インフラストラクチャのモダナイゼーションの未来: Google Cloud Innovators のメンバーはクラウドをどのように活用しているか
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 3 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google Cloud Champion Innovators は、Google Cloud のプロダクトとサービスの技術専門家である約 600 名の外部プロフェッショナルからなるグローバル ネットワークです。各メンバーは、Cloud AI / ML、データ分析、データベース、ハイブリッド マルチクラウド、モダン アーキテクチャ、セキュリティとネットワーキング、サーバーレス アプリ開発、ストレージ、Google Workspace を含む 9 種類の技術カテゴリのいずれかを専門としています。このインタビュー シリーズでは、世界中の Champion Innovators のメンバーにインタビューし、各人の歩み、テクノロジーに関する重点分野、高い関心をもっていることについて掘り下げていきます。
今回の投稿では、SADA - An Insight Company のシニア クラウド インフラストラクチャ エンジニアであり、モダン アーキテクチャを専門とする Google Cloud Champion Innovators メンバーでもある Rohan Singh 氏にお話をうかがいます。Singh 氏はインフラストラクチャのモダナイゼーションと移行を重点分野に挙げており、その専門知識を応用して組織がクラウド テクノロジーが持つ変革の力を活用できるように支援しています。
Natalie Tack: どのテクノロジー分野に最も魅了されていますか。また、その理由は何ですか。
Rohan Singh: 簡単に言うと、私はクラウドと DevOps に情熱を注いでいます。日々新たな発展があり、常に新しい学びがあります。シニア クラウド インフラストラクチャ エンジニアとしての私の仕事には、お客様のアプリケーション インフラストラクチャについて支援することや、戦略計画にフォーカスすること、特定のモダナイゼーションと移行のニーズに対する最適なアプローチを選ぶことなどが挙げられます。多くの企業が依然として従来型のインフラストラクチャを使用しており、そうした企業にとって適切な戦略を見つけることは、私にとって非常に楽しい挑戦です。現時点ではコンテナ化が非常に注目されているため、Google Kubernetes Engine(GKE) と Anthos を使用して多くの作業を行っており、Migrate for Compute Engine を使用して VM をオンプレミスから Google Cloud に移行しています。
NT: あなたが特に関心をもっている今後のトレンドは何ですか。
RS: Infrastructure as a Code(IaC)への関心がますます高まっています。IaC を使用すると、インフラストラクチャの実装と設計をより詳細に制御して、リソースの管理とコードのバージョニングを改善することができます。Google は最近、Terraform を使用して、IaC を通じた Google Cloud インフラストラクチャの管理を可能にする Infrastructure Manager をリリースしました。Champion Innovators のメンバーとして、私は Google チームも参加する社内セッションに出席しましたが、Google チームはそこでプロダクトを紹介し、私たちのあらゆる質問に答えてくれました。IaC は業界にとって大きな転機になると考えているので、これは本当に役に立ちました。
また、生成 AI の可能性にも大きな関心をもっています。Champion Innovators のメンバーだったこともあり、私は Google Cloud の Duet AI に早期アクセスすることができました。Duet AI は、24 時間年中無休で私の質問に答え、コードの課題の解決を手伝ってくれる一種のパーソナル アシスタントのようなものだと考えています。Google Cloud のインフラストラクチャおよびアプリケーション向けネイティブ DevOps ツールと生成 AI との統合の可能性についてさらなる知見を得ることが楽しみです。まだ初期段階ではありますが、生成 AI を活用して改善後のソリューションを顧客に提供し、ソリューション アーキテクチャを強化して、問題のトラブルシューティングを行うという可能性に大きな魅力を感じています。
NT: 新しいサービス、アプリケーション、テクノロジーについては、どのように学んでいますか。
RS: 私の主なリソースは、Google Cloud のブログ、ドキュメントのほか、クラウドの移行とモダナイゼーションについて継続的に議論している社内チャネルです。Google Cloud のリリースノートは、情報がソースから直接提供されているため大変有意義です。Google Cloud のブログ記事や Medium の投稿も非常に役立ちます。Innovators プログラムには、Google Cloud 自体や世界中の Innovators メンバーからの豊富な技術的専門知識が集められています。
Innovators のメンバーであれば、Google Cloud で広く実践する機会が得られます。実践的学習を強く信頼している私にとって、これは素晴らしいことです。新しいことを知ったら、すぐに実践してみたくなります。しかしながら、情熱を注ぐことと同じくらい、自分の健康に気を配ることも重要です。私がメンタルヘルスに重点を置いているのは、メンタルヘルスが私と家族の幸せを維持し、生産性を高めてくれるからです。心が平穏であれば思考も明快になり、より良いソリューションを顧客に提供することができます。
NT: Innovators プログラムに参加することは、あなたの個人的成長や専門家としての成長にどのような影響を与えましたか。
RS: 社内のトレーニングや Innovators メンバー限定のトレーニング、それから認定資格の利用は、インフラストラクチャのモダナイゼーションと移行に関する私のアプローチを形にするうえで大いに役立ちました。もう一つの大きな利点は、強力なコミュニティ サポートです。サポートを提供してくれる多くのクラウド愛好家や経験豊富な専門家とつながることができます。
プログラムに参加したことで、私の視野も本当に広がりました。私は小さな町の出身ですが、そこでは外部の人と交流する機会があまりありませんでした。Innovators のメンバーであることで、自信がつくだけでなく、対人スキルやコミュニケーション スキルも向上しました。また、複雑なテクノロジー上の概念を簡単な言葉で説明することも学びました。これは、技術者以外の同僚や顧客と仕事をするときに非常に有用です。
経歴に「Google Cloud Champion Innovator for Modern Architecture」と記載できることも大きな違いを生みます。自分の発言に対する注目度が以前よりもはるかに高くなります。LinkedIn と Medium を通じて世界中から連絡や質問を受けることがありますが、プログラム参加以降はこれが 3 倍に増えました。
NT: あなたにとってコミュニティはどのくらい重要ですか。
RS: 非常に重要です。コミュニティでの交流を強くおすすめします。Innovators のようなクラウド コミュニティやプログラムはコラボレーションと知識の共有を重視しており、さまざまな背景を持つ人々を結びつけます。他のメンバーと定期的に交流することで、私たち全員が直面している課題についてのインサイトや新しい視点を得ることができます。
私の場合は、Google Cloud のコミュニティ ページや Medium のブログを通じて、自分のストーリーや経験を積極的に共有し、メンバーを支援することに努めています。Medium のブログでは、専門領域がさまざまに異なる業界の人たちと「Silly Sit-Downs (SSD) with Rohan」というインタビュー シリーズを連載しています。最近では動画やポッドキャストが非常に普及していますが、私は読み書きの力を心から信じています。読みものは想像力を刺激し、高速のインターネット接続を必要としないため、場所を問わず読み手にアクセスできます。私は今、自分自身をメンターと捉え、障壁なく世界中でコミュニケーションをとっています。フォロワー数自体には興味がありませんが、私のコンテンツが役に立ったというメッセージを受け取ると、本当に嬉しくなります。
NT: 新進気鋭の Innovators メンバーにアドバイスがあるとしたら、それは何ですか。
RS: 肩書きではなく、知識とスキルを追求しましょう。友だちがやっているから、儲かると思うからという理由だけで、クラウド コンピューティングのようなテクノロジーを選択しないでください。まずは調べてみて、興味があれば、基本から始めてください。6 か月以内にクラウドの専門家になるなど、非現実的な期待を抱いてストレスを感じないようにしてください。時間をかけて自分のペースで学び、成長するとともに、アクティブに過ごし、旅行し、テクノロジーを超えて新しい物事を学び、人々と交流し、必要に応じて休憩を取ってください。
始めるのは、それだけでも大変なことです。各組織が生成 AI によってイノベーションを進めている方法について詳しくは、拡大を続けている Innovators コミュニティをご確認ください。私たちは、志を同じくし、次のレベルに向けて歩みを進めたいと考えている Google Cloud ユーザーからのアイデアをお待ちしています。
ー Google Cloud、コンテンツ マーケティング マネージャー Natalie Tack
ー SADA、シニア クラウド インフラストラクチャ エンジニア Rohan Singh 氏