってより簡単で、ほぼシームレスにできるようにする」方法だと説明しました。
AI がチームの生産性に与える影響
タイムスタンプ: [05:03]
この対談では、AI の影響が個々の開発者だけでなくチーム全体に及ぶことが語られました。Keith Ballinger は、問題のトリアージと pull リクエストの初期レビューを行うために、Google Cloud のチームが Gemini CLI を GitHub アクションとして使用している実例を紹介し、AI を活用したソフトウェア開発への Google Cloud の取り組みを示しました。
このアプローチでは、より日常的なタスクを委任することで、開発者がより高度なロジックと品質管理に集中できるようになり、最終的にはボトルネックが解消され、チーム全体の作業効率が向上します。
開発者の新たな役割: オーケストラの指揮者
タイムスタンプ: [09:57]
今回の対談の中心的なテーマは、開発者の役割の進化でした。Keith は、開発者がすべてのコードを記述するコーダーから「オーケストラの指揮者」へと移行していることを示唆しました。
つまり、デベロッパーは全体像(システムアーキテクチャ)をもとに、AI エージェント群という「シンフォニー」を指揮して特定のタスクを実行するという見解です。この思考モデルのもとでは、開発者にとって最も重要なスキルとして、高度な設計や「コンテキスト エンジニアリング」が重視されます。コンテキスト エンジニアリングとは、効率的なソフトウェア開発のために、適切な情報を適切なタイミングで AI エージェントに提供する技術です。


The Factory Floor
「The Factory Floor」は、実践的なセグメントです。ここでは、Keith と Vlad によるライブデモを通して、概念的な内容から実用的なコードへと移行しました。
事例紹介: Terminus プロジェクトと Aether プロジェクト
Keith は、2 つのオープンソース プロジェクトを具体的な「バイブ コーディングのデモ」として紹介しました。これは、開発者や研究者が活用できる、信頼性のある検証可能な例を提供することを意図しています。
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Terminus: ターミナル スタイルのインターフェースでウェブ アプリケーションを構築するための Go フレームワーク。Keith はこれを、週末に作った楽しい探究的なプロジェクトだと説明しました。
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Aether: LLM 専用に設計された試験運用版プログラミング言語。Keith は、機械向けに設計された言語(非常に明示的で決定論的)なら、人間向けに設計された言語よりも、AI がより効率的にコードを生成できるという考えを説明しました。
マークダウン アプリのバイブ コーディング
タイムスタンプ: [31:41]
Keith が、バイブ コーディングのワークフローをライブデモで紹介しました。平易な英語の 1 文から始めて、Gemini CLI を操作してユーザーガイド、技術アーキテクチャ、ステップごとの計画を生成しました。その結果、15 分もかからずに機能するコマンドラインのマークダウン ビューアが完成しました。


AI を使用して動画を作成する
タイムスタンプ: [47:13]
Vlad が、AI エージェントの別の応用例として、クリエイティブなマルチモーダル コンテンツの生成を紹介しました。Gemini 2.5 Flash Image(別名 Nano Banana)や他の AI ツールを使い、架空の広告キャンペーン用にカピバラのバイラル動画を生成するワークフローを紹介しました。これにより、簡単なプロンプトから最終的な動画を生成する一連の実演例が示されました。


Vlad の実演例からインスピレーション
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デベロッパー向け Q&A
タイムスタンプ: [56:37]
エピソードの最後には、デベロッパー コミュニティから寄せられた素晴らしい質問を Keith にぶつけました。
AI ワークロードのインフラストラクチャ ボトルネックについて
タイムスタンプ: [56:42]
Keith は、GPU 使用率などの課題を解決するために、大手クラウド プロバイダと「活発なスタートアップ エコシステム」の両方に役割があると考えています。特に、サーバーレス プラットフォームの適応に注目しており、
Cloud Run でGPU が利用可能になったことで、AI ワークロードでも他のアプリケーションと同様に高速で柔軟な環境を提供できる点を強調しました。
AI のマルチクラウドとエッジへのデプロイについて
タイムスタンプ: [58:16]
マルチクラウドとエッジへのデプロイ全体で AI をオーケストレートする高度なサービスについての質問に対し、Keith は、現時点でお客様からの直接的な需要はあまり聞いていないと率直に答えました。しかし、Keith はこの分野を「未開拓」と呼び、質問者にメールで連絡するよう促すなど、その可能性を探る意欲を示しました。
規制対象業界(金融、法律)における AI
タイムスタンプ: [59:13]
AI による開発の加速に伴い、成熟した堅牢なコンプライアンス体制の必要性がますます高まることを、Keith 氏は「10 億ドルの問題」と呼び、強調しました。彼の主なアドバイスは、人間によるレビューがこれまで以上に重要になっているということでした。AI を使用して人間の作業を支援および検証することから始めるのが最適だと提案し、その例として、AI に最終的な法廷提出用の要約書を作成させるのではなく、AI と一緒に要約書のブレインストーミングを行うことなどを挙げました。
ソフトウェア開発における AI の未来、AI エージェントと Gemini CLI の可能性にインスピレーションを得ながら、この対話を終えました。今回の対話の内容を余すところなく知りたい方は、Keith Ballinger とのエピソード全編を今すぐお聴きください。
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ー デベロッパー リレーションズ エンジニア、Mollie Pettit