顧客事例

Anthos 導入でパーソナライズド バンキング ソリューションを推進する KeyBank

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※この投稿は米国時間 2019 年 8 月 16 日に Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。


編集部注 : KeyCorp(米国オハイオ州クリーブランド)の主要子会社である KeyBank は、総資産約 1,370 億ドルのスーパーリージョナル バンク(広域地方銀行)です。コンテナや Kubernetes のメリットをレガシー アプリケーションにも適用する方法を探っていた同行は、2018 年に Anthos 早期アクセス プログラムに参加しました。本稿では、その理由などについてご紹介します。


200 年近く営業してきた私たち KeyBank は、変化についていくことが多少なりともできるようになりました。ニューヨーク州で Commercial Bank of Albany として創業した私たちは、米国で 13 番目の規模を誇る銀行へと成長し、現在はアラスカ州からメイン州まで約 1,000 の支店を構えています。また、事業の拡大とともに、デジタル化によって自ら変わっていくことが、お客様とつながり、お客様にサービスを提供する中心的な方法となっています。


私たちはデジタル化によって、“ファスト” マネーを扱うサービス(預け入れ、引き出し、振り込みなど個々のトランザクション)にかかる時間を短縮するとともに、“スロー” マネー(創業、引退、大学の学費支払いといった目的のためのパーソナライズされたバンキング ソリューション)に、より多くの時間をかけています。ファスト マネーのサービスに対しては強力なオンラインおよびモバイル エクスペリエンスを提供していますが、お客様が支店に来店されたときには、スロー マネーがお客様の適切な資産形成をいかにサポートするかについて詳細に説明するようにしています。


会社をデジタル化するこうした取り組みの一環として、私たちはここ数年、オンプレミス データセンターにおいて、コンテナと Kubernetes を主にお客様向けのオンライン バンキング アプリケーションで使用してきました。コンテナをベースとするアプローチのスピードと競争優位性は、私たちがこれまで使ってきたどの技術にも類を見ません。


1 つ例を挙げましょう。2015 年に First Niagara Bank を買収した際に、そのオンライン リテール バンクを利用していた 50 万人のお客様のオンボーディングが必要になりました。ある週末に移行を行ったところ、新しいウェブ サイトにおいて、新しいお客様のナビゲーションとログインに関するトラブルが発生しました。このとき、私たちのウェブ チームは 2 日間で、10 件の修正プログラムを本番環境にリアルタイムでデプロイし、システムを 1 回もダウンさせずに済みました。これは、コンテナと Kubernetes がポータビリティと自動化対応という特性を備えていなければ不可能だったでしょう。


コンテナと Kubernetes は、オンデマンドでのインフラストラクチャ リソースのスピンアップとスピンダウンにも役立っています。この機能は、多くの人が一斉に買い物をするブラック フライデーやサイバー マンデーのように、需要が急激に増大する場合に威力を発揮します。たとえば、KeyBank のオンライン バンキング アプリケーションには毎秒平均で約 35 回のログインがありますが、ピーク時にはこの数字が毎秒平均 100 回に跳ね上がります。しかし、私たちが何もしなくても、キャパシティは直ちに 3 倍に拡大されます。Kubernetes インフラストラクチャが、必要に応じてリソースを自動的にスピンアップ、スピンダウンするからです。


私たちは、このような “バースタビリティ” をインフラストラクチャの他の部分、すなわちコンテナで動作するように設計されていないアプリケーションでも実現したいと考えました。Kubernetes で動作するオンライン バンキング アプリケーションだけでなく、300 以上の社内アプリケーションもサポートする必要があったからです。これらは日常業務(詐欺検出や企業アカウント管理など)に不可欠であり、その 95 % は VMware 上で動作します。また私たちは、Kubernetes のオープンソース版にできるだけ近い技術を採用していくことも目指していました。


Google Cloud のハイブリッド / マルチクラウド プラットフォームである Anthos は、こうした要件をすべて満たしています。Anthos を使用すれば、必要なときにいつでも必要な場所で、インフラストラクチャ リソースをスピンアップできます。そのため、コンテナでネイティブに実行されるように構築されていない社内プロセスの場合でも、前述したバースタビリティを実現できます。Google は Kubernetes の開発元であり、Anthos の機能セットの多くは Kubernetes を直接使用して提供されることを私たちは理解しています。


私たちは Anthos をローカルにデプロイしており、デプロイ先は、使い慣れた高パフォーマンスのハイパーコンバージド インフラストラクチャである Cisco HyperFlex です。Cisco HyperFlex にはコンピューティング、ネットワーキング、およびストレージのリソースが統合されています。また、コンテナ化されたワークロードを、それらがすべて Google Cloud Platform(GCP)で動作しているかのように、“Single Source of Truth”(信頼できる唯一の情報源)となる GCP コンソールから管理しています。


私たちは当初から Google Cloud と Cisco の緊密な協力を得て Anthos を導入、活用しており、どのアプリケーションを移行するかについては体系的に判断しています。移行リストの筆頭は、変更が頻繁に発生するアプリケーションです。早くから頻繁にテストできるというコンテナ化のメリットを生かすためです。アプリケーションの技術的な適切性の検証を通じて、これからもお客様の適切な資産形成を支援していきます。

- By Keith Silvestri, CTO, KeyBank and Chris McFee, Director of DevOps Practices, KeyBank